Letter 生態:マダガスカルに生息する既知および未知の爬虫類種の分布予測 2003年12月18日 Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02205 熱帯の生物多様性が重要視されているにもかかわらず、生物地理学研究や生物保全課題の優先度設定に使える有用な生物種分布データはほとんどない。生物種の生態的なニッチの分布をモデル化することは、1つの解決策となりうる。しかし、ある種について博物館から得られる古い出現地点データの有用性や、最近の衛星による遠隔探査データの有用性はほとんど試されておらず、急速に変化の進む熱帯域については特にそれが言える。我々は今回、マダガスカルの最近の29の環境を表す土地区域のデータセットと、621件のカメレオンの出現地点(歴史上および近年のデータ)を使い、我々のニッチモデルが種分布を統計的に有意な程度に予測できることを示す。生物調査が最近行われた11か所では、近年の出現データのみをもとにしたモデルで予測成功度が最高(85.1%)となった(1978年より前と全データ総合では予測成功度がそれぞれ74.7%と82.8%)。注目すべきことに、これらのモデルにより、複数の種において過大評価された3つの地域も特定され、これらの地域では最近、新種のカメレオンが7種見つかっている。最近の出現地点の記録と入手の容易な環境区域データを使った生態系ニッチのモデル化は、情報の少ない熱帯地表環境を知るための有益な生物地理学データとなり、また未知の生物分布域や未知の生物種を発見するための革新的な戦力となると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る