Nature

Natureの表紙

Cover Story: 分子の制御:有機化学合成の規則を破る触媒的置換反応

Nature 556, 7702 (2018年4月26日)

異なる4つの炭素置換基と結合した炭素、つまり第四級立体中心は、生物活性を示す有機小分子の重要な構造モチーフである。こうした分子は、異なる鏡像を持つことがあり、適切な立体配置の分子のみを合成することが難しい場合がある。今回E Jacobsenたちは、通常は制御できない反応機構を使って、どのようにしてラセミ混合物から第四級立体中心を選択的に生成したか明らかにしている。この一分子求核置換(SN1)反応は、有機化学のどの教科書にも載っている。この反応では、平面状のカチオン中間体(表紙イラスト)を介して、すでにある炭素原子の置換基を求核置換基で置き換えることが可能になる。しかしこの機構には、面のどちらの側からも反応性の炭素原子が近づくことができるという性質があり、求核置換基を選択的に付加することは通常は不可能である。著者たちは、水素結合するキラルな触媒とルイス酸を用いて、この規則を破り、SN1反応の立体制御された進行を実現した。

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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