Nature

Natureの表紙

Cover Story: 胚細胞腫瘍のゲノミクス:胚細胞腫瘍での化学療法抵抗性の進化

Nature 540, 7631 (2016年12月1日)

表紙は、生殖細胞に分化する過程でヘテロ接合性を失い、アポトーシスを起こしている悪性胚細胞。胚で発生し生殖系の細胞となる胚細胞から形成された腫瘍は、成体に生じる他の多くのがんよりも化学療法に対する感受性が高い傾向がある。今回E Van AllenとC Sweeneyたちは、このような化学療法感受性の基盤と臨床で見られる化学療法抵抗性の推進因子を確かめる目的で、多様な臨床転帰(胚細胞腫瘍による死亡という非常にまれな症例を含む)が見られる患者に由来する胚細胞腫瘍について、臨床における全エキソームおよびトランスクリプトーム塩基配列解読を行った。原発性の胚細胞腫瘍では、染色体のRLOH(reciprocal loss of heterozygosity)とKRASの変異が他より非常に多く、またアポトーシスに対するプライミング(膜透過性亢進)状態にあるミトコンドリアも増えていることが分かった。この研究は、胚細胞腫瘍における化学療法感受性、また化学療法抵抗性の進化に関する手掛かりを与えるものである。

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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