Letter 医学:遺伝子産物Murr1は休止CD4+リンパ球においてHIV-1の複製を制限する 2003年12月18日 Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02171 ヒト免疫不全ウイルス-1(HIV-1)は、静止および増殖しているCD4+リンパ球に感染するが、このウイルスは休止T細胞では十分に複製しない。休止T細胞においてウイルス複製を阻害する因子は、HIV感染の無症候期を延長させる助けになるものと考えられる。しかし、この過程を制御する分子機構は十分には解明されていない。本論文では、銅の調節に関与する遺伝子産物としてすでに知られていたMurr1が、刺激を受けていないCD4+T細胞においてHIV-1の増殖を抑制することを示す。HIV-1増殖の抑制は、基礎レベルおよびサイトカイン刺激による核内因子(NF)-κB活性を抑制するMurr1の能力によってその一部が媒介されていた。Murr1をノックダウンすると、NF-κBの活性は増強し、またプロテアソームによるリン酸化IκB -αの分解が促進されることによって、IκB -αの濃度は低下した。Murr1はCD4+T細胞で検出され、また初代培養休止CD4+リンパ球におけるMurr1のRNA媒介性干渉は、HIV-1複製を増加させた。Murr1は、プロテアソームに対する効果を介して、リンパ球でのHIV-1複製を抑制する遺伝的制限因子として作用しており、そのことは無症候性HIV感染およびAIDSの進行の調節に寄与し得るものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る