Nature ハイライト
		
		
        
		
		コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
Nature 594, 7861
M Giaccaたちは今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって死亡した患者の大部分では、肺に融合細胞、つまりシンシチウムの特徴を持つ異型細胞が見られることを示している。さらなる実験で、細胞と細胞の融合は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質を介して起こり、スパイクによって誘導される融合は、カルシウム振動や、カルシウム依存性塩素チャンネルTMEM16Fの活性化を引き起こすことが明らかになった。著者たちは、TMEM16Fはスパイクによって誘導されるシンシチウム形成に必要であり、TMEM16Fを阻害する薬剤(承認薬のニクロサミドを含む)はこのようなシンシチウム形成を抑制できることを示している。
2021年6月3日号の Nature ハイライト
- 天体物理学:銀河系内の12個の線源からの超高エネルギー光子
- 物性物理学:モアレ・トリオン
- 材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
- 生態学:湖沼の酸素濃度の低下
- 食物学:サハラ以南のアフリカにおける穀粒の微量栄養素量に関する地域レベルの調査
- コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
- 神経免疫学:紫外線で損傷した皮膚におけるニューロンによる組織修復の調節
- がん:AIで腫瘍の起源を見つけ出す
- 細胞生物学:ユビキチンの新たな性質
- 分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能
- 構造生物学:遺伝子転写を開始する


