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難聴を防ぐ遺伝子編集技術への頌歌

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180431

原文:Nature (2018-01-11) | doi: 10.1038/d41586-017-08645-z | An ode to gene edits that prevent deafness

Fyodor Urnov

聴力低下を引き起こす遺伝子変異を遺伝子編集で無効化する手法により、遺伝性難聴を防ぎ得ることがマウスで実証された。この技術は、ヒト難聴のうちのいくつかについて、治療の可能性を開くことになるだろうか。

作曲家のルートウィヒ・ファン・ベートーベンは32歳の頃、聴力が落ちていくのを自覚し、弟に宛てて手紙を書いている。「秋に木々の葉が枯れ落ちるように、私自身の人生も不毛になっていくようだ」。ベートーベンの難聴の原因は分かっていないが、後発性の難聴には、遺伝性のDNAの変化と関連しているものが数多く知られている。ベートーベンが難聴に苦しんだ時代から約2世紀がたった今、遺伝性の難聴を防ぐ技術の臨床応用が、ついに現実味を帯びてきた。バーバード大学およびブロード研究所(共に米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)のXue Gaoらは、遺伝子編集技術を用いた遺伝性難聴マウスモデルの治療についての進展を、Nature 2018年1月11日号の217ページで報告した1。ヒトの治療に遺伝子工学を用いる機運が高まっている中、この方法を臨床で用いるために必要な道筋が明確になった。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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