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2017年10月号

News: CRISPRでヒト胚の遺伝子変異を修復

CRISPR–Cas9系によるヒト胚の遺伝子編集実験において、望ましくない遺伝的変化やモザイク胚が生じない手法の開発に成功したという論文が発表された。

News & Views: T細胞の標的認識パターンを予測

T細胞受容体(TCR)は、通常は体内に存在しないペプチド分子に結合して免疫応答を開始できる。TCRが結合するペプチドを予測することは難しいとされてきたが、今回、TCRの標的抗原の予測に向けた筋道が見えてきた。

News Feature: 細胞に魅せられた科学者

Aviv Regevはゲノム解析の手法を用いて単一細胞を調べている。現在、人体の全ての細胞をマッピングするという壮大な計画を牽引する。

2017年9月号

Research Highlights: ネコの「世界征服」の始まりは新石器時代

200点を超えるネコの遺物や標本から、ネコが世界に分散し始めた時期と場所が明らかになった。

News: ミイラDNAが示す古代エジプト人の祖先

遺伝子解析により、古代エジプト人はサハラ以南のアフリカの人々ではなく中東の人々と近縁だったことが明らかになった。

News & Views: RNA反復配列は細胞を固めてしまう

細胞核にできる小滴様のRNA凝集塊は、特定の神経変性疾患に関連している。実験の結果、こうした凝集塊が細胞の中で「固まった」ゲルになることが分かった。RNA凝集塊が毒性を持つ原因をこれで説明できるかもしれない。

2017年8月号

News: 新疆でDNA情報収集を加速させる中国

新疆ウイグル自治区の公安庁がDNAシーケンサーを多数購入したことが分かった。中国政府の思惑をめぐり臆測が飛び交っている。

Editorial: 知能に関する研究のすすめ

人種差別主義にまみれた知能の研究を救うのは、現代の遺伝学かもしれない。

News & Views: がん再発を早期探知できる液体生検

肺腫瘍の進化に関するゲノム情報が血液から得られることが実証され、がん再発の初期兆候の臨床モニタリングが可能なことが報告された。プレシジョン(高精度)医療への有望な一歩だ。

2017年7月号

News & Views: 子育て行動の遺伝学的基盤

ハイイロシロアシマウスとシカシロアシマウスの子育て行動は異なっており、その違いは父親で極めて顕著に見られる。両者の種差の遺伝学的解析から、基盤となる神経学的な機構の一端が明らかになった。

News Feature: ループ形成の謎に挑む研究者たち

DNAはなぜ絡まずに収納されるのか。これはゲノム高次構造に関する最も悩ましい問題の1つだが、「ループ状ドメイン」の形成がその1つの答えとなりそうだ。ただし、ループ形成を推し進めているものの正体については見解が分かれている。

2017年4月号

News Scan: 氷河期のチベット人

世界の屋根に人間が定着した時期は従来の見方よりもずっと古かったようだ

2017年2月号

News & Views: たっぷり眠るマウスと夢を見ないマウス

哺乳動物の睡眠は、急速な眼球運動を伴う睡眠(レム睡眠)と急速な眼球運動を伴わない睡眠(ノンレム睡眠)からなる。遺伝子変異マウスの大規模な睡眠異常スクリーニングにより、ノンレム睡眠の必要量を決める遺伝子と、レム睡眠の終止に関与する遺伝子が突き止められた。

2017年1月号

News: CRISPRに対する懸念

英国のナフィールド生命倫理評議会が、遺伝子編集の影響に関する予備報告書を公表した。

News Feature: 「致死的変異」の正体を見極める

世界最大級のゲノムデータベースを使った解析によって、ヒトの遺伝学についての情報が静かに着々と変わりつつある。

2016年12月号

News: キリンは4種に分類される?

最新の遺伝子解析の結果から、キリン保護のための新たな道筋が見えてきそうだ。

2016年11月号

News: ゾウの進化史が書き換えられる?

絶滅したゾウのゲノムから、思いもよらない類縁関係が明らかになった。どうやらゾウの系統樹を再検討する必要がありそうだ。

News: クマムシ固有のタンパク質に放射線からDNAを守る作用

クマムシから発見された新規タンパク質をヒト培養細胞に導入すると、放射線耐性が向上した。

Japanese Author: 標的遺伝子だけオンに! エピゲノム編集登場

2012年に登場するやいなや、世界中で使われるようになったゲノム編集技術CRISPR-Cas9。狙ったDNA配列を簡単に操作できることから、DNAの修飾状態を改変する「エピゲノム編集」への応用も期待されている。今回、群馬大学 生体調節研究所の畑田出穂教授と森田純代研究員は、狙った遺伝子のスイッチだけをオンにするDNA脱メチル化技術を完成させた。

2016年8月号

News: イヌは2度生まれた

人類の親友であるイヌは、東アジアと西ユーラシアで、それぞれ別のオオカミ集団から家畜化された可能性がある。

News: 知性の指標を探す遺伝子バリアント研究に賛否両論

学校に通う年数に影響を与える74個の遺伝子マーカーが突き止められた。研究チームはまた、就学年数は知性の代理指標となり得るとも述べている。

Japanese Author: 免疫から逃れるがん特有のゲノム異常発見

がんゲノムの研究における第一人者、小川誠司教授は、血液がんをはじめ、さまざまながんの仕組みを解き明かしてきた。今回、片岡圭亮特定助教とともに行ったがん症例の大規模解析により、がんが免疫から逃れる仕組みの1つを解明した。この知見を利用すれば、免疫チェックポイント阻害剤の効果が予測できるのではないかと考えられ、注目を集めている。

2016年7月号

News Feature: がんの進化を利用した治療戦略

他のあらゆる生物と同じく、腫瘍にも自然選択が働いている。がんの治療法の開発にこの進化の原理を利用しようという動きが現在高まっている。

News: ゲノム探索でヒットを狙う製薬会社

アストラゼネカ社は疾病に関連付けられる「まれな塩基配列」を探し出すため、200万人分のゲノムを調べる大規模事業を開始する。

2016年6月号

News: 巨大ウイルスにもCRISPR様の「免疫系」が!

サイズからゲノムの複雑さまで、全てが規格外な「ミミウイルス」。発見以来、ウイルスの概念を覆し続けているこの巨大ウイルスで、今度は原核生物が持つCRISPR系に似た防御機構が見つかった。

News: 遺伝子を限界まで削ぎ落とした人工生命

ゲノム編集で生命の構成要素が操作可能になった中、あのクレイグ・ベンターが、ゲノム設計という手法で遺伝子わずか473個の人工細胞を作製した。驚いたことにその必須遺伝子の3分の1は機能不明だ。

2016年5月号

News: 「3人の親」を持つ胚の作製を米国専門委員会が支持

ミトコンドリア置換の臨床試験を支持する報告書が提出された。ただし現状の連邦法の下では、関係当局がこの種の臨床試験を承認することはできない。

Japanese Author: カメムシの腸内共生細菌は進化の途上

昆虫の体内に棲みつき、昆虫にとって欠くことのできない役割を果たしている共生細菌。自然界で別々に暮らしていた昆虫と細菌が、長い進化の過程を経て、互いに不可欠な存在になったのだ。しかし、そのような関係に至った仕組みはまだ分かっていない。この謎に迫る重要な発見がNature Microbiology の創刊号で報告された。自然界で現在進行中の共生進化の過程を捉えることに、日本の研究チームが成功したのだ。

2016年4月号

News & Views: オフターゲット効果が最小のCas9酵素

特定のDNA配列を切断するゲノム編集技術CRISPRで利用されている酵素Cas9は、標的外(オフターゲット)の部位も切断することが知られている。このほど、タンパク質工学を利用して、オフターゲット効果が最小のCas9が作製された。

2016年3月号

News: ヒトゲノム編集に関する国際会議

ヒトゲノム編集の倫理的、社会的、法的な問題が議論され、各国の見解の相違が浮き彫りになったが、合意が得られた部分もあった。

2016年2月号

News: 遺伝子ドライブの安全対策

「遺伝子ドライブ」でゲノムが改変された生物が自然界に流出し拡散すれば、生態系に多大な影響が及ぶ恐れがある。この懸念を軽減させ安全性を高めるために、遺伝子ドライブの影響を封じ込める2通りの方法が開発された。

News: 遺伝子ドライブでマラリアと闘う

マラリア原虫に対する耐性遺伝子を持つ蚊をマラリアに苦しむ地域に迅速に広めることができれば、この感染症を永久に根絶できる可能性がある。このほど、遺伝子ドライブでそれが実現でき得ることが示された。

News: 医療現場に押し寄せる遺伝子編集の波

このたび、遺伝子編集技術で改変された細胞の移入により白血病が寛解したことが報告された。この他にも現在、複数企業が遺伝子編集技術をヒトの治療に使う準備を着々と進めており、この治療法にますます注目が集まっている。

2016年1月号

News: 筋ジストロフィーモデルの子犬を救った予想外の変異

この犬に見つかったある遺伝子の変異から、筋萎縮を防ぐ新しい治療法が見つかる可能性がある。

News: 細菌から新しい遺伝子カッター発見

CRISPR系を持つ細菌に、CRISPR/Cas9系の難点を解消し得る新酵素が見つかった。

Comment: ヒトゲノム計画25年の軌跡

ヒトゲノム計画の開始からちょうど四半世紀。コンソーシアム研究の先駆けとなったこのプロジェクトは、現在も、こうした科学研究に多くの教訓を提供することができると、このプロジェクトを推進してきたEric D. Green、James D. Watson、そしてFrancis S. Collinsは語る。

2015年11月号

News: 死線を越えると遺伝的多様性が高まる

ショウジョウバエを使った実験で、病を乗り越えた雌からは遺伝的多様性が高い子が生まれるという結果が報告された。

News: 超音波で線虫の脳細胞をスイッチオン

「音遺伝学(Sonogenetics)」の技術で、線虫以外の動物でも非侵襲的な特定ニューロンの刺激が可能になるかもしれない。

Editorial: 「遺伝子ドライブ」の進歩に遅れるな

「遺伝子ドライブ」は植物や動物の集団全体を変えてしまう可能性を持つ技術だ。規制当局は技術の進歩に追いつく必要がある。

2015年10月号

News: タコのゲノムから、高知能の秘密に迫る

高い知能や、抜きん出た擬態能力で知られるタコ。その全ゲノム情報が解読され、ゲノムサイズがヒト並みに大きいことや、姿にたがわず独特な機構がいくつも備わっていることが明らかになった。

News: 大うつ病の遺伝子マーカー見つかる!

うつ病と関連する特定のゲノム塩基配列の探索は、これまで望み薄と考えられていたが、今回、大うつ病と強固な関連性を示す遺伝子が見つかった。この発見で、精神病に関係した遺伝子の捜索が熱を帯びそうだ。

News: 現代人の体質や病にネアンデルタールDNAの影

現生人類は、旧人種との性交渉でアフリカ外の環境に対処する能力を獲得した。そして、私たちに残る旧人種のDNAは今も、喘息や皮膚病、さらにはうつ病に至るまで、さまざまな形で影響を及ぼしていることが分かってきた。

2015年8月号

News & Views: 真核生物誕生のカギを握る原核生物を発見

真核生物はいかにして核を獲得したのか? このたび真核生物に最も近縁な原核生物が発見されたことで、真核生物の起源に関する謎の解明につながると期待される。

2015年7月号

News: 欧州最古の現生人類化石、4世代前にネアンデルタール人と混血か?

ルーマニアで出土した4万年前の下顎骨のゲノムが解析され、この現生人類の4~6世代前の祖先にネアンデルタール人がいたことが分かった。これまで混血が起こったのは中東でのみだと考えられていたが、 今回の研究結果で欧州においても起こっていた可能性が高まった。

News: より小さなCas9酵素を発見

黄色ブドウ球菌のゲノムから、より小さなCas9酵素が発見された。 このCas9ならば臨床で使われる遺伝子治療用のベクターに組み込めることから、CRISPRによるゲノム編集でヒトの遺伝性疾患を治療できる可能性が高まった。

News: 欠陥ミトコンドリアを破壊し、疾患を防ぐことに成功

マウスでの実験段階だが、欠陥のあるミトコンドリアDNAをゲノム編集技術を使って選択的に破壊する手法が開発された。ミトコンドリア置換などの「三親胚」に代わる選択肢となるかもしれない。

News: ヒト胚ゲノム編集の波紋

ヒト胚の遺伝的改変を行った研究が報告されたが、その倫理的問題に関しては科学者の間にも意見の食い違いがある。

News & Views: 非コードRNAに、ペプチドがコードされていた!

マイクロRNA配列の前駆体の非コード領域にペプチドがコードされていることが分かり、新しい遺伝子調節段階が明らかになった。遺伝子の間にある「がらくた」配列は、がらくたではないのかもしれない。

2015年6月号

News Scan: 発芽の調節

植物は温度の記憶に基づいて最適時期に発芽する種子を作っている

News: 世界初のブタ試料バイオバンク

糖尿病の長期的合併症の研究用に、大型動物のバイオバンクが設立された。入念に作製された多種多様な組織試料は、無料で利用できる。

Comment: ヒトの生殖系列のゲノムを編集すべきでない

ヒトで世代を超えて伝わるような遺伝的改変は重大なリスクをもたらす一方で、その治療的利益はほんのわずかだとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。

2015年5月号

News: 「3人の親による体外受精」にゴーサイン

先駆的な生殖医療技術の法的認可に向けた英国の動きは、他の国々にも規制緩和の流れを引き起こしそうだ。

Japanese Author: 生物非対称性の研究もセンター運営も、皆で手を携えて

「心臓はなぜ体の左側にあるのか」といった左右非対称性の研究で、その分野を開拓しリードしてきた発生生物学者・濱田博司氏。2015年4月、理化学研究所 多細胞システム形成研究センターの新センター長に就任した。左右非対称性の仕組み解明を目指す研究者としての取り組みと、新センター長としての抱負について伺った。

News Feature: 揺れる性別の境界

一般社会では、性別が二元的に男か女かに分けられている。だが、生物学的な研究が進んだことで、性別は単純に二元化できるものではないことが分かってきた。

2015年4月号

News: 結核菌ゲノムに刻まれていたヒトの歴史

結核菌・北京系統株は、結核菌の中でも感染性が高く、多剤耐性のものも多い。この系統株が東アジアに出現したのは6000年以上前であることが分かった。

News: GM生物を生物学的に封じ込める最新手法

「自然には存在しないアミノ酸」がなければ生きられないように遺伝子組換え(GM)生物の代謝系を書き換えるという、強固な生物学的封じ込め法が開発された。

News & Views: 減数第一分裂の染色体分配の司令塔、MEIKIN

マウスで、減数第一分裂と呼ばれる特殊な細胞分裂で重要な役割を果たすタンパク質が突き止められた。さらに、このタンパク質の機能解析から、減数第一分裂中に染色体分配が調節される仕組みが進化的に保存されたものであることが明らかになった。

2015年3月号

News: 壮大な鳥類系統樹が完成

鳥類48種の進化解析結果が報告された。これまでで最も網羅的な系統樹の裏には、志を1つにした研究者たちの大規模な共同研究があった。

2015年2月号

News: 「プラチナ」ゲノムで疾患に迫れ

公式ヒトゲノム配列には記されていない疾患に関連する領域を突き止めようと、完成度の高いヒトゲノム配列の組み立てに複数の研究チームが取り組んでいる。

2015年1月号

News: 植物成長ホルモンジベレリンはシダ植物の性決定にも関与する

カニクサというシダ植物の研究から、フェロモン様の物質を利用して集団内の性比を調節するという、一部のシダ植物に特有な性決定機構の詳細が明らかになった。

News: 4万5000年前の現生人類のゲノム配列が明らかに

ホモ・サピエンスのDNAとしてこれまでで最も古いものが得られた。保存状態が非常に良かったため、詳細なゲノム配列解読に成功した。

News: 素早いゲノム解析で赤ちゃんを救え!

不可解な病気を持って生まれた赤ちゃんに迅速な診断と治療を行うために、スピーディーなゲノム解析を行うプロジェクトが米国で始まった。

News: ヒト疾患の巨大遺伝子バンクを作って病因を探る

形質と遺伝子多様体との関連を明らかにするため、別々の大規模プロジェクトで収集されたDNA配列データを共有し、まとめて解析できるようにする動きが始まっている。

Japanese Author: 誰もが“バイオインフォマティシャン”の時代

インターネット上の情報やツールを使った遺伝子検索や配列解析など、生命科学分野では研究者や医療従事者によるビッグデータの活用が重要になってきた。そのときに役立つのが、バイオインフォマティクス(生物情報学)の基礎知識。だが日本では教育が遅れ気味だ。バイオインフォマティクス分野の草分け的存在の4人に、バイオインフォマティシャンの仕事や役割、この分野の展望を語ってもらった。

2014年12月号

News: 牛糞堆肥が抗生物質耐性菌を増加させる?

抗生物質を使わずに育てた乳牛の糞尿を肥料として使っても、土壌中の耐性菌の増殖を助けることになるという、意外な研究結果が報告された。

News Scan: おうちはどっち?

一部の渡り鳥は母親と父親から矛盾した指令を受け取っている

Japanese Author: 脳の大きさを制御する、新たな分子メカニズムを解明!

ヒトの脳は約1.3〜1.5kgとされるが、容量がこれよりも病的に小さく、知的障害を伴う「小頭症」という疾患がある。神経変性疾患を研究対象にしてきた岡澤均・東京医科歯科大学教授らは、ニューロンの核における機能分子の探索と解析を続ける中でPQBP1という新規タンパク質を突き止め、その異常によりあるタイプの小頭症が引き起こされることを分子レベルで解明した。

News & Views: スタチンは骨の成長を促す

軟骨形成と骨成長の異常によって起こる低身長症について、iPS細胞モデルが構築された。研究チームはさらに、高コレステロール血症治療薬であるスタチンが軟骨形成と骨成長を促進する可能性があることをこのモデルを用いて明らかにした。

Editorial: 細菌のルビスコで植物の光合成効率が向上

シアノバクテリアの「スーパーチャージャー機能」付きルビスコを植物に導入しようという試みはこれまで失敗に終わっていた。今回のタバコでの成功は、今後、食糧作物の増産、ひいては飢餓問題の解決の糸口になると期待が膨らむ。

2014年11月号

News: 遺伝子組換えユーカリの承認を検討するブラジル

ブラジルで承認されれば、いずれ熱帯・亜熱帯地方全域でこの樹木の大規模栽培が行われるようになると考えられ、事態の成り行きに注目が集まっている。

2014年10月号

News: 遺伝子が示すクモの複雑な進化

遺伝子データを基にした系統樹が作成され、同じような網を作るクモであれば近縁である、という長年の定説が覆された。

News: 「曲者」のパンコムギゲノム、解読!

複雑で巨大なパンコムギのゲノム塩基配列が解読された。育種の取り組みが一層加速すると予想される。

News Scan: 鼻で闘う味の受容体

苦味受容体が細菌の侵入と闘っている

News: 遺伝子探索が精神医学にもたらす恩恵

15万人以上の試料をもとに遺伝子探索が行われ、統合失調症に関連する染色体上の領域が大量に突き止められた。

Japanese Author: 遺伝情報の転写時に、短いRNAが作られる仕組みを解明!

遺伝子の情報はいったんmRNAに写し取られるが、mRNAは「ただ写し取られた」ものではない。mRNAは作られる過程で不要な部分が切り取られたり、末端に特定の配列が付加されたりするなどの加工を受ける。山口雄輝教授は、山本淳一研究員とともに、作られるRNAの長さを適切に制御する仕組みを発見した。この発見はRNAの長さはDNAに刻み込まれているとされていた従来の概念を覆すものだ。

News Feature: 血流が運ぶ情報

循環血中に存在するDNAは、最適な活用法を見つけることができれば、がん治療の優れたツールとなりそうだ。

2014年8月号

News: カイコの性決定の最上流因子はタンパク質ではなくRNAであった!

カイコの性決定の最上流因子は80年間不明であったが、今回、カイコの雌性がタンパク質ではなく小分子RNAによって決定されていることが示された。小分子RNAが性決定の最上流因子である生物はこれまで報告されていない。

News: コオロギの「沈黙」という選択

ハワイに生息するコオロギの雄が、寄生虫から身を守るために鳴くのをやめた。しかもこの変化は、驚くほど短期間のうちに2つの島の異なる個体群で 同時に並行して起きていた。

News: タコの足が絡まらない理由

タコは、触腕が絡まないように考えているわけではない。では、なぜ絡まないのか?今回、切断した触腕を使った実験から、タコの触腕が中枢の脳による制御を受けずに動く仕組みが明らかになった。

News: 深まるクシクラゲの謎

クシクラゲの概要ゲノム配列が発表され、独特の神経系が洗い出された。他の生物とはあまりに異なる神経系が明らかになり、さらに謎が深まっている。

News & Views: ゾウリムシの「接合型継承の謎」を解明

原生生物であるヨツヒメゾウリムシは、接合後も子が親の接合型を常に維持している。この遺伝の仕組みは、ゲノムに外来DNA塩基配列が入り込まないように、RNA誘導型のDNA削除経路が働いてゲノムを守っている結果であることが明らかになった。

News & Views: 血液脳関門を通過できる2つのルート

血液脳関門では、脳への脂質の輸送と、トランスサイトーシスによる分子の輸送が行われているが、この2つの過程がどちらもMfsd2aという1つのタンパク質によって調節されていることが明らかになった。

2014年7月号

News: 再注目されるRNA干渉の臨床応用

遺伝子サイレンシング技術から肝臓関連の障害に有望な治療法が得られた。

Japanese Author: 次世代シーケンサーで、研究も医療も変わる!

ゲノム配列を高速で解読できる次世代シーケンサーが米国などの数社から製品化され、さまざまな基礎研究や応用分野で活発に使用されるようになってきた。この装置で具体的にどんなことが可能なのか、ゲノム解析技術の開発や整備に長年関わってきた東京大学の菅野純夫教授と、次世代シーケンサーを使った研究成果を次々と発表している京都大学の小川誠司教授に、医学や医療の分野を中心に話を聞いた。

News & Views: Y染色体の進化学

Y染色体は、進化の初期に多数の遺伝子が喪失したものの、現存生物種のY染色体に残っている遺伝子は極めて安定していることが、さまざまな哺乳動物のY染色体塩基配列の比較から明らかになった。

2014年6月号

News: 酵母の染色体1本を人工合成することに成功

染色体の1つが合成染色体に置き換えられた酵母は、野生型の酵母と同様に成長し、合成染色体が正常に機能していることも確かめられた。

2014年5月号

News: チョウの擬態を担う単一遺伝子

チョウの擬態についての新たな知見が報告された。擬態の進化に関する論争に一石が投じられそうだ。

News: アクネ菌、ブドウに宿る

ヒトの皮膚常在菌の一種、アクネ菌がブドウにも存在することが明らかになった。 これは、動物病原体の植物への宿主移行が確認された初めての例であり、アクネ菌の存在がブドウの栽培化に貢献した可能性も出てきた。

News: 健常者10万人を調べるプロジェクト

長期的な試験により健常者を詳細にモニタリングし、その結果に対処するよう頻繁に働きかけることで、究極の個別化医療を実現しようという取り組みが始まった。

News: ロイヤル島からオオカミが消える日

オオカミとヘラジカの生態学研究で有名な米国ロイヤル島。そのオオカミ個体群が、絶滅の危機に瀕している。数十年にわたって隔離され、同系交配が繰り返されてきたためだ。

Japanese Author: ゲノム研究から先制医療へ

その行動力で数々のプロジェクトを牽引し、ゲノム研究を推進してきた理研の林崎良英ディレクター。FANTOMコンソーシアムの設立、ノンコーディングRNAの発見、マイクロアレイやシーケンサー技術の導入など多くの成果を挙げてきた。親しみやすさと率直さがトレードマーク。「でも発言がストレートなので、誤解されやすいんですよ」と言う。今回新たに立ち上げたのは「予防医療・診断技術開発プログラム」。先制医療へ乗り出すのだという。林崎ディレクターは今、何を考える?

2014年4月号

News: 我々の内なるネアンデルタール人

現生人類はネアンデルタール人との交雑によって寒冷気候への対処能力を高めたことが、今回ゲノム解析から明らかになった。ただ、この交雑でできた雑種はどうやら生殖能力が低かったようだ。

News: 需要が高まる生物資源リポジトリ

研究ツールや資源を提供してくれる生物資源リポジトリは、生命科学研究に欠かせない存在である。だが、その維持管理は容易ではない。

Japanese Author: CRISPR法が世界を変える!

標的とする遺伝子のDNA配列を改変できるゲノム編集技術が開発され、注目を浴びている。この技術によって、さまざまな生物種で遺伝子ノックアウトなどが可能になるのだ。また、2014年3月14〜16日に徳島大学で国際的なゲノム編集シンポジウムが開催されるに当たり、シンポジウム直前の徳島大学の研究者たちに、この技術の持つ意味と可能性について解説していただいた。また、ラットにおけるゲノム編集技術について、京都大学の真下知士准教授にお話を伺った。

News & Views: 造血幹細胞にも性差がある

血球を作り出す造血幹細胞は、エストロゲンに応答して、雄より雌のマウスでより頻繁に分裂することが分かった。これはおそらく、雌が妊娠時により多くの血液を必要とするようになることに備えているためだろう。

2014年3月号

News: 軟骨魚類に骨がない理由

今回、軟骨魚類として初めて、ゾウギンザメの全ゲノム塩基配列が解読され、脊椎動物の初期進化を知るための重要な手掛かりが得られた。

News: ゲノミクス創成期のお宝を探して

ゲノミクス創成期に活躍した解析装置の多くが、現在、時代遅れの不用品として廃棄されようとしている。世界の科学博物館が結束して、こうした装置の収集に向けて動き出した。

News: リンネのゾウ標本をめぐる物語(上)

分類学の父と呼ばれるリンネが「アジアゾウ」の分類の基準とした アルコール漬けの標本は本当にアジアゾウなのか?この疑問が、最先端のプロテオミクスによって、300年の時を経て解明された。顛末を、Nature PodcastチームのEwen Callawayが過去と現在を織り交ぜながら詳しく掘り下げた。

2014年2月号

News: デニソワ人に見つかった未知の絶滅人類の痕跡

今回、ネアンデルタール人とデニソワ人のゲノムの復元に成功し、高品質ゲノムが得られた。解析結果から、未知の古代人集団の存在が示唆され、さらにこれら3種と現生人類の間で種間交雑が行われていたことが示唆された。

News: 遺伝子改変技術に新時代到来!

次世代の遺伝子改変技術として注目を集める「ゲノム編集」の登場で、ヒト疾患モデルとなる遺伝子改変サル作出に期待が高まっている。

News & Views: 珍しいものに心惹かれる

「希少雄効果」は、配偶者選択を強く受ける形質で遺伝的多様性が維持されている謎を説明する旧来の仮説だ。今回、これを支持するこれまでで最も決定的な証拠が、グッピーの研究から得られた。

2014年1月号

News: 3種の初期人類は同一種だったのか!?

グルジアで出土した、単一集団とみられる約180万年前の頭蓋骨5点のうち、1つは飛び抜けて面長であった。この集団内に見られる個体差から、現在3種に分類されている初期人類は同一種にまとめられる可能性がある。

News: 治癒を速める「若返り」遺伝子

Lin28aタンパク質を成体組織で発現させると、傷の治癒力を高めたり、毛の成長を速めたりするなどの効果がもたらされた。

Research Round-up: リサーチ・ラウンドアップ

Nature Genetics / Nature Medicine / Nature Chemistry より

2013年12月号

Japanese Author: シーラカンスの全ゲノムが語る脊椎動物の陸上化

何億年もの間、ほとんど変わらない姿で現存し、「生きた化石」とも称されるシーラカンス。このほど、東京工業大学、国立遺伝学研究所、東京大学などによるチームが、約27億対に及ぶ全ゲノムの解読に成功した。みえてきたのは、シーラカンスの際立った特異性と、脊椎動物の陸上化に関わる分子メカニズムの一端だ。

Editorial: 新生児を対象としたゲノム解読による病気診断の問題点

健康な新生児と病気を抱えた新生児を対象に、ゲノム塩基配列に基づく病気の診断がどの程度有効かを調べる研究プロジェクトがスタートする。データを適切に役立てる方法をさぐる予定だが、それには、いくつかの重要な倫理上の問題を解決しなければならない。

2013年11月号

News: ゲノムが教えるアフリカ人の移動史

新しいアレイ用マーカーが開発され、アフリカ南部のコイサン族の一部が、アフリカを出た後に帰還した人々であることが明らかになった。

2013年9月号

Editorial: 遺伝子治療研究には、道徳的権威が必要だ

研究は説明責任を負うものであり、少なくとも、社会からそのように認知されなければならない。 そのためには、不要と思われる監視制度であっても、それを維持しなくてはいけないケースがある。

2013年5月号

Japanese Author: ヌタウナギが教えてくれる 脊椎動物の進化

海に棲み、名前は「ウナギ」だがウナギではなく、ましてや厳密には魚類でもない。ヌタウナギには背骨がなく、顎もなく、鼻孔が1つしかない原始的な脊椎動物。進化形態学者、倉谷滋博士は、この動物に、ヒトにまでつながる進化と発生の謎を探っている。

2013年7月号

News: 「生きた化石」のゲノム解読

古代から生き残る魚類シーラカンスの遺伝子は、遠い過去について、多くを語ってくれる。

2013年6月号

News Feature: スローな科学

速いばかりが能じゃない。世の中には、数十年あるいは数百年も続いている実験がある。科学は短距離走ばかりではなく、マラソン競技も含めた知的作業であることを、改めて思い出そう。

News: HeLa細胞のゲノムはエラーだらけ!

科学の世界で最も有名なヒト細胞がHeLa細胞であろう。今回、そのゲノム配列が解読されたが、中身はエラーだらけだった。 そのため、研究に使い続けることに疑問が生じている。

2013年5月号

News: 加速する「遺伝子解析」の医療利用

成熟期に入りつつある「ゲノム解読」技術は、医療診断に使える十分な価格と精度を持つようになった。

News: 遺伝子診断を阻む壁

ゲノムの配列解読データの共有が進めば、希少な難病と遺伝子変異とを結びつけるチャンスが増えるはずだ。そのためのツールの開発が進められている。

2013年4月号

News: イヌの家畜化のカギは残飯だった?

オオカミから「人間の最良の友」を生み出した遺伝的変化が突き止められた。

2013年1月号

Japanese Author: 細胞生物学の最後の謎、中心体に迫る

動物細胞の細胞小器官である中心体。細胞分裂時に染色体を引っ張る「手」を形作る役割は知られていたが、それ以外はあまり注目されてこなかった。だが最近、繊毛との関係がクローズアップされたり、細胞分裂や分化の「司令塔」としての働きが示唆され、脚光を浴びている。34歳の若き細胞生物学者、北川大樹氏は、中心体の分子構造を明らかにし、中心体研究に大きな突破口を開いた一人である。

2013年3月号

News: 1個の細胞から、ゲノム塩基配列を読み取る

新しいDNA塩基配列読み取り法が登場した。個々の細胞どうしのDNA比較が簡単にできるようになれば、がんやそのほかの生物過程に関する手がかりが得られるはずだ。

2012年12月号

Japanese Author: RNA転写を網羅的に解析するCAGE法が、エンコード計画で貢献!

ヒトゲノム計画の完了後に始まった「エンコード」計画。ヒトゲノムのデータ上に、遺伝子や機能の発現に必要なあらゆる領域をマッピングしようという試みだ。2012年9月上旬、そのフェーズ2の一連の成果論文が、Natureなど各誌に公表された。今回の解析のカギとなったのは、理化学研究所オミックス基盤研究領域が開発したCAGE法という手法。CAGE法の産みの親であるピエロ・カルニンチ チームリーダーに話をうかがった。

2013年2月号

News: ブタのレシピを広げる極上ゲノム情報

ブタの高品質ゲノム情報が得られたことで、養豚業や医学へのさまざまな応用に向けて期待が高まる。

2013年1月号

News: 初期人類は細石器の伝統を伝えていた?

南アフリカの洞穴で7万1000年前の地層から高度な小石刃が見つかった。細石器が見つかった層は1万1000年分もあり、人類が世代を越えて石刃作製技術を伝承していたことが示唆される。

News: ミトコンドリア病を予防する核の入れ替え技術

異常のあるミトコンドリアを持った卵から核を取り出し、正常なミトコンドリアを持った卵に移し替える技術は、サルにおいて確立されていたが、ヒトでも適応可能であることが示された。 この技術により、ヒトのミトコンドリア病と呼ばれる遺伝性難病のリスクを低減できる。

2012年11月号

News: 父親の年齢が高いほど、多くの変異が子に伝わる

最新のゲノム研究により、子どもの自閉症などが、父親の年齢と関連するらしいことが明らかになった。

News: がん幹細胞を初めて追跡した

遺伝学的技術を使って腫瘍を観察した結果、腫瘍のごく一部の「がん幹細胞」が、腫瘍の増殖を推進していることが明らかになった。今回の発見が新しい治療法につながるかもしれない。

News: カロリー制限しても長生きすることはない

寿命に影響を与えるのは、遺伝と食事の質のようだ。

2013年1月号

News & Views: 胎児を拒絶しない免疫機構

妊娠した女性の免疫系が、胎児の持つ父親由来の抗原に対して寛容となる仕組みに、「抑制性」の免疫細胞がかかわっていることが実証された。 胎児抗原に特異的に反応して増殖するこの細胞は、出産後も一部が維持されていて、2回目以降の妊娠を助けていた。

2012年10月号

News: アルツハイマー病を防ぐ遺伝子変異

アイスランド人で見つかった非常にまれな遺伝子変異が、認知機能の低下を抑制する可能性がある。アルツハイマー病の治療法の開発に向けて、期待が高まる。

News: 100歳以上の高齢者100人のゲノム解読を競うコンテストが開催

このコンテストでは、ゲノム配列解読の技術、精度、コストが競われる。

2012年8月号

News: トマトのゲノムプロジェクトが結実

トマトのゲノムが解読され、風味も収量も満足のいく品種開発のてがかりとなるかもしれない。

Editorial: 反GM運動の一部は、地球規模の野蛮な行為

英国Rothamsted社における遺伝子組み換えコムギの試験圃場を、環境保護団体が破壊するという声明を出した。科学的に未解明な問題と向き合わず、すでに結論ありきの破壊行為は、恥ずべき蛮行でしかない。

2012年6月号

News: 並行臨床試験で薬効が明確に

ヒトの臨床試験と同様の試験を動物で並行して行う「並行臨床試験」により、薬剤の効果に違いをもたらす遺伝学的な手がかりが得られる。

2012年5月号

News: Y染色体消滅説に反論

ヒトのY染色体は、2500万年間でたった1つの遺伝子を失っただけだった。

News: ついにゴリラのゲノムを解読

ゴリラのゲノム塩基配列が解読された。人類進化の道筋を解明するための新たな手がかりとなるだろう。

2012年3月号

Japanese Author: 糖鎖に応答する新たなエピゲノム制御を発見

ヒトの遺伝子は2万個ほどしかないが、それらを効率よく使うシステムとしてさまざまな仕組みが知られている。最近このようなシステムの1つとして、後天的にDNAや染色体の開き具合を調節するエピゲノムが注目されるようになってきた。このエピゲノム制御のカギを握るのは、DNAやヒストンの一部に施される化学修飾だ。東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授は、ある酵素に「小さな糖」が付加されることで、化学修飾のスイッチが制御されていることを突き止めた。

2012年1月号

News: ヒトゲノムの情報開示問題

研究中に得られた個人の遺伝情報は、本人に告知してもよいのだろうか。

News: 長寿が複数世代にわたって遺伝

線虫では、従来とは異なる遺伝形態によって寿命が延びる。

News: 「言語遺伝子」が学習速度を速める

50万年以上前に出現した1つの変異によって、ヒトは言葉を話すための筋肉運動を身につけたのかもしれない。

News Scan: 食べ物から来たマイクロRNA

食物が遺伝子の発現を調節している可能性がある。

News Feature: 黒死病の原因菌のゲノム解読

660年前の細菌のゲノム解析によって、ヨーロッパの暗黒時代の謎の1つが解明された。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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