Letter 発生:リプレッサーの濃度勾配という自己組織系がショウジョウバエの複雑な体節を確立する 2003年12月18日 Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02189 発生の過程において、遺伝子発現の正確なパターンを確立するためには、調節因子の濃度勾配が必須である。しかし、複雑なボディプランを形成するために、複数の濃度勾配に含まれるパターン形成情報がどのように統合されるかは不明である。本論文では、ショウジョウバエの2つの転写リプレッサー、Hunchback(Hb)とKnirps(Kni)の相対立する濃度勾配が、ペアルール遺伝子であるeven-skipped(eve)の2つの異なる調節領域(エンハンサー)を別々に抑制することにより、いくつかの体節の位置を決定することを示す。コンピューターを用いた解析とin vivoの解析から、抑制に対するエンハンサーの感受性はリプレッサー結合部位の数と親和力によって制御されていると考えられる。kni発現ドメインはHbの2つの濃度勾配の間に位置するので、それぞれのエンハンサーは、kniドメインの両側に1つずつある1対の対称的な縞の発現を指令する。このように、縞の8つの境界(4つの縞)、すなわちeveの関わる全てのパターンのうち半分以上の位置を正確に決定するためには、わずか2つのエンハンサーしか必要とされない。我々の結果は、発生における複雑な発現パターンが単純なリプレッサーの濃度勾配によって生み出され得ることを示している。また、今回の結果は、ゲノムDNA中に含まれる調節情報を明らかにし解読するために、コンピューターを用いた解析が有用であることも立証するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る