Article 構造生物学:デングウイルスエンベロープタンパク質の膜融合後の構造 2004年1月22日 Nature 427, 6972 doi: 10.1038/nature02165 デングウイルスは、ウイルスのエンベロープ糖タンパク質Eが受容体に結合し、エンドソーム内の低pHに応じてコンフォメーションの再配置を起こした時に宿主細胞に侵入する。コンフォメーション変化はウイルスと宿主細胞の膜の融合を引き起こす。膜融合後の三量体を形成した状態の可溶性E細胞外ドメイン(sE)の三次元構造からは、膜融合前の二量体である構造との著しい相異が明らかとなる。ひき伸ばされた形の三量体はその一端に3つの「融合ループ」があり、それらが宿主細胞の膜に挿入される。こうした構造から直ちに、これらの融合ループが脂質二重膜と相互作用する際のモデルが考えられる。タンパク質は端が折り返されて、カルボキシ末端が融合ループの方を向いている。膜融合は本質的に不可逆なEの構造変化によって引きおこされ、融合ループが二重膜の外側の単分子層に挿入されることでさらに促進されるという機構により起こると考えられる。折り返された構造に特異的な性質から、フラビウイルスの侵入を阻害する戦略を考えることができよう。ボストン小児病院およびハーバード大学医学系大学院(米) Full Text PDF 目次へ戻る