Nature ハイライト

構造生物学: 塩素イオンチャネルTMEM16Aの構造を解明

Nature 552, 7685

TMEM16膜タンパク質ファミリーは多彩で、Ca2+依存性塩素イオンチャネル、脂質スクランブラーゼや陽イオンチャネルが含まれている。TMEM16Aは塩素イオンの透過に関わっていて、ニューロンでのシグナル伝達、筋収縮など、多数の生理機能を制御している。今回2つの研究グループが、クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いてTMEM16Aの構造を解き、このチャネルの機能についての手掛かりを得た。TMEM16Aでは、他のリガンド依存性イオンチャネルとは異なって、Ca2+がチャネルの小孔に直接結合する。そこでは1個のグリシン残基が可動性のヒンジとして働いてカルシウム感受性を調整する。R Dutzlerたちは、このチャネルについてCa2+が結合していない状態と結合した状態の両方の構造を決定し、Ca2+の結合がチャネル活性化の際に起こる構造再編成を促進する仕組みを明らかにしている。一方、L JanたちはTMEM16Aが機能している際の2つの状態、つまり糖脂質のラウリルマルトースネオペンチルグリコール(LMNG)中で捉えられたCa2+が1個結合した状態と、ナノディスク中で捉えられたCa2+が2個結合した状態の構造を明らかにしている。ナノディスク中で観察された閉じたコンホメーションは、Ca2+により長い間活性化した後に応答が減衰し、活動が停止したチャネルを示していると考えられる。

Letter p.421
doi: 10.1038/nature24652 | 日本語要約 | Full Text | PDF
Letter p.426
doi: 10.1038/nature25024 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2017年12月21日号の Nature ハイライト

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