Nature

Natureの表紙

Cover Story: 免疫サービス:ヒトペプチドローディング複合体の構造から免疫系のプライマーが明らかになった

Nature 551, 7681 (2017年11月23日)

表紙は、細胞の小胞体膜(灰色)をまたがるヒトペプチドローディング複合体(PLC)の構造である。PLCは、免疫応答の重要な要素であり、主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC-I)分子へのウイルスなどの異物のペプチド断片の結合に関与する動的な複合体である。MHC-I分子が、ペプチド断片を人体の免疫細胞に提示し、侵入物に対する免疫系の抵抗が始まる。今回R Tampéたちは、クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いてPLCの構造を明らかにし、複合体の編集モジュールがペプチド輸送体TAPの周りにどのように集まるか示している。さらに彼らは、MHC-Iへの抗原ペプチドの結合によってMHC-Iの構造が変化するため、安定なペプチド–MHC-I複合体の放出が促進され、免疫応答が始まることを見いだしている。この知見から、PLC、抗原プロセシング、MHC-Iを介した免疫が生じる仕組みの背後にある機構が垣間見えるようになってきた。

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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