Advances

舌先現象の錯覚

答えが喉元まで出ている感覚は、どうやら錯覚であるようだ。 Credit: Believe_In_Me/iStock/Getty

「あれだよあれ」「なんて言ったっけ」――ぴったりの言葉を知っているはずなのに思い出せないことがある。答えが喉元まで出かかっているこのイライラする感覚のことを英語圏ではtip-of-the-tongueと言い、この舌先(TOT)現象は何十年も前から、答えを部分的に思い出すことから生じるのだと考えられてきた。だが最近の研究で、この体験がほとんど錯覚である可能性が示唆された。確かに知っているという感覚は、実際に知っていることを意味しない。

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Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230921a