Letter

材料:コロイド相転移による膜表面分子相互作用の検出

Nature 427, 6970 doi: 10.1038/nature02209

細胞膜の分子構造ならびに細胞膜内の生化学的プロセスは、あらゆる生物で重要な役割を果たしており、多くの薬物や感染性病原体が膜を標的としている。膜表面で起こる生化学反応の実験的研究は困難である。それは、こういう実験には細胞膜のように流体で、しかも分子相互作用の効率よい検出や特徴づけができる膜環境が必要だからである。一手法として、シリカやポリマーなどの固体基体上に担持された脂質膜を使用する方法がある。膜は固体界面付近で捕捉されるものの、自然な流動性と生物学的機能性を維持しており、機能性研究のために膜タンパクを埋め込むことが可能である。しかし、膜に結合した種が関与する分子相互作用の検出には、一般的に、表面プラズモン共鳴や全反射蛍光顕微鏡法などの精巧な技術が必要である。今回我々は、膜でコーティングしたシリカビーズのコロイド相転移を利用することによって、脂質膜表面上の分子相互作用をモニタリングする簡便かつ標識不要の手法が実現することを示す。脂質膜組成を調整することによって、膜担持シリカビーズ間のペア相互作用ポテンシャルを調整し、膜表面上の小さな摂動がコロイドの巨視的組織に劇的な変化をもたらすよう、系を相転移付近の状態にした。高い感度で膜表面のタンパク質結合事象を精査するために利用した本手法が広範な細胞膜プロセスの研究に適用可能であると、我々は予想している。

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