アーカイブ検索

2017年11月号

News: iPS細胞でサルのパーキンソン病症状が緩和

iPS細胞から作製したニューロンをパーキンソン病モデルのサルに移植したところ、2年間にわたって症状の改善が観察され、その間、移植ニューロンは有害な作用を引き起こさなかった。

News & Views: 苦味と甘味の知覚に必要なガイダンス分子を発見

苦味や甘味などの味覚に関する情報は、それぞれの味覚に特異的な経路を介して、マウスの舌から脳へ伝達される。このたび、セマフォリンタンパク質がこれらの経路の配線を誘導していることが明らかになった。

News & Views: 系外惑星大気にオゾン層に似た層を発見

系外惑星の大気の性質が盛んに議論されている。ホットジュピターと呼ばれる系外惑星の熱スペクトルから、組成は不明だが、地球のオゾン層に似た層の存在が明らかになった。

2017年10月号

News & Views: 抗体はドーパミンを介して作られる

T細胞は、B細胞が抗体産生細胞へと分化するのを助ける。これにはドーパミンを使った細胞間のシグナル伝達が必要とされることが報告された。神経伝達物質であるドーパミンは、意外なことに免疫でも役割を持つことが分かった。

Japanese Author: 制御性T細胞研究とともに歩む

異物を攻撃して体を守る働きをする免疫反応には、それを促進する役割と抑制する役割を果たす仕組みが備わっている。抑制する働きの1つを担う制御性T細胞の存在を提唱し、それを証明した坂口志文・大阪大学特任教授には、ガードナー国際賞をはじめとするたくさんの賞が与えられた。現在、制御性T細胞のコントロールを目指して、ゲノムやエピゲノムレベルでの研究を進めている。

News & Views: 魚が流れを感じて危害を避ける仕組み

魚は、体の側面にある毛状のセンサーで水の運動を感知していると考えられている。魚がセンサーの情報からどのようにして水の流れの状況を把握し、流れに対する応答を決めているのかが、実験と計算機シミュレーションで明らかになった。

News & Views: T細胞の標的認識パターンを予測

T細胞受容体(TCR)は、通常は体内に存在しないペプチド分子に結合して免疫応答を開始できる。TCRが結合するペプチドを予測することは難しいとされてきたが、今回、TCRの標的抗原の予測に向けた筋道が見えてきた。

2017年9月号

News: Droshaは昔、ウイルス防御機構だった?

脊椎動物細胞の核内で遺伝子発現の調節を行っているDroshaが、ウイルス感染に応答して細胞質内に出ていくという奇妙な現象が観察された。研究チームは、このタンパク質がかつてはウイルスと戦っていたと考えている。

News: 音波探査がプランクトンに死をもたらす

沖合での石油や天然ガスの探査で発せられる強力な音波が、動物プランクトンの命を奪うことが示された。この影響が及ぶ範囲は従来の想定をはるかに超えており、海の生態系を支える微小な動物たちの死によって、魚類や頂点捕食者へも悪影響が及ぶ恐れがある。

Research Highlights: ネコの「世界征服」の始まりは新石器時代

200点を超えるネコの遺物や標本から、ネコが世界に分散し始めた時期と場所が明らかになった。

Japanese Author: 加熱しても冷却してもできる超分子ポリマー

プラスチックなどポリマーは温度が上昇するとバラバラになるという常識を覆し、加熱すると結合(重合)する「超分子ポリマー」の開発に、理化学研究所の宮島大吾上級研究員、相田卓三グループディレクターらの研究チームが成功した。分散した状態で冷却しても同様の重合が見られ、新たな材料開発に道を開くものとして注目される。6月26日付Nature Chemistry電子版に掲載された1。開発の背景、今後の研究の方向性などについて、研究を中心となって進めた宮島上級研究員に聞いた。

News & Views: 1つのリングで90個のレーザーを代替

光ファイバーを使う高速通信システムは、通信容量を上げるために同時に数百個のレーザー光源を使っている。これらの多数のレーザー光源を、1つの環状の光素子で置き換えることができる方法が開発された。

News & Views: 揺れ動くイオン輸送酵素

ATPアーゼと呼ばれる膜貫通酵素が複雑な運動をすることは、これまでの結晶構造から分かっていた。このたび、この酵素の分子全体が膜の中でロッキングチェアーのように揺れ動くことが明らかになった。

News & Views: RNA反復配列は細胞を固めてしまう

細胞核にできる小滴様のRNA凝集塊は、特定の神経変性疾患に関連している。実験の結果、こうした凝集塊が細胞の中で「固まった」ゲルになることが分かった。RNA凝集塊が毒性を持つ原因をこれで説明できるかもしれない。

2017年8月号

News & Views: クエーサーは大質量銀河の目印

クエーサーと呼ばれる非常に明るい天体の近傍の調査は、初期宇宙ではこれまで不十分だった。アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)を使って行われた観測で、初期宇宙のクエーサーの周辺には、初期宇宙で最も大質量の銀河たちの一部が存在していることが分かった。

News & Views: がん再発を早期探知できる液体生検

肺腫瘍の進化に関するゲノム情報が血液から得られることが実証され、がん再発の初期兆候の臨床モニタリングが可能なことが報告された。プレシジョン(高精度)医療への有望な一歩だ。

Japanese Author: 食虫植物の進化がゲノム解読から明らかに

植物なのに虫を捕らえて食べる「食虫植物」。この不思議な生き物は、一体どのように進化してきたのだろう。このほど、長谷部光泰・自然科学研究機構基礎生物学研究所教授と、当時大学院生として長谷部研に所属していた福島健児さん(現 コロラド大学研究員)らは、食虫植物フクロユキノシタのゲノム配列を明らかにし、さらに捕らえた虫を分解する消化酵素の進化について解明して、Nature Ecology & Evolution 3月号に発表した。食虫植物の進化の謎解きに挑むお二人に聞いた。

2017年7月号

News: 研究室でついに血液幹細胞の作製に成功

長い間試行錯誤が続いていた血液幹細胞の作製法を、2つの研究チームがマウスとヒトで完成させた。

News & Views: 子育て行動の遺伝学的基盤

ハイイロシロアシマウスとシカシロアシマウスの子育て行動は異なっており、その違いは父親で極めて顕著に見られる。両者の種差の遺伝学的解析から、基盤となる神経学的な機構の一端が明らかになった。

Japanese Author: 人工硝子体として長期埋め込み可能なゲル

大量の水を含み弾力性に富んだハイドロゲルは生体軟組織と似ており、医療材料として注目されている。一方で、膨潤、白濁、炎症などを引き起こすといった問題も抱えており、広く実用化されているものはあまりない。このほど、酒井崇匡(さかい・たかまさ)・東京大学大学院准教授らは、膨潤や白濁の問題をクリアし、液体からゲル化までの時間も制御できる、注入可能なハイドロゲルを開発。実際にこのハイドロゲルをウサギに導入し、長期の埋め込みが可能な人工硝子体としての安全性を確認した。

News & Views: 1つのタンパク質で2つの神経変性疾患を治療

アタキシン2(ataxin 2)タンパク質の生成を抑制する分子によって2つの神経変性疾患の症状を改善できることがマウスモデルで示された。臨床試験におけるこのアプローチの成功に大きな期待がかけられている。

2017年6月号

News: ホウセキカナヘビの背中のデジタル迷彩柄が生まれる仕組み

ホウセキカナヘビの背中の模様の形成の仕組みは、動物の体の模様を記述する一般的な規則には当てはまらないと考えられてきた。このたび、このトカゲでは、鱗の1枚1枚が隣接する鱗との間で色を調節していて、こうした仕組みは「セルオートマトン」という数学モデルに当てはまることが分かった。

News: 脳機能を若返らせる臍帯血成分

臍帯血漿に含まれるタンパク質の1つを加齢マウスに投与すると、学習・記憶テストの成績が向上することが明らかになった。

News: ネアンデルタール人の歯石DNAから生活様式が見えてきた

歯石DNAにはマイクロバイオームなどの情報が詰まっている。このたび、ネアンデルタール人の歯石から、彼らの生活が詳細に描き出された。

News & Views: シルクロード出現の謎がデジタル地図で明らかに

シルクロードなどの遠距離交易ネットワークの形成に、その周囲の地形と人間社会との関係はどのような影響を及ぼしたのだろうか。このほど、デジタルマッピングとコンピューターモデリングから新たな知見がもたらされた。

News & Views: 「時間結晶」を初めて実現

結晶は空間の中で同じ構造が繰り返される物質状態であり、それが自発的に生成する。一方、物理量が時間とともに周期的に振動し続ける自発的な物質状態を「時間結晶」という。時間結晶は仮説上の存在だったが、今回、2つの研究グループがある種の時間結晶を初めて作り出したと報告した。

News & Views: 脳内の地図に表された音の「景観」

動物の脳内では、一部のニューロン集団が特定の地理上の位置で発火して、空間の中の自分の位置を示す神経系上の地図を作り出す。この回路が聴覚地図の基礎にもなり得るという知見は、認知を生み出すニューロン構造の解明に役立つだろう。

2017年5月号

News: トリアンギュレンの合成に成功

走査型プローブ顕微鏡の探針を使った原子操作によって、不安定な炭化水素「トリアンギュレン」が合成された。

News: HIVの潜伏性リザーバーのマーカーが初めて明らかに

HIVが潜伏感染している免疫細胞(潜伏性リザーバー)の特定に役立つマーカータンパク質CD32aが発見された。細胞表面に発現しているこのタンパク質を用いることで、こうしたリザーバーを排除できるようになるかもしれない。

News & Views: AIによるがん診断支援が現実味を帯びてきた

皮膚がんを画像解析だけで判定できるようコンピューターを訓練したところ、一部の皮膚がんについては皮膚がん専門医と同程度の精度で識別できた。これは医学的診断の未来にどのような意味を持つのだろうか?

2017年4月号

News & Views: 地球の材料

地球は、隕石が集積(落下付着)することによって成長した。この「地球の材料」がどのようなもので、それが地球形成が進むにつれてどう変化したかが、同位体の高精度測定から明らかになった。これまでの地球形成モデルを修正する必要がありそうだ。

News & Views: 目的細胞の局在と子孫関係を同時に追跡可能な分子

細胞のDNAに埋め込まれたバーコード配列にランダムな改変を導入する方法によって、細胞の空間的な関係を保持したまま、細胞の子孫関係を見分けることが可能になった。著者らはこの技術をMEMOIR(メモワール)と名付けた。

2017年3月号

News: ウイルスも会話する

細菌に感染するウイルスの一種は、祖先ウイルスからメッセージを受信し、それに従って宿主に対する攻撃法を決めていることが明らかになった。

News Scan: 血流移動ロボットに一歩

光で操作する微小装置ができた

News: 簡便で正確な脳震盪診断法

小規模な研究から、音声合成装置で生成された「ダ」の音声を聞かせるだけで脳震盪(軽度の脳損傷)を判別できる可能性が示された。長期的な影響を評価する生物学的マーカーとしても利用できるかもしれない。

News: 「ぶんぶんゴマ」が遠心分離機に

昔ながらの玩具「ぶんぶんゴマ」をヒントにした手動遠心分離機が開発された。血液サンプルの処理やマラリア原虫の分離を、電気なしで安価に行うことが可能だ。

News & Views: 神経の同調を回復させてアルツハイマー病を治療

アルツハイマー病では、神経回路の活動で生じる電気的振動に障害が現れる。マウスモデル でこれらの振動を回復させると、免疫細胞が活性化して、アルツハイマー病に関連するアミロイドβタンパク質が脳から除去されることが示された。

Japanese Author: 360度曲がる携帯型テラヘルツ波スキャナー

雲の分布や海水温のモニタリング、セキュリティー検査、がんの画像診断などのさまざまな用途で、「見えないものを見る」非接触・非破壊のイメージング技術が使われている。その際に使われる電磁波の波長はさまざまだが、30〜3000µmのテラヘルツ波は、得られる画像の解像度が低い、装置が大がかり、といった理由で実用化が遅れていた。今回、河野行雄・東京工業大学科学技術創成研究院准教授らは、カーボンナノチューブでできたフィルムを利用することで、360度曲げることができ、携帯も可能な小型のテラヘルツスキャナーの開発に成功した。

News & Views: ハート模様に秘められた冥王星の物語

冥王星のひときわ目立つハート形をした明るい領域の左半分は、「スプートニク平原」と呼ばれる霜が堆積した広大な盆地だ。この盆地は、冥王星の自転軸を変化させ、表面のテクトニクス活動を促してきただけでなく、その表面下に海をたたえている可能性もあることが、4編の論文で明らかになった。

2017年2月号

News: がん細胞は脂肪を利用して転移する

がん細胞の弱点が分かったかもしれない。マウスでの研究で、転移するがん細胞は脂肪をエネルギー源として利用している可能性が示されたのだ。

News: 反水素原子の分光測定に成功

物理学者の離れ業により、反物質原子による光の吸収が初めて測定され、基礎物理学の前提となっている理論が検証された。

News: 巨大衝突クレーターの形成過程が明らかに

恐竜絶滅のきっかけとされている小惑星衝突の巨大クレーターで大規模な掘削プロジェクトが行われ、得られたコアサンプルから、謎の環状構造「ピークリング」の起源をはじめ、巨大衝突クレーターの形成過程の詳細が明らかになった。

News & Views: たっぷり眠るマウスと夢を見ないマウス

哺乳動物の睡眠は、急速な眼球運動を伴う睡眠(レム睡眠)と急速な眼球運動を伴わない睡眠(ノンレム睡眠)からなる。遺伝子変異マウスの大規模な睡眠異常スクリーニングにより、ノンレム睡眠の必要量を決める遺伝子と、レム睡眠の終止に関与する遺伝子が突き止められた。

News & Views: テロメラーゼに依存しないテロメア伸長の機構

細胞の寿命は、染色体末端(テロメア)の反復配列の短縮によって制限されているが、一部のがん細胞は、テロメラーゼ非依存性テロメア伸長(ALT)と呼ばれる機構によってテロメア長を維持し、この運命を回避している。今回このALTの機構が分子レベルで詳細に解明された。

News & Views: 光学顕微鏡と電子顕微鏡で観察可能なナノ粒子プローブ

蛍光ナノダイヤモンドと金ナノ粒子を組み合わせた生体適合性プローブが開発され、光学顕微鏡と電子顕微鏡の両方を使った細胞イメージングが可能になった。これにより、生物学研究に新たな進展がもたらされることだろう。

2017年1月号

News: 脊髄損傷サルに歩行を取り戻させた装置

歩行時の脚の動きに関する脳の信号を無線で下部脊椎に送信することで、脊髄を損傷したサルが再び歩けるようになった。

News: 容疑が晴れたHIVペイシェント・ゼロ

HIVが米国に入った時期がこのたび明らかになった。それにより、これまで広く信じられていた「北米のエイズの流行は1人の男性によって引き起こされた」という根拠のない伝説が覆された。

News: マウス尾から卵を作る培養系確立

この画期的な技術を用いれば、人工的にヒトの卵を作製できる可能性があり、今後を見据えた議論が必要である。

Japanese Author: iPS細胞を用いた新アプローチで心機能改善

iPS細胞の臨床応用に向けた研究が加速している。例えば、心筋細胞に分化誘導した上で直径数cm、厚さ0.1mmほどのシートを作製し、重篤な心不全患者の心臓に貼り付ける治療は2016年度中にも臨床試験が始まるとされる。そうした中、信州大学バイオメディカル研究所の柴祐司准教授らは、サルのiPS細胞を心筋細胞に分化させ、単一細胞のまま別個体のサルの心臓に移植する実験を世界で初めて行い、心機能改善の効果が得られることを実証した。

News & Views: 現生人類の分散を描く

地理的に多様な人類集団の高カバー率のゲノム塩基配列が得られたことで、地球全体に広がった現生人類の分散について、そして地勢がゲノムの多様性をどのように形成したかについて、手掛かりが得られた。

News & Views: アフリカツメガエルの難解なゲノムを解読!

重要なモデル動物でありながら、そのゲノムの複雑さから長らく解読が困難とされてきたアフリカツメガエル(Xenopus laevis)のゲノム塩基配列がついに解読された。詳細な解析からは、ゲノムの進化の様子も明らかになった。

Editorial: 死神を振り払えるだろうか

ヒトの体に数々の限界が見つかっている。永遠の命を求める旅は終わるのかもしれない。

News & Views: 化学の多様性でマラリアに挑む

天然物に似た構造を持つ多様な化合物の大規模ライブラリーが構築され、そのスクリーニングによって、マラリア原虫の生活環の複数段階を標的とする新規の薬剤候補分子が見つかった。この分子は、単回の投与でマラリアを治療でき、耐性も生じにくいらしい。

2016年12月号

News: サルの「石器」が投げかける疑問

ブラジルに生息するオマキザルの一種には石を打ち割る習性があり、その結果生じる石の破片は、旧石器時代の人類が作った剥片石器によく似ていることが報告された。これは、考古学における石器の解釈にまさに一石を投じる発見かもしれない。

News & Views: 理想的な鎮痛薬を計算科学で設計

オピオイドと同等の鎮痛活性を有し、オピオイドよりも副作用が少ない薬剤が、構造に基づいたコンピューターシミュレーションによって開発された。今回の成果は、この手法がさまざまなタイプの薬剤の創薬に有効な戦略となる可能性を示した。

News: 3D印刷で「ルーシー」の死因を探る

アウストラロピテクス「ルーシー」の化石骨の3Dスキャンデータが公開された。データを公開した研究チームは、死因の検証に役立てられることを期待している。

News: 人類の米大陸進出ルートはカナダ回廊でなく沿岸

現生人類の米大陸移住は、カナダ回廊を経由したと考えられていたが、この場所が居住可能になったのは、米大陸に人類が移住してずいぶん経ってからのことだと分かった。

News & Views: がん細胞は死してなおカリウムで免疫系を抑制する

細胞死を起こした腫瘍細胞はカリウムを放出し、それがT細胞の活性を抑制することが分かった。T細胞からのカリウム排出を増強すると、がんを攻撃する能力が回復する。

Editorial: データ共有と再利用促進のための新方針

Natureおよび関連12誌では、論文作成に利用されたデータセットの利用可能性と利用方法の明記を義務化しました。

2016年11月号

News: アルツハイマー病新薬候補で認知機能低下が鈍化

アミロイドβ仮説に基づくアルツハイマー病治療薬候補の小規模臨床試験で、認知機能低下の鈍化が観察された。現在、大規模な研究によりこの有望な初期データが裏付けられるか調査中である。

News: クマムシ固有のタンパク質に放射線からDNAを守る作用

クマムシから発見された新規タンパク質をヒト培養細胞に導入すると、放射線耐性が向上した。

News: 37億年前の「生命の痕跡」を発見か

グリーンランドの岩石から発見された構造物は、37億年前の生物によって作られたものだとする研究結果が報告され、論争が巻き起こっている。

News: 人工ブラックホールで「ホーキング放射」を確認

実験室で作り出された「音のブラックホール」で、ホーキング放射に極めて近い現象が観察された。

Japanese Author: 標的遺伝子だけオンに! エピゲノム編集登場

2012年に登場するやいなや、世界中で使われるようになったゲノム編集技術CRISPR-Cas9。狙ったDNA配列を簡単に操作できることから、DNAの修飾状態を改変する「エピゲノム編集」への応用も期待されている。今回、群馬大学 生体調節研究所の畑田出穂教授と森田純代研究員は、狙った遺伝子のスイッチだけをオンにするDNA脱メチル化技術を完成させた。

News & Views: シナプスの要、ナノカラム

シナプス前部にある神経伝達物質分子を放出する領域と、それを捕獲するシナプス後部の領域をつなぐ「ナノカラム」構造が発見された。シナプス間隙をまたぐこの構造は、シナプスの組織化と調節の機構についての手掛かりを与えてくれる。

News & Views: 完全にソフトなロボット

タコ型ロボット「オクトボット」が開発された。これは、完全に柔らかい材料だけで作られた最初のロボットだ。化学反応で動力を得て、流体論理回路で制御されている。これまでの機械を超える可能性のある、「ソフトロボット」時代の幕開けを告げるものだ。

2016年9月号

News: 情報の最小単位が原子に! 次世代メモリー誕生

格子状に並んだ塩素原子を原子操作で任意の場所に動かし、原子と空孔の並び方を利用して、原子1個につき1ビットの情報を持たせることのできる記憶デバイスが開発された。8000以上の原子ビットからなる約1キロバイトのこの「原子メモリー」は、1平方インチ当たり502テラバイトという桁外れの面記録密度を持つ。

News: 琥珀に恐竜時代の鳥類の翼

白亜紀の幼鳥の翼が、琥珀の小片の中からありのままの姿で発見された。その特徴の数々は、この原始的な鳥類が、現生鳥類とさほど変わらぬ翼を持っていたことを物語っている。

News: X線天文衛星「ひとみ」の遺産

本格運用前に空中分解した日本のX線天文衛星「ひとみ」は、観測装置の立ち上げ段階でペルセウス座銀河団を観測しており、銀河の形成と進化の謎を解き明かすための新たな手掛かりを置き土産にしていった。

News: ホビットの祖先? 小型成人の骨発見

フローレス原人の祖先のものかもしれない化石がついに発見された。

Japanese Author: 地球の内核と磁場形成に新たな議論!

地球の中心部は、「固体の鉄合金からなる内核」を「液体の鉄合金からなる外核」が覆った構造をしており、その物性が磁場形成やプレート運動などのカギを握っている。東京工業大学理学院地球惑星科学系の太田健二講師は、外核に相当する157万気圧、4500Kもの超高圧高温環境を作り出し、鉄の電気伝導度を測定することに成功した。実測というインパクトとともに、「約7億年前」と導き出された内核形成の時期が、新たな議論を呼んでいる。

News: 鏡像型DNAを複製できる酵素、登場!

左巻きのDNAを複製することができるポリメラーゼが作製された。鏡像生化学への一歩となる。

News & Views: 腫瘍を抗ウイルス応答で撃退するがんワクチン

樹状細胞に腫瘍抗原を含むナノ粒子を送達し、抗ウイルス応答に似た抗腫瘍免疫応答を誘導する免疫療法が開発された。初期の臨床試験では有望な結果が得られている。

Editorial: Nature 掲載論文のエッセンスをあなたにも

Nature は、最新の研究論文を理解しやすいように論文著者自身による概説を掲載する実験を行います。読者の皆様のご意見をお聞かせください。

News & Views: 精子が卵と出会う時

受精、つまり精子と卵の結合は、精子のIzumo1と卵のJunoという2種類の細胞表面タンパク質が仲介する。それぞれのタンパク質について行われた構造解析と、Izumo1–Juno複合体の構造解析から、認識過程とそれに続く精子–卵融合についての手掛かりが得られた。

2016年8月号

News: 知性の指標を探す遺伝子バリアント研究に賛否両論

学校に通う年数に影響を与える74個の遺伝子マーカーが突き止められた。研究チームはまた、就学年数は知性の代理指標となり得るとも述べている。

News: ヒト胚の体外培養で最長記録達成

ヒト胚を受精後13日目まで培養できる方法が編み出された。この手法を用いて、ヒトの初期発生を知るための手掛かりが得られそうだ。

News Feature: 「再現性の危機」はあるか?−調査結果−

本誌が実施したアンケート調査により、科学界を揺るがす「再現性の危機」について、科学者自身はどのように見ていて、どうすれば再現性を向上させられると考えているかが明らかになった。

News & Views: ブラックホールは老いた銀河を操る

年老いた星が多数を占める銀河には、星の材料になるガスがあるのに星が作られないものが多い。銀河の中心にあるブラックホールが銀河の中のガスをかき回し、星形成を抑え込んでいるとみられることが観測から分かった。

News & Views: 肢再生に欠かせないシグナルの連携プレー

有尾類は優れた器官再生能力を持ち、例えば四肢を切除されても元通りに再生することができる。メキシコサンショウウオを用いた研究から、こうした肢再生では、2種類のシグナル伝達分子が互いに協力し合いながら複雑な再生過程を調節していることが分かった。

Japanese Author: 免疫から逃れるがん特有のゲノム異常発見

がんゲノムの研究における第一人者、小川誠司教授は、血液がんをはじめ、さまざまながんの仕組みを解き明かしてきた。今回、片岡圭亮特定助教とともに行ったがん症例の大規模解析により、がんが免疫から逃れる仕組みの1つを解明した。この知見を利用すれば、免疫チェックポイント阻害剤の効果が予測できるのではないかと考えられ、注目を集めている。

2016年7月号

News: うつ緩和はケタミン代謝産物の作用か?

麻薬ケタミンの分解産物で、ケタミンのような副作用なしでうつ状態を改善できることが、マウスでの実験で示された。

News: マクロライド系抗生物質候補の全合成に成功

単純な構造の化合物のパーツを組み立てていくという手法で、300種以上のエリスロマイシン類似体が合成された。その中には、多剤耐性菌に対して抗菌活性を有するものもあった。

News: たるんだ肌を若返らせる薄膜

塗布するだけで、たるんだ皮膚に若々しい弾性がよみがえる、透明なシリコンポリマーが開発された。

News: 量子の世界は直観できる?

人間の頭脳は、量子力学の奇妙な法則を、論理を介することなく理解できることが、ゲームによって示された。

News: 実験用マウスの免疫系は未発達のまま

実験用マウスは、その飼育環境が原因で免疫系が十分に成熟していないことが明らかになった。だが、ペットショップで飼育されているマウスとの同居により、ヒト成人に近い免疫系を持つようになるという。

News & Views: 受容体の構造からSSRI系抗うつ剤の作用機序が明らかに

セロトニン輸送体タンパク質のSERTが、2種類の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と複合体を形成した状態の構造が解かれ、これらの薬剤が作用する仕組みが明らかになった。

News & Views: ご近所にあった超新星

深海底の堆積物に含まれる超新星由来の放射性同位体の測定と、それらの同位体がどのように地球に到達したかのモデル化から、生物の進化に影響する可能性があるほど地球の近くで、多数の超新星爆発が起こっていたことが分かった。

2016年6月号

News: 現生人類が「ホビット」を絶滅させた?

最新の発掘調査により、「ホビット」の愛称を持つフローレス原人が生きていた時代が、これまで考えられていたより数万年も前だったことが示された。

News: 脊髄損傷患者の脳と手をつなぐ技術

脊髄損傷患者の思考を電気的な指令へと変換することで筋肉を刺激する「神経バイパス技術」が開発された。患者は、この技術によって麻痺した腕を動かせるようになった。

News: 43万年前のヒト核ゲノムで判明した驚きの人類進化史

43万年前の謎の旧人類シマ人の核DNAの配列が解読された。シマ人の正体が判明したのと同時に、現生人類とネアンデルタール人の種分岐が想定外に古かったことも分かった。

Japanese Author: 水から高効率で酸素と電子を生む鉄触媒

地球温暖化やエネルギー問題を背景に、太陽の光エネルギーを化学エネルギーへと変換する人工光合成技術の開発が注目を集めている。その1つに「水を酸化して酸素、プロトン、電子を得る反応」がある。このような中、分子科学研究所、正岡重行グループは高い効率で酸素を発生させる鉄触媒を作り、Nature に報告した。筆頭著者である総合研究大学院大学博士課程3年の岡村将也さん(2016年4月より名古屋大学大学院特任助教)に掲載までの経緯を伺った。

2016年5月号

News: アルツハイマー病マウスで記憶が回復

アルツハイマー病の患者でも記憶を形成できることを示唆する研究結果が発表され、新たな治療への期待が膨らんできた。

News Scan: 山越えシルクロード

チベットを行く交易路が浮上。

News & Views: 遺伝学と生理学がついに結び付いた

統合失調症発症のリスクと強い関連性がある遺伝的変異の1つが特定された。シナプスの刈り込みに関与すると考えられている補体因子C4遺伝子だ。神経生物学とを結ぶ手掛かりがようやく得られ、創薬につながることが期待される。

News & Views: 自己免疫疾患のための免疫療法

MHCクラスII分子と自己免疫疾患に関連する任意のタンパク質断片の複合体で覆ったナノ粒子の投与により、免疫調節機構を患部器官の自己免疫応答を抑制する方向に転換できることが分かった。

Research Highlights: 珍渦虫類の位置付け

脳も肛門も生殖巣もなければ、排泄器官も腸管もない。分類不能だった謎の動物の正体が、遺伝学の手法でようやく明らかになった。

2016年4月号

News: 汗をリアルタイムで分析できるウエアラブルセンサー

腕に装着した状態で汗成分が分析でき、その結果をスマートフォンに送信できる、小型で曲げることも可能なプラスチックセンサーが開発された。

News: 老化細胞を除去したマウスは長生き

老化した細胞を標的にすれば加齢関連疾患を治療できる可能性があることが、マウスを使った鮮やかな実験により証明された。

News & Views: 地球は「大凍結」を辛うじて逃れている

日射量と二酸化炭素濃度の関係から氷期の開始時期を予測する計算式が導かれ、完新世の地球が新たな氷期への突入を辛うじて逃れていることが裏付けられた。このままいくと、今後 5万年間は氷期に入りそうもないという。

Japanese Author: ボトムアップ法が拓くナノカーボン科学の新局面

1985年のフラーレン発見以来、ナノチューブやグラフェンなどのいわゆるナノカーボン類は社会に多大なインパクトをもたらしてきた。ナノカーボン類は現在、レーザー照射などでグラファイトを蒸発・凝結させるといった「トップダウン型」の手法で合成されることがほとんどだが、近年、ナノカーボン構造を有機合成の手法で構築する「ボトムアップ型合成」の研究が盛んになっており、この手法に関する総説がNature Reviews Materials 創刊号に掲載された。著者である名古屋大学の伊丹健一郎教授、瀬川泰知特任准教授、伊藤英人講師のお三方に、有機合成で作ることの意義と現状、今後の展望について伺った。

2016年3月号

News: 人工知能が囲碁をマスター

人間の思考をまねた人工知能が、囲碁でプロの棋士に勝利した!

News: ヒトゲノム編集に関する国際会議

ヒトゲノム編集の倫理的、社会的、法的な問題が議論され、各国の見解の相違が浮き彫りになったが、合意が得られた部分もあった。

News & Views: マグネシウムで記録破りの強度を実現

マグネシウム合金中にナノサイズのセラミック粒子を均一に分散させることで、これまで難しかったマグネシウム合金における強度の大幅な向上に成功、ついに限界の壁を打ち破った。このマグネシウム複合材料は、構造用の軽量金属材料として大いなる可能性を秘めている。

Japanese Author: 植物の体内時計、組織ごとに異なる役割!

地球の生物は、地球の自転に応じた24時間周期の昼夜変化に同調して生きている。例えばヒトでは、体温、睡眠、ホルモン分泌などが24時間のリズムを刻んでいる。このような概日リズムは、脳の 視交叉上核にある体内時計が機能することで刻まれ、光や温度変化のない条件でも認められる。一方、ヒトのような中枢神経系を持たない植物にも、日長や季節に応じた花芽の形成、細胞の伸長などが見られる。京都大学生命科学研究科の遠藤求准教授らは、シロイヌナズナの体内時計を組織ごとに破壊し、維管束では日長、葉肉では温度というように情報を別々に処理していることを突き止めた。

News & Views: 炎症は老化マウスの健康維持に役立つ

制御性T細胞と呼ばれる免疫細胞は、老化に伴って脂肪に蓄積していく。このような細胞が持つ抗炎症活性により、老化関連型の代謝障害が悪化することが明らかになった。一方、肥満関連型の代謝障害には影響を及ぼさないという。

2016年2月号

News: 神経回路操作実験の結果に注意!

光や薬剤でニューロンを制御する研究手法は広く用いられているが、この手法で得られた結果と行動との関連は偽物かもしれない。光や薬剤が脳に予想以上の影響を及ぼしていることが示されたのだ。

News: 遺伝子ドライブの安全対策

「遺伝子ドライブ」でゲノムが改変された生物が自然界に流出し拡散すれば、生態系に多大な影響が及ぶ恐れがある。この懸念を軽減させ安全性を高めるために、遺伝子ドライブの影響を封じ込める2通りの方法が開発された。

News & Views: 酸化ストレスはがんの遠隔転移を抑制する

活性酸素は、細胞にストレスを与え、がんのイニシエーション(発がんの第一段階)を促進すると考えられてきたが、今回、がんの転移を防ぐという有益な作用も持っていることが明らかになった。

News Feature: ヒトゲノム編集の世界情勢

ヒト胚の利用や改変に関する世界各国の規制状況を俯瞰することで、ゲノム編集技術を使った最初の「CRISPR(クリスパー)ベビー」が誕生しそうな国が浮かび上がってきた。

News Feature: とっておき年間画像特集2015

NASAの探査機ニューホライズンズが太陽系外縁部から送ってきた冥王星の画像は、さまざまなメディアで大きく取り上げられ、見る人を魅了しました。Natureは、2015年に得られた数々の科学や自然現象の画像の中から、特に感動と驚きをもたらしたものを選びました。冥王星はもちろんのこと、まるで怪獣映画の1シーンのような動物の争いや可視化された衝撃波、肉眼では見ることのできない生物や物質の精細画像などをお届けします。

2016年1月号

News: 彗星で大量の酸素分子見つかる

欧州宇宙機関(ESA)の探査機が訪れているチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星で、酸素分子が大量に見つかった。この発見により、太陽系形成理論に再検討が必要になるかもしれない。

News: 細胞内に潜む耐性菌に効く、新方式の抗生物質

黄色ブドウ球菌の一部はマウス細胞内に隠れて存在することで抗生物質による治療に耐性を示すが、これを殺菌できる抗体–抗生物質抱合体が報告された。

News & Views: ヒトiPS細胞から作製した腎臓オルガノイド

iPS細胞を分化させて、腎臓の全ての組織を備えた腎臓オルガノイドが作製された。移植可能な腎臓を培養系で発生させるための重要な一歩といえる。

News & Views: 限界を超えた薄型トランジスター

理論限界を大きく下回る駆動電圧で動作する次世代トランジスターが実証された。消費電力の極めて少ない集積回路を開発する道が開かれると期待される。

Japanese Author: 老化を制御し、予防する

年齢とともに、体の生理機能が低下する「老化」。私たちはなぜ老化するのか。老化は、どのような仕組みで制御されているのか。その謎を追い続けてきた今井眞一郎教授は、制御の中核となる「サーチュイン遺伝子」の機能を発見し、さらに、脳をコントロールセンターとする組織間ネットワークの働きを研究してきた。「老化の仕組みを科学的に解明することは、病気を効率的に予防する方法を見いだせる最善の道」と今井教授は語る。

Comment: ヒトゲノム計画25年の軌跡

ヒトゲノム計画の開始からちょうど四半世紀。コンソーシアム研究の先駆けとなったこのプロジェクトは、現在も、こうした科学研究に多くの教訓を提供することができると、このプロジェクトを推進してきたEric D. Green、James D. Watson、そしてFrancis S. Collinsは語る。

2015年12月号

News: 雄の線虫で「ミステリー」ニューロン発見

調べ尽くされたと考えられていた線虫の神経系で、新たなニューロンが発見された。雄にしか見られないこの謎のニューロンに、神経科学者たちは関心を寄せている。

News: 脳スキャンデータで個人を特定できる

脳領域間の神経接続のパターンには明確な個人差があり、「指紋」として利用できることが実証された。実際に個人を特定できるだけでなく、知能検査の成績を予測することもできるという。

News: 中国で出土した歯が示す、初期人類の旅

中国での「驚くべき」発見によって、ホモ・サピエンスが約10万年前に欧州へよりも先にアジアに到達していたことが明らかになった。

News Scan: 合成リボソームで新タンパク質を

人工細胞の実現に一歩

News: 成長ホルモン療法の患者にアルツハイマー病の恐れ

死後脳由来のヒト成長ホルモン製剤の投与を受け、クロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなった患者の脳内で、アミロイド斑が見つかった。この製剤を注射したことが原因でできた可能性が示唆されるという。

News Feature: 分子マシンの時代がやってきた

化学者たちは、生物から着想を得て、スイッチやモーター、ラチェットとして機能するさまざまな分子部品を創り出してきた。そして近年、これらの微細な部品を使ったナノスケールの機械が続々と発表されている。

News & Views: 心筋の治癒を促すタンパク質Fstl1

ヒトの心臓組織は再生する能力が非常に低く、損傷を受けると徐々に機能が低下していく。このたび、心臓の外膜領域の細胞が通常発現しているタンパク質Fstl1が、心臓発作により損傷した心筋の再生を誘導できることが分かった。

Japanese Author: わずか6種のタンパク質で染色体凝縮を再現

1つのヒト細胞に含まれるゲノムDNAは、全長約2mに達する。分裂の過程で複製したDNAを正確に分配するには、規則正しく折りたたんで染色体へと「凝縮」させる必要がある。理化学研究所の平野達也主任研究員は、この過程のカギとなるタンパク質複合体「コンデンシン」を1997年に発見。さらに2015年、わずか6種の精製タンパク質から試験管内で染色体を作る実験系の開発にも成功した。

News & Views: 海のプランクトンが雲を作る

海洋上の大気中には、海面での泡の破裂などによって海洋生物由来の微粒子が舞い上がり、漂っている。今回、海の植物プランクトンなどに由来する微粒子が核となり、空気中の水分の凍結を促して氷雲(氷の微小な結晶でできている雲)を発生させていることが分かった。特に高緯度の海域では、これまで考えられていたよりも高い温度や低い湿度であっても氷雲が発生するとみられる。

2015年11月号

News: 磁石にならない金属が磁石に!

鉄やコバルト、ニッケルは磁石につき、自身も磁気的に分極して磁石となる強磁性体だが、銅やマンガンは磁石につかない非強磁性体だ。今回、銅やマンガンの磁気的性質を変えて強磁性体にできる技術が開発された。

News: 超音波で線虫の脳細胞をスイッチオン

「音遺伝学(Sonogenetics)」の技術で、線虫以外の動物でも非侵襲的な特定ニューロンの刺激が可能になるかもしれない。

News & Views: 世界最短波長の原子準位X線レーザー

これまでで最も波長の短い原子準位レーザーが、X線自由電子レーザー施設「SACLA」(兵庫県佐用町)を使って開発された。このレーザーは、わずかに異なる光子エネルギーに調節された2つのX線パルスを銅箔に照射するもので、これによって、波長スペクトルの幅が非常に狭いX線レーザー発振が実現した。この成果は、非常に安定したX線レーザーの実現につながる可能性がある。

News Feature: エボラの次の新興感染症に備える

伝染病の流行や汎発流行に対する人類の備えは十分とはいえない。けれども、西アフリカで発生したエボラ出血熱の大流行に対する恐怖が、そんな状況を変えるかもしれない。

News & Views: 肝臓の細胞量維持に重要な細胞集団を発見

マウスでの実験で、これまであまり評価されていなかった肝細胞集団の1つが、日々の肝臓細胞量の維持に重要な役割を担っていることが分かった。この細胞群は近傍の静脈からのシグナルによって誘導・維持されている。

News: 硫化水素が最高温度で超伝導に

ごくありふれた物質が、これまでで最も高い温度で超伝導状態になることが分かった。最高温度の更新は21年ぶりで、この意外な実験結果に今、追試や理論研究が次々と行われている。

Japanese Author: 「プログラム合成」で、究極の構造多様性を征服する

ベンゼン環は、有機化学の象徴ともいうべき構造であり、天然・人工を問わず多くの化合物の基本単位だ。このベンゼン環に各種の置換基を導入することで、多様な性質を引き出すことができ、例えば液晶材料・有機EL・医薬品などの高付加価値化合物がここから生み出される。このため、ベンゼン環上の望みの位置に必要な置換基を導入する手法の開発は、化学の黎明期から変わらぬ重要なテーマだ。このほど名古屋大学の伊丹健一郎教授、山口潤一郎准教授らのグループは、ベンゼン環の6つの炭素に、全て異なる芳香環が導入された「ヘキサアリールベンゼン」の合成に成功した。その意義、研究の経緯などを、両博士に伺った。

2015年10月号

News: タコのゲノムから、高知能の秘密に迫る

高い知能や、抜きん出た擬態能力で知られるタコ。その全ゲノム情報が解読され、ゲノムサイズがヒト並みに大きいことや、姿にたがわず独特な機構がいくつも備わっていることが明らかになった。

News Feature: オルガノイドの興隆

臓器に似た立体構造体「オルガノイド」を作る研究が熱を帯びている。培養皿の中にシグナル分子を投入するだけで、細胞が自分で組織を形作るのだ。こうしてできたミニ臓器は、単一細胞の分析よりも多くの情報をもたらす場合があるだけでなく、薬の効果や副作用を調べるのにも役立つことが分かってきた。

News & Views: 微生物の「眼」はどうやってできたのか

ワルノヴィア科渦鞭毛藻類という微生物は、細胞内に眼のような構造体「オセロイド」を持っている。分析の結果、オセロイドの部品は色素体とミトコンドリアを由来とすることが明らかになった。

News: 大うつ病の遺伝子マーカー見つかる!

うつ病と関連する特定のゲノム塩基配列の探索は、これまで望み薄と考えられていたが、今回、大うつ病と強固な関連性を示す遺伝子が見つかった。この発見で、精神病に関係した遺伝子の捜索が熱を帯びそうだ。

News & Views: スマホのカメラが分光計に?

カラフルな粒子のコロイド懸濁液をフィルターに用いることで、デジタルカメラやスマートフォンカメラを小型分光計に変身させられる技術が開発された。

News & Views: 白内障の原因を解きほぐすラノステロール

遺伝性白内障の2家系における研究から、疾患の原因が、水晶体のラノステロールを合成する酵素の機能を障害する変異遺伝子であることが分かった。この知見は、白内障の非外科的予防や治療につながりそうだ。

Japanese Author: 小胞体も核も選択的オートファジーの対象だった!

次々と出る良好な実験データ─「うまくいきすぎて、怖いくらいでした」と、持田 啓佑・大学院生は研究を振り返る。オートファジーは、細胞内の大規模分解システム。世界中で激しい研究競争が繰り広げられているこの分野で、細胞の小胞体に加え、核のオートファジーの仕組みをも明らかにすることに、わずか2年ほどで成功したのだ。

2015年9月号

News: 宇宙にはサッカーボール分子がいっぱい

これまで長く原因不明だった星の光の吸収現象は、宇宙空間に漂うサッカーボール形の分子、C60フラーレンによるものであることが分かった。

News: 「速度計」ニューロンがラットの脳で見つかった

2014年のノーベル賞受賞者のチームが、哺乳類の脳内ナビゲーション機構の重要な要素である「スピード細胞」を探し当てた。

News: 大規模DNA解析で青銅器時代の秘密に迫る

古代人ゲノムの集団スケールでの分析が可能になったことで、欧州の言語や文化、技術のルーツと、それらが欧州からアジア全域にかけてどのように広まったかについて、重要な手掛かりが得られた。

Japanese Author: 葉の気孔から発生の謎を解く

2015年、自然科学の分野で実績を残してきた女性科学者に与えられる猿橋賞を受賞した鳥居啓子名古屋大学客員教授。米国ワシントン大学教授であり、米国で最も革新的な15人の植物学者の1人として、ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)正研究員にも選ばれる。植物の気孔が形成される仕組みを解明し、シグナル伝達による植物の発生の制御へと、研究フィールドを広げ続けている。

News & Views: 核膜再形成という難問の解決法

細胞分裂が終わると、崩壊していた核膜が融合して細胞の染色体を包み込み、核を形成する。この過程をESCRT-IIIタンパク質複合体が調節していることが明らかになった。

News Feature: オキシトシンの基礎研究は始まったばかり

オキシトシンが脳に与える影響は複雑なものであることが、この数年で明らかになってきた。その結果、この物質を単なる「抱擁ホルモン」とする見方を一刻も早く改めるべきだという考え方が研究者の間で広がりつつある。

News & Views: 乳がん骨転移の診断・治療のカギを握るLOX

酸素欠乏状態にある乳がん細胞から分泌される酵素リシルオキシダーゼ(LOX)は骨損傷を誘導する。骨損傷は転移に先立って起こり、乳がん細胞の骨への転移を促進していることが分かった。

News Feature: 微生物ダークマターを探る最新手法

既知の微生物種は全微生物種の約1割でしかないと言われる。新規抗生物質を求める微生物学者たちは、この広大な未知微生物の世界を探索する新しい方法を何通りも見つけ出している。

2015年8月号

News: プリオン病を防ぐ遺伝子変異

パプアニューギニアのある民族には、遺伝子変異による未知の機構のおかげで、過去に流行した致死的な脳疾患にかからずに済んだ人々がいる。

News: 楽しい記憶の活性化でマウスのうつ様症状が改善

マウスで楽しい記憶を保存しているニューロンの活動を亢進させると、うつ症状が改善した。この知見から、ヒトのうつ病の神経機構の解明に新たな進展がもたらされるかもしれない。

News: 「ルーシー」の近くで発見された新種の初期人類化石

初期の人類とされるアウストラロピテクス・アファレンシス。彼らとほぼ同時期に同じくエチオピア北部に生息していた、新種とみられる約340万年前のヒト族化石が発見された。

News: モルヒネ合成酵母の完成が間近

グルコースからモルヒネの前駆物質を生合成できる酵母株が作り出された。

Japanese Author: 攻めか、守りか、棋士の直観を脳科学で解明

プロの世界では、一瞬の気の迷いが命取りになることが少なくない。求められるのは、どのような状況下でも、瞬時に正しい決断を行う人並み外れた能力だ。理化学研究所 脳科学総合研究センター 認知機能表現研究チームの田中啓治チームリーダーらは、訓練を重ねたプロ棋士が直観的に「次の手」を決めたり、「攻めるか守るかの戦略」を決めるときの神経基盤の解明を進めてきた。10年にわたる脳活動の測定により、これまでに知られていなかった回路を突き止めることに成功した。

News & Views: バランスを保つことで多能性を安定化

多能性細胞は体内のあらゆる種類の細胞を作り出すことができる。このような多能性状態は、Wntシグナル伝達の阻害などの「合図」によって獲得され、多様な細胞を作り出すためのバランスを維持した状態であることが分かった。

News & Views: 真核生物誕生のカギを握る原核生物を発見

真核生物はいかにして核を獲得したのか? このたび真核生物に最も近縁な原核生物が発見されたことで、真核生物の起源に関する謎の解明につながると期待される。

2015年7月号

News: より小さなCas9酵素を発見

黄色ブドウ球菌のゲノムから、より小さなCas9酵素が発見された。 このCas9ならば臨床で使われる遺伝子治療用のベクターに組み込めることから、CRISPRによるゲノム編集でヒトの遺伝性疾患を治療できる可能性が高まった。

News: 最古の石器を作ったのは誰?

トゥルカナ湖西岸で、これまでに発見された中で最古の石器が出土した。330万年前のものであることから、ヒト属出現以前に石器文化が存在していた可能性が高まった。

News & Views: 2D半導体薄膜の大面積成長

原子3個分の薄さの遷移金属ダイカルコゲナイド半導体層を、4インチウエハースケールで均一に成長させることに成功。電子機器の究極の小型化実現が、また一歩近づいた。

Editorial: 統計学的に適切な動物実験計画を立案すべし

動物実験の検出力を確実なものとするために、統計学に基づいた実験計画立案が研究者に求められている。その実現には、研究機関をはじめとするさまざまな支援が必要だ。

Japanese Author: 細胞が重力でつぶれない仕組みを発見

体が扁平になる奇妙なメダカの変異体が発見された。どうして扁平になるのか — 10年余りにわたる探索の結果、ようやくその謎が解かれた。普通のメダカの細胞には、重力に押しつぶされないような仕組みが働いていたのだ。その仕組みが存在しなかったら、ヒトはもちろん地球上の生物の大部分は、今の形をしていなかったかもしれない。

News: ネオニコチノイド系農薬の危険性をめぐる議論は次の段階に

ネオニコチノイド系農薬がハチに及ぼす脅威が、より明確になってきた。

News & Views: 非コードRNAに、ペプチドがコードされていた!

マイクロRNA配列の前駆体の非コード領域にペプチドがコードされていることが分かり、新しい遺伝子調節段階が明らかになった。遺伝子の間にある「がらくた」配列は、がらくたではないのかもしれない。

2015年6月号

News: ローレンシウムの居場所は決まるか

103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギーの測定に初めて成功した。周期表上のローレンシウムの位置と周期表自体の構造をめぐる議論が再燃するかもしれない。

News & Views: 液体を満たした穴で流体を分離

膜に細い穴(細孔)を設けてその中に液体を満たし、この穴を圧力の制御によって可逆的に開閉させ、ある圧力で特定の流体だけを通過させるようにすることができた。こうした液体充填型のゲート機構を使えば、混じり合わない流体の混合物を、調節可能な形で分離できる。

News & Views: 改良が進む樹状細胞ワクチン

抗腫瘍免疫応答を誘導する樹状細胞ワクチンは、がん患者の治療にはあまり有効ではなかったが、今回、ワクチン接種部位を前処置して炎症を誘発しておくと、このワクチンの効果が増強される可能性があることが分かった。

Comment: ヒトの生殖系列のゲノムを編集すべきでない

ヒトで世代を超えて伝わるような遺伝的改変は重大なリスクをもたらす一方で、その治療的利益はほんのわずかだとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。

2015年5月号

News: 食品添加物と肥満・腸疾患が初めて結び付いた

食品に広く添加されている乳化剤の中には、大腸の細菌構成を変化させ、その結果、炎症性の大腸炎を引き起こすものがあることが、マウスでの実験で示された。特筆すべきは、米国では「安全」と見なされ、試験が免除されている化合物であっても、同様の作用が観察されたことだ。

News: エチオピアでヒト属最古の化石発見!

人類の出現時期を50万年さかのぼらせるエチオピアの新たな化石と、ホモ・ハビリスの基準標本の再復元で得られた3次元モデルから、人類の誕生とその進化の過程は予想以上に込み入っていたことが示された。

News: 高評価の事例から助成機関が求める「インパクト」が見えてきた

英国の大学に助成金を配分する英国高等教育財政審議会は、新評価制度の一環として英国の各大学に「研究がインパクトを与えた事例」を示した報告書を提出させた。Natureは、約7000件に上るそれらの事例について独自に言語解析を行い、報告書で使用された単語と審査員による評価結果との相関関係を調べた。

News & Views: 知覚情報をもとに自ら学習する人工知能

コンピューターゲームのプレイ方法を、深層学習と強化学習によって自ら学習する人工知能が開発された。この人工知能は、古典的な49種類のコンピューターゲームのうち29種類でプロのゲーマーと同等以上の成績を収め、人工知能がさまざまなタスクに適応可能なことを実証した。

News: シリセン製トランジスター早くも登場!

「ケイ素版グラフェン」とも呼ばれる新材料「シリセン」を使った 電子デバイスが作製された。これを機に、二次元材料分野の研究がさらに加速するかもしれない。

News & Views: 光で細胞小器官の位置を操る

細胞小器官の位置は細胞機能に影響を及ぼすと考えられているが、それを正確に調べる術がなかった。このたび、光遺伝学の手法を使って、細胞小器官の位置や運動性を自在に操り、細胞内構造を狙ったとおりに再編成できる技術が開発された。

2015年4月号

News: アルカリ金属の爆発の秘密が明らかに

アルカリ金属を水に入れると派手に爆発する。化学の授業でおなじみのこの実験の反応機構が、実は長く誤解されてきたことが、ハイスピードカメラを使った研究で判明した。

News: 結核菌ゲノムに刻まれていたヒトの歴史

結核菌・北京系統株は、結核菌の中でも感染性が高く、多剤耐性のものも多い。この系統株が東アジアに出現したのは6000年以上前であることが分かった。

News: GM生物を生物学的に封じ込める最新手法

「自然には存在しないアミノ酸」がなければ生きられないように遺伝子組換え(GM)生物の代謝系を書き換えるという、強固な生物学的封じ込め法が開発された。

News & Views: 減数第一分裂の染色体分配の司令塔、MEIKIN

マウスで、減数第一分裂と呼ばれる特殊な細胞分裂で重要な役割を果たすタンパク質が突き止められた。さらに、このタンパク質の機能解析から、減数第一分裂中に染色体分配が調節される仕組みが進化的に保存されたものであることが明らかになった。

News & Views: 軟骨を真似たヒドロゲル

関節部の骨を覆う関節軟骨は、軟骨組織の構成要素間に働く反発力に基づく、優れた耐荷重性と低摩擦性を示す。これに着想を得て、方向に依存した珍しい特性を数多く併せ持つ合成ゲル材料が新たに開発された。

2015年3月号

News: 「微生物ダークマター」から見いだされた希望の光

培養不能な細菌を培養する画期的な装置が確立され、MRSAなどの薬剤耐性菌を死滅させる新規抗生物質が見つかった。

Japanese Author: 脳の中に記憶の正体を探す

「脳の研究にとって、こんなにワクワクする時代はないと思います」。脳の高次機能の研究に長年取り組み、特に記憶のメカニズムの解明で世界を牽引してきた東京大学大学院医学系研究科の宮下保司教授は目を輝かせる。脳科学者にとって、テクノロジーのブレークスルーが起きているからだという。30年間の研究を振り返りつつ、宮下教授は興味の尽きない研究の将来を語る。

News & Views: 多能性状態を操作するための手引き

偏りのない解析で、iPS細胞の再プログラム化から万能性獲得までの過程には複数の経路があることが明らかになり、そこから、これまで見落とされていた新しいタイプの多能性細胞の存在が確認された。

News & Views: 毎秒1000億コマの超高速撮影技術

超高速現象を毎秒1000億フレーム(コマ)の速さで記録できる、新たな画像撮影技術が開発された。1回きりで繰り返さない現象でも捉えることができ、ストロボやフラッシュも必要ない。この技術は、生物医学やセキュリティー技術に応用できる可能性がある。

2015年2月号

News: グラフェンの新たな利用価値:プロトン透過能と防弾性

注目の素材グラフェンに、プロトンを透過する能力と、「弾丸」の衝撃を吸収する能力があることが、新たに明らかになった。

News: コウモリの3Dナビシステム

コウモリのアクロバット飛行を可能にしているのは、ドーナツ形の座標系に基づく意外な脳の位置情報符号化機構だった。

News Feature: とっておき年間画像特集2014

この世界を解き明かそうとする研究者らの絶え間ない探求によって、2014年も素晴らしい発見がたくさんありました。この特集では、そうした研究成果や自然災害について、宇宙のはるかかなたから地球の深海まで、2014年に得られた画像の中から選りすぐりのものを紹介します。

News & Views: 治療法改善のための最善の戦略とは

うつ病の研究には、抑うつ様行動を示す従来からのマウスモデルがよく使われているが、ヒトのうつ病の全体像を従来のマウスモデルで完全に把握することは不可能である。このフォーラムでは、治療法の改善を目指した戦略について、専門家たちが提案する2通りの見解を紹介する。

News & Views: 解明が進むがん免疫療法

PD-1経路の遮断により抗腫瘍免疫を回復させる免疫療法は臨床で目覚ましい成果を挙げているが、作用機序には不明な点が多い。今回、この治療法に対して特に反応性の高い患者の特徴や、この治療法が有効ながん種が新たに明らかになった。さらに、この治療法の標的が腫瘍の新抗原であることを裏付ける結果も得られた。

News & Views: 加速器研究にやってきた最高の波

「プラズマ・アフターバーナー」と呼ばれる、わずか30cm長の小型加速器を使って、従来の巨大な加速器の500倍の効率で電子を加速することができた。この研究結果は、低コストの加速器の開発につながる可能性がある。

Editorial: 再現性向上を目指して論文誌が団結

生物医学研究の品質管理を改善し、科学に対する国民の信頼を高めることを目指して、主要な学術論文誌が研究成果の報告に関する諸原則に合意した。

2015年1月号

News: 謎の恐竜デイノケイルスの全貌が明らかに

長く謎に包まれていた恐竜デイノケイルスの全身骨格が発見され、巨大化と共に奇妙な特徴の数々を獲得した、極めて個性的な姿が明らかになった。

News Feature: 被引用回数の多い科学論文トップ100

1900年から今日までに発表された科学論文の中で「被引用回数トップ100」に入っているのは、どのような論文なのだろうか?

News & Views: 繊維芽細胞の可塑性が心臓の修復を助ける

心臓繊維芽細胞は損傷を受けた心臓構造の修復に重要な役割を果たすことが知られている。さらに今回、心臓の繊維芽細胞には内皮細胞へと転換できる可塑性があり、心臓が損傷を受けた後にp53依存的に転換が誘導されて、傷害血管の修復を助けることが明らかになった。

News & Views: 重症エボラウイルス感染症のサルを回復させた治療薬

3種類のモノクローナル抗体を混合した治療薬「ZMapp」で、致死量のエボラウイルスを接種したサルは全て回復した。ZMappは、感染後の治療に用いられたことのある他の薬とは異なり、エボラウイルス感染症が進行した段階にあっても治療効果を発揮した。

2014年12月号

2014年11月号

2014年10月号

2014年9月号

2014年8月号

2014年7月号

2014年6月号

2014年5月号

2014年4月号

2014年3月号

2014年2月号

News Feature: とっておき年間画像特集2013

2013年も、さまざまな科学的な探査や解析が進み、我々の宇宙からは次々と驚きや感動がもたらされました。この1年の間に、巨大なものから微細なものまで至るところに科学の目が注がれ、宇宙空間の鮮やかな光景や、分子を互いに結び付ける結合そのものの画像などが捉えられました。この特集では、Nature が選んだ、科学、そして自然の素晴らしさを実感できる画像をお届けします。

Editorial: データジャーナル Scientific Data 創刊

2014年5月、データセットに光を当て、その再利用の促進を目指すオープンアクセスジャーナル、Scientific Data を創刊。

2014年1月号

2013年12月号

2013年11月号

2013年10月号

2013年9月号

2013年8月号

2013年7月号

Editorial: 論文の内容を再現・再確認できるようにする新方針

生命科学論文の品質を高めるため、Natureは2013年5月から新しい編集方針を導入する。まず、「研究の方法論」が詳細に記載されるよう改革する。また、データをまとめたり解釈したりする「統計手法」が、明確に表現されるよう改革する。

2013年6月号

2013年5月号

2013年4月号

2013年3月号

2013年2月号

2013年4月号

Editorial: 遅ればせながら、論文査読者への顕彰が始まった

個々の科学論文について、各執筆者がどの程度の貢献をしたのか、きちんと表記するケースが増えてきた。それとともに、査読者の貴重な貢献についても、遅ればせながら、それを明らかにする手段が登場し始めた。

2013年1月号

2012年12月号

2012年11月号

2012年10月号

2012年9月号

2012年8月号

2012年7月号

2012年6月号

2012年5月号

2012年3月号

2012年2月号

nature gallery: とっておき年間画像特集2011

科学画像のスケールは毎年のように広がり、我々人間は、2011年も驚くほど小さなミクロの世界から、太陽系のはるか辺境のすばらしい画像を手にしました。けれども、壮大なスケールの画像だけが2011年を象徴するものではありません。「人間の目」で見えるスケールの画像に、鮮烈な印象を与えるものも多かったことも2011年の特徴でしょう。日本を襲った巨大地震、チリの火山噴火、そして、こうした自然の驚異とは逆に、自然に脅威を与え続ける人間。そんな2011年を振り返ってみましょう。

2012年1月号

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度