Nature

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Cover Story: メモリースティック:細胞系譜において後の世代がさらに分裂するかどうかは、受け継がれた因子が決めている

Nature 549, 7672 (2017年9月21日)

増殖中の細胞集団が有糸分裂を完了する際には、新しく生じた娘細胞の一部は直ちに次の細胞周期に入るが、他の細胞は静止状態に切り替わる。今回T Meyerたちは、母細胞から受け継いだ競合する記憶によって、次の細胞周期を停止するか開始するかを娘細胞が決定する仕組みを明らかにしている。増殖シグナルによって、母細胞にサイクリンD1メッセンジャーRNA(mRNA)が蓄積される一方で、DNA損傷によって活性化したp53がより多く細胞に含まれるようになる。これらは娘細胞に受け継がれ、サイクリンD1 mRNAがタンパク質に翻訳されるとともに、p53がp21タンパク質の生成を促進する。より多くのサイクリンD1を受け継いだ娘細胞は次の細胞周期を通して活動を継続し、活性化したp53を大量に持つ娘細胞は活動を停止する。これは、DNAの損傷歴が少ない細胞を優先的に選んでより頻繁に増殖させることで、増殖中の細胞集団の健常性を最大にする細胞周期制御システムをもたらしている

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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