Letter 地球:ガスハイドレート層の下方に存在する臨界まで加圧されたフリーガス貯留層 2004年1月8日 Nature 427, 6970 doi: 10.1038/nature02172 古海洋学的データから、メタンハイドレートが地球規模の気候変動に重要な役割を果たすことが示唆されている。しかし、地球温暖化の時期にメタンが放出される機構はほとんどわかっていない。特に、ガスハイドレート層下方のフリーガス層の規模と役割は不明な部分が多い。フリーガス層の基底が相境界ではなく、体系的な説明が難しいことが主な理由である。今回、互いに連結したフリーガス層の最大厚さが、この層を覆う堆積物中における断層の滑りによって生じるバルブ作用で機械的に調節される可能性を評価した。今回得られた結果は、臨界状態にあるガスカラムが、海盆における大部分のハイドレート層の下方に存在することを示唆しており、このようなハイドレート層が機械的に破壊しやすい状態にあり、そのために大気条件の変化に非常に影響されやすいことを暗示している。また地球規模のフリーガス貯留層は、ハイドレート中に閉じこめられた総メタンの6分の1から3分の2を含む可能性があると推定される。ガスの蓄積層が、活動的でない大陸斜面に沿って臨界に達した厚さで存在すると仮定すると、海底における5℃の温度上昇によって、フリーガス層から約2,000 Gtのメタンが放出される可能性があると計算され、これは地球規模の温暖化が進む場合の急速なメタン放出機構となる。 Full Text PDF 目次へ戻る