Article 宇宙:火星における最近の氷河期 2003年12月18日 Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02114 地球における氷河期の重要なペースメーカーは、惑星軌道パラメーターの変化による気候強制力である。最近の火星探査により、塵と水氷に富み火星表面を覆う堆積物が明らかになった。この堆積物は層状をなし、数メートルの厚さで緯度依存性があり、両半球の中緯度から極にかけて存在している。本論文では、およそ210万年前から40万年前まで続いた地質学的には最近の氷河期に、これらの堆積物が形成されたという証拠を示す。堆積物は、30度から35度に達する傾斜角(火星の回転軸と黄道面のなす角)の変動の間に水氷と塵の安定性が変化するのに応答して、およそ30度の緯度(地球ではサウジアラビアやアメリカ合衆国南部に相当する)に至るまで対称的に存在する。火星は現在、「間氷期」にあり、氷に富んだ堆積物では表面付近の氷の現在の不安定性に応答して、再生、侵食、そして後退が起こっている。地球とは異なり、火星の氷河期は、より温暖な極の気候に特徴があり、大気中の水と塵の赤道方向への輸送を促進し、中緯度に至るまで広がった起伏のない堆積物を形成した。 Full Text PDF 目次へ戻る