News & Views

ガンギエイの「翼」の起源が明らかに

進化には特別な形質の選択が絡んでいるが、それは胚発生中に起こることが多い。進化と発生とのこうした相互作用(エボデボ〔evo-devo〕として知られる)を最初に認識したのはチャールズ・ダーウィン1だが、ここ数年の進化研究は、分子生物学とゲノミクスの著しい進歩によって後押しされている。Nature 2023年4月20日号の495ページでは、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(英国)および沖縄科学技術大学院大学(国頭郡恩納村)のFerdinand Marlétazをはじめ、パブロ・デ・オラビデ大学(スペイン・セビリア)やマックス・デルブリュック分子医学センター(ドイツ・ベルリン)、カリフォルニア大学バークレー校(米国)の研究者を中心とする国際研究コンソーシアムが、ガンギエイ類のLeucoraja erinaceaのゲノム塩基配列を発表している(監修者としてラトガース・ニュージャージー州立大学〔米国〕の中村哲也〔なかむら・てつや〕が参加)2。さらに研究チームは、塩基配列解読と発生生物学の手法を駆使し、ガンギエイ類とそれに極めて近い分類群のサメ類とがどのように分かれたか、そしてガンギエイ類の変わった胸ビレがどのように進化したかを分析した。

図1 Leucoraja erinaceaの骨格
F. Marlétazら2は、L. erinaceaというガンギエイのゲノム塩基配列を解読し、頭部の両側に広がる翼状の独特な胸ビレの進化を導いた遺伝的変化の解析を行った。 Credit: 中村哲也

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

翻訳:小林盛方

Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230744

原文

Genome reveals how the skate got its wings
  • Nature (2023-04-20) | DOI: 10.1038/d41586-023-00192-0
  • Chris Amemiya
  • カリフォルニア大学マーセド校(米国)に所属

参考文献

  1. Darwin, C. R. Notebook B [Transmutation of Species] (Cambridge Univ. Press, 1838).
  2. Marlétaz, F. et al. Nature 616, 495–503 (2023).
  3. Nakamura, T. et al. Proc. Natl Acad. Sci. USA 112, 15940–15945 (2015).
  4. Butler, M. T. & Wallingford, J. B. Nature Rev. Mol. Cell Biol. 18, 375–388 (2017).
  5. Barresi, M. J. F. & Gilbert, S. F. Developmental Biology Int. 12th edn, Ch. 19 (Sinauer, 2020).
  6. Bolt, C. C. & Duboule, D. Development 147, dev171736 (2020).
  7. Jung, H. et al. Cell 172, 667–682 (2018).
  8. Hall, K. C., Hundt, P. J., Swenson, J. D., Summers, A. P. & Crow, K. D. J. Morphol. 279, 1155–1170 (2018).