2020年10月号Volume 17 Number 10

ミトコンドリアDNAを初めて正確に編集

細胞にエネルギーを供給するミトコンドリア。この細胞小器官に不具合があると、命に関わる疾患が生じる。ミトコンドリアの異常はそのゲノムに起因するが、細胞の核とは別に存在していることから、母親の卵のミトコンドリアを健康なドナーのものと置き換える方法が検討されてきた。2015年に英国で治療法実施が承認されたが、3人の遺伝的親を持つことなどの問題から、各国、慎重姿勢のままだ。その後、この治療で少量持ち込まれた異常ミトコンドリアが増えることや、稀だがミトコンドリアDNAが父親から伝わることも分かってきた。そうした中、塩基編集という手法でミトコンドリアゲノムの変異を修正する方法が今回報告された。

Editorial

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2020年はロザリンド・フランクリンの生誕100年に当たる。彼女はDNAの構造解明で「不当な扱いを受けたヒロイン」として知られているが、卓越した研究者であったことこそ広く知られ、記憶されるべきだ。

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News

エニオンと呼ばれる奇妙な準粒子の存在が実験的に確認された。この成果は、エラーを起こしにくい量子コンピューターの実現につながる可能性がある。

リオデジャネイロの国立博物館の火災から2年も経たないうちにミナス・ジェライス連邦大学の自然史博物館でも火災が発生した。研究者たちは、極めて貴重な標本や遺物を失う痛みに再度苦しんでいる。

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一部の国では、多くの人から採取した検体を混ぜて一度に検査する「プール方式」を採用することで、新型コロナウイルスの検査に要する時間とコストを削減している。

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News Feature

冥王星への驚異の接近通過を2015年に成功させた、NASAの探査機「ニューホライズンズ」。冥王星の「裏側」は低解像度でしか撮影できなかったものの、その画像の解析が進み、液体の水の兆候や、不可解な巨大な氷の刃、そして、極寒の惑星の誕生を巡る新しい理論が見えてきた。

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World View

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Work

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Japanese Author

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イネの遺伝子レベルの研究は盛んで、多種多様だ。だが茎が伸びる仕組みについては、茎を伸ばす植物ホルモン「ジベレリン」の存在が知られているものの、なぜジベレリンがあると茎が伸長するのかは不明だった。名古屋大学の永井啓祐助教、芦苅基行教授らは、洪水が起きると瞬く間に茎を伸ばす浮きイネを使って、茎伸長のアクセル役とブレーキ役を担う2つの遺伝子を突き止めた。

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News & Views

岩石の風化を促進することによって、大気中の二酸化炭素が大量に除去される可能性がある。現在この方法は、コストとCO2除去能力の面で、他の戦略と同じくらい有望のようだ。

今回、非共有結合性の相互作用を利用した分子の自己集合により、ナノスケールの非常に大きな鎖状分子が合成された。この方法では、これまでは難しかった最終生成物のトポロジー制御が可能で、特定の構造を狙い通りに合成することができる。

重力波検出器による精密測定を本来の限界を超えて改善する方法が報告された。また、量子揺らぎは巨視的物体の位置を変えることができることが示された。

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News Scan

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Where I Work

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