Nature ハイライト
		
		
        
		
		物性物理学:モアレ・トリオン
Nature 594, 7861
2019年、二次元半導体を積層することによって形成されたモアレ超格子において、新しいタイプの励起子(電子と正孔の対)が報告された。こうしたモアレ励起子が材料中で他の電荷キャリアと結合すると、多粒子励起子状態が形成されると予想できる。今回C Luiたちは、積層二次元半導体において、そうした状態、すなわちモアレ・トリオンを報告している。彼らは、モアレ・トリオンが、従来型トリオンの挙動と大きく異なり、電荷密度依存性が複雑で非常に不規則な鋭い輝線を示すことを明らかにした。観測された特徴は、モアレ超格子のトリオンに関する今後の理論的研究や実験的研究の動機付けとなる。
2021年6月3日号の Nature ハイライト
- 天体物理学:銀河系内の12個の線源からの超高エネルギー光子
- 物性物理学:モアレ・トリオン
- 材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
- 生態学:湖沼の酸素濃度の低下
- 食物学:サハラ以南のアフリカにおける穀粒の微量栄養素量に関する地域レベルの調査
- コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
- 神経免疫学:紫外線で損傷した皮膚におけるニューロンによる組織修復の調節
- がん:AIで腫瘍の起源を見つけ出す
- 細胞生物学:ユビキチンの新たな性質
- 分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能
- 構造生物学:遺伝子転写を開始する


