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高脂肪食が大腸がんの発生率を高める仕組み

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 6 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160636

原文:Nature (2016-03-03) | doi: 10.1038/531042a | Dietary fat promotes intestinal dysregulation

Chi Luo & Pere Puigserver

マウスでの研究で、高脂肪食の摂取により腸前駆細胞が幹細胞様の運命に誘導されることが突き止められた。その結果、腸のサイズが変化し、腫瘍の発生率が高まることが分かった。

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savoilic/iStock/Getty Images Plus/Getty

過剰な食物摂取は、肥満を引き起こすだけでなく、心血管疾患やがんなどの生死に関わる疾患の多くとも関連している1。摂取された食物中の成分は、代謝を再調整して、エネルギー収支を回復させる生理応答を引き起こす。この過程はすでにかなり解明されており、栄養、ホルモン、全身性因子による制御を受けていることが分かっている2。一方、摂取された食物中の成分が幹細胞の生物学的性質に影響を与え、その結果、組織の機能や腫瘍の発生を変化させている可能性が示唆されているが、その仕組みはほとんど分かっていない3。このたびマサチューセッツ工科大学(米国ケンブリッジ)およびハーバード大学医学系大学院(米国マサチューセッツ州ボストン)のSemir Beyazらの研究チームは、食餌に脂肪が多く含まれると、腸幹細胞(ISC;intestinal stem cell)や腸前駆細胞の増殖が直接促進され、それにより、がんを発生させ得ると考えられる「種」がより多く生じることを示して、Nature 2016年3月3日号53ページに報告した4

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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