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Volume 17 Number 102020年10月号

ミトコンドリアDNAを初めて正確に編集

細胞にエネルギーを供給するミトコンドリア。この細胞小器官に不具合があると、命に関わる疾患が生じる。ミトコンドリアの異常はそのゲノムに起因するが、細胞の核とは別に存在していることから、母親の卵のミトコンドリアを健康なドナーのものと置き換える方法が検討されてきた。2015年に英国で治療法実施が承認されたが、3人の遺伝的親を持つことなどの問題から、各国、慎重姿勢のままだ。その後、この治療で少量持ち込まれた異常ミトコンドリアが増えることや、稀だがミトコンドリアDNAが父親から伝わることも分かってきた。そうした中、塩基編集という手法でミトコンドリアゲノムの変異を修正する方法が今回報告された。

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特別公開記事Free access

プール方式で新型コロナ検査を迅速・安価に

プール方式で新型コロナ検査を迅速・安価に

一部の国では、多くの人から採取した検体を混ぜて一度に検査する「プール方式」を採用することで、新型コロナウイルスの検査に要する時間とコストを削減している。

新型コロナウイルス研究注目の論文(9月)

新型コロナウイルス研究注目の論文(9月)

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とその感染症(COVID-19)に関する文献で重要なものを Natureが精査し、まとめた(2020年9月)。8月分はこちら

森林破壊と種の絶滅がパンデミック発生リスクを高める

森林破壊と種の絶滅がパンデミック発生リスクを高める

研究者たちは、生物多様性と新興感染症の関連性を理解し、その情報を活用して将来の集団発生を予測して食い止めようと努力を重ねている。

ロザリンド・フランクリンの遺産

ロザリンド・フランクリンの遺産

2020年はロザリンド・フランクリンの生誕100年に当たる。彼女はDNAの構造解明で「不当な扱いを受けたヒロイン」として知られているが、卓越した研究者であったことこそ広く知られ、記憶されるべきだ。

イネ茎伸長のアクセルとブレーキを担う2遺伝子を発見し、伸長の仕組みを解明!

イネ茎伸長のアクセルとブレーキを担う2遺伝子を発見し、伸長の仕組みを解明!

イネの遺伝子レベルの研究は盛んで、多種多様だ。だが茎が伸びる仕組みについては、茎を伸ばす植物ホルモン「ジベレリン」の存在が知られているものの、なぜジベレリンがあると茎が伸長するのかは不明だった。名古屋大学の永井啓祐助教、芦苅基行教授らは、洪水が起きると瞬く間に茎を伸ばす浮きイネを使って、茎伸長のアクセル役とブレーキ役を担う2つの遺伝子を突き止めた。

News

エニオンの実験的証拠を観測

エニオンの実験的証拠を観測

エニオンと呼ばれる奇妙な準粒子の存在が実験的に確認された。この成果は、エラーを起こしにくい量子コンピューターの実現につながる可能性がある。

ミトコンドリアDNAを初めて正確に編集

ミトコンドリアDNAを初めて正確に編集

奇妙な酵素のおかげで、致死的な疾患の研究と治療に新たな道が開かれた。

議論激しい米大陸到達時期に新説を投げ掛ける石器

議論激しい米大陸到達時期に新説を投げ掛ける石器

発掘された石の遺物は、人類が米大陸に3万年以上前に居住していたことを指し示していると研究チームは考えている。しかし、その説に異論がないわけではない。

ブラジルの博物館で相次ぐ火災、改革を求める声

ブラジルの博物館で相次ぐ火災、改革を求める声

リオデジャネイロの国立博物館の火災から2年も経たないうちにミナス・ジェライス連邦大学の自然史博物館でも火災が発生した。研究者たちは、極めて貴重な標本や遺物を失う痛みに再度苦しんでいる。

News Feature

冥王星の「裏側」が見えてきた!

冥王星の「裏側」が見えてきた!

冥王星への驚異の接近通過を2015年に成功させた、NASAの探査機「ニューホライズンズ」。冥王星の「裏側」は低解像度でしか撮影できなかったものの、その画像の解析が進み、液体の水の兆候や、不可解な巨大な氷の刃、そして、極寒の惑星の誕生を巡る新しい理論が見えてきた。

World View

出版社よ、トランスジェンダー学者の名前の修正を認めよ

出版社よ、トランスジェンダー学者の名前の修正を認めよ

発表された論文の著者名変更を禁止することは、傷つきやすい人々を苦しめる。

Work

完璧な推薦状を書くための秘訣

完璧な推薦状を書くための秘訣

時間に追われる教員や研究者たちは、候補者の役に立つ推薦状をこのようにして書いている。

News & Views

岩石の風化で大気中のCO<sub>2</sub>が除去される

岩石の風化で大気中のCO2が除去される

岩石の風化を促進することによって、大気中の二酸化炭素が大量に除去される可能性がある。現在この方法は、コストとCO2除去能力の面で、他の戦略と同じくらい有望のようだ。

老化細胞を標的とするように設計されたT細胞

老化細胞を標的とするように設計されたT細胞

老化は細胞の加齢の特徴であり、多くの疾患に関与している。老化細胞を標的とする免疫細胞によって老化細胞を除去する新しい方法は、治療選択肢を改善できる可能性がある。

自己集合でナノスケールのポリカテナンを合成

自己集合でナノスケールのポリカテナンを合成

今回、非共有結合性の相互作用を利用した分子の自己集合により、ナノスケールの非常に大きな鎖状分子が合成された。この方法では、これまでは難しかった最終生成物のトポロジー制御が可能で、特定の構造を狙い通りに合成することができる。

量子揺らぎが巨視的物体の位置を変える

量子揺らぎが巨視的物体の位置を変える

重力波検出器による精密測定を本来の限界を超えて改善する方法が報告された。また、量子揺らぎは巨視的物体の位置を変えることができることが示された。

News Scan

紙切れで山火事と闘う

紙切れで山火事と闘う

紙片に印刷した安価なセンサーで山火事発生の警告を発信。

Where I Work

Nature Highlights

Nature 2020年8/6〜8/27号のハイライトを掲載しています。

2020年8月6日号

2020年8月13日号

2020年8月20日号

2020年8月27日号

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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