Letter 生態:湖全体への炭素13添加により陸上から水中食物網への補給が明らかになった 2004年1月15日 Nature 427, 6971 doi: 10.1038/nature02227 生態系は2種類の供給源からくる有機炭素によって支えられている。内因性の炭素は生態系内で独立栄養生物の光合成によって生成される。外因性の炭素は生態系外で生成されて系内部へ運び込まれる。消費者が外因性の炭素を使うことで、個体群動態や捕食者−被食者関係、生態系過程に影響が出てくる可能性がある。たとえば外から入ってきた炭素が元となって、生態系内の一次生産で支えられるレベルを超えて消費者の個体数が増えてしまう可能性もある。生態系外から系内部への有機炭素の流入量は往々にして大きいが、この有機炭素は扱いにくく同化が難しい。これに対して系内部で生成した有機炭素はもっと利用しやすい。今回我々は、2つの湖で溶存態無機炭素13Cを実験的に操作して、生態系内部の一次生産では食物網を支えるのに不十分であることを示す。NaH13CO3を添加すると、溶存態無機炭素や懸濁態有機炭素、動物プランクトンや魚類の13C含有量が多くなった。13Cの動態からみて、懸濁態有機炭素の40〜55%、動物プランクトン炭素の22〜50%が陸上供給源に由来することがわかる。つまり、これらの生態系には系外部で生成した有機炭素がかなりの量補給されている。 Full Text PDF 目次へ戻る