Nature ハイライト
		
		
        
		
		構造生物学:遺伝子転写を開始する
Nature 594, 7861
真核細胞遺伝子の転写が開始される際には、RNAポリメラーゼIIはプロモーター上で基本転写因子と集合して転写開始前複合体(PIC)を形成し、さらにメディエーター複合体と結合して、調節された転写開始を可能にする。P Cramerたちは今回、2報の論文で、これに関した複数のクライオ電子顕微鏡構造を報告している。これらによって調節された転写開始についての理解が進むだろう。1つ目の論文では、ヒトPICのプロモーターの閉じた状態と開いた状態の構造、そしてTFIIHトランスロカーゼXPBによってDNAが開かれる機構が明らかにされている。2つ目の論文では、20のサブユニットからなる組換え型ヒトメディエーターのPICと複合体を形成した構造が報告されている。
2021年6月3日号の Nature ハイライト
- 天体物理学:銀河系内の12個の線源からの超高エネルギー光子
- 物性物理学:モアレ・トリオン
- 材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
- 生態学:湖沼の酸素濃度の低下
- 食物学:サハラ以南のアフリカにおける穀粒の微量栄養素量に関する地域レベルの調査
- コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
- 神経免疫学:紫外線で損傷した皮膚におけるニューロンによる組織修復の調節
- がん:AIで腫瘍の起源を見つけ出す
- 細胞生物学:ユビキチンの新たな性質
- 分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能
- 構造生物学:遺伝子転写を開始する


