2020年11月号Volume 17 Number 11

動物は実際、何を考えているのか

目や耳、鼻、そして皮膚から、脳に絶え間なくやってくる大量の情報。全ての情報は脳で処理され、最終的には、動物の運動や思考といった形で出力される。こうした行動を調整する感情や欲求などの心の状態は、脳でどのように生み出されるのだろう。ニューロンの活動を捉える技術の進歩に後押しされ、神経科学者たちはおびただしい数のデータを精査し、その仕組みに迫ろうとしている。精神疾患の理解、ひいては治療にもつながるはずだ。

Editorial

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Publishing Academy

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News

現在火星に向かっているNASAの探査車「パーサビアランス」は、将来、別の探査機に持ち帰らせるための火星の岩石試料を密封して保存する他、火星の音を初めて人類に届ける予定だ。

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COVID-19の広がりを追跡し、封じ込めるには、情報の共有と活用が欠かせない。しかし米国ではデータの公開が遅らされ、さらにはデータに欠けがあるという。その原因は、政府の干渉と、長年にわたる公衆衛生データ管理の軽視にある。

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News Features

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米国では、現在も多くの州で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている。そうした中、大学は数百万人の学生をキャンパスに迎え入れようとしていて、キャンパス内外の感染制御に、独自の検査やアプリなどを導入した大学もある。

神経科学者たちは、おびただしい数のデータを精査して、攻撃性や欲求などの心の状態および感情を脳が生み出す仕組みを明らかにしようとしている。

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Japanese Author

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多数の遺伝要因が積み重なって起こる「複雑疾患(多因子疾患)」。糖尿病や心筋梗塞、統合失調症など、大半の病気がそうだ。そのような病気の解析手法である「ゲノムワイド関連解析(GWAS)」を用いて、次々と研究成果を発表してきた鎌谷洋一郎・東京大学大学院メディカル情報生命専攻教授。GWAS研究は一時の停滞期からなぜ再び注目を浴びるようになったのか。世界の研究の潮流と今後の抱負について話を聞いた。

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News & Views

ある方向の電流を流すと超伝導状態になるが、その逆方向の電流を流すと超伝導状態にならない(常伝導になる)薄膜が作られた。これは、電力消費が極めて低い電子工学素子の実現につながるかもしれない。

細胞の内部でタンパク質の分解を誘導する分子は、これまでにも作製されている。今回、新しいクラスの分子によって、膜タンパク質や細胞外タンパク質の分解が誘導可能になり、創薬への道が開かれた。

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重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫応答が、人により大きく異なる理由は分かっていない。患者の免疫応答を経時的に追跡する新たな研究により、この問題に対する手掛かりと、重症度を予測する方法に関する示唆が得られた。

ベンゼン環などの芳香環を含む有機化合物の合成では、既存の芳香環を構成要素として、そこから分子を組み立てることが多い。今回、芳香環を反応の過程で形成するという革新的な方法で、極めて有用なアニリン類を合成できることが示された。

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News Scan

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Where I Work

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