Letter 発生:マウスの初期胚で見られるすでに不活性化された父系X染色体の遺伝 2003年12月18日 Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02222 哺乳類では、XXの胚で一方のX染色体の転写サイレンシングが起こることによって遺伝子量補償が行われ、雄(XY)と雌(XX)のX染色体発現量が等しくなる。一般的な見方では、XX接合体は活性なX染色体を父親と母親から1本ずつ、計2本受け継ぎ、X染色体の不活性化は着床後に初めて起こるとされている。本論文では、これとは相容れない証拠をマウスで得たことを報告する。我々は、接合体遺伝子が活性化される段階(2細胞期)で、すでに1本のX染色体がサイレンシングされていることを見出した。このX染色体は父親由来で、サイレンシングには勾配が認められる。すなわち、X不活性化中心に近い遺伝子は不活性化の程度が最も高く、中心から遠い遺伝子では不活性化の程度はさまざまで、部分的に抑制を免れている場合もある。着床後、胚外組織ではインプリントされたサイレンシングが遺伝子から遺伝子へと全体に広がっていき、サイレンシングはより完全となる。これらの結果は、XX胚ではすでに受胎時にX染色体の相当部分にわたる遺伝子量補償が行われていることを立証している。インプリントされたX不活性化は、すでに不活性化されたX染色体を父系の生殖系列から受け継いだ結果であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る