Letter 発生:胚性幹細胞からの胚の生殖細胞とオスの配偶子の誘導 2004年1月8日 Nature 427, 6970 doi: 10.1038/nature02247 マウスの配偶子である卵と精子の細胞は、胚発生の初期に確保される始原生殖細胞の集団に由来する。始原生殖細胞はマウス初期胚の近位胚盤葉上層から生じ、この領域は胚の卵黄嚢において最初の血液細胞系譜をも生み出す。in vitro 実験系において、胚性幹細胞はマウス初期胚に特有の組織系譜からなる胚様体と呼ばれる嚢胞様構造に分化する。胚様体は血液発生を行うことから、我々はこれが始原生殖細胞の形成も行っているのではないかと推測した。本研究で我々は、胚様体から始原生殖細胞を単離し、持続的に成長する胚性生殖細胞株を得た。この胚性生殖細胞では、生殖系列の特徴である Igf2r と H19 遺伝子のメチル化マーカー(インプリント)の消去が見られた。胚様体は、始原生殖細胞が半数体の雄性配偶子へ成熟するのを助けることがわかった。これらの雄性配偶子を卵細胞に注入すると体細胞型の二倍体の染色体構成が回復し、胚盤胞に発生することも明らかになった。胚性幹細胞から生殖細胞を得る我々の手法は、生殖系列のエピジェネティックな修飾と哺乳類の配偶子形成研究のためのin vitroモデル系を提供するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る