Nature ハイライト
		
		
        
		
		生態学:湖沼の酸素濃度の低下
Nature 594, 7861
 
	    Credit: MIXA / Getty Images
溶存酸素濃度は、湖沼の多くの生態学的過程や生物地球化学的過程を調節しているが、そうした陸水生態系における溶存酸素濃度の長期にわたる広範な変化についてはほとんど分かっていない。今回K Roseたちは、数百の温帯域湖沼で得られた数十年間のデータを報告し、表水層と深水層の溶存酸素濃度の広範な減少を明らかにしている。彼らは、表水層の溶存酸素の減少は水温の上昇による溶解度の低下によって、深水層の溶存酸素の減少はより強い温度成層と水の透明度の低下によって主に説明できることを見いだした。今回の知見は、気候変動と水の透明度の低下によって、湖沼の物理的環境と化学的環境が変化したことを示唆している。
2021年6月3日号の Nature ハイライト
- 天体物理学:銀河系内の12個の線源からの超高エネルギー光子
- 物性物理学:モアレ・トリオン
- 材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
- 生態学:湖沼の酸素濃度の低下
- 食物学:サハラ以南のアフリカにおける穀粒の微量栄養素量に関する地域レベルの調査
- コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
- 神経免疫学:紫外線で損傷した皮膚におけるニューロンによる組織修復の調節
- がん:AIで腫瘍の起源を見つけ出す
- 細胞生物学:ユビキチンの新たな性質
- 分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能
- 構造生物学:遺伝子転写を開始する


