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2017年11月号

News: iPS細胞でサルのパーキンソン病症状が緩和

iPS細胞から作製したニューロンをパーキンソン病モデルのサルに移植したところ、2年間にわたって症状の改善が観察され、その間、移植ニューロンは有害な作用を引き起こさなかった。

News & Views: 苦味と甘味の知覚に必要なガイダンス分子を発見

苦味や甘味などの味覚に関する情報は、それぞれの味覚に特異的な経路を介して、マウスの舌から脳へ伝達される。このたび、セマフォリンタンパク質がこれらの経路の配線を誘導していることが明らかになった。

2017年10月号

News: 脳の幹細胞がマウスを若返らせる

幹細胞移植により老化が遅くなり、寿命が延びることが報告された。

News & Views: 抗体はドーパミンを介して作られる

T細胞は、B細胞が抗体産生細胞へと分化するのを助ける。これにはドーパミンを使った細胞間のシグナル伝達が必要とされることが報告された。神経伝達物質であるドーパミンは、意外なことに免疫でも役割を持つことが分かった。

2017年9月号

News Scan: 顔認識のメカニズム

その神経コードを解読する研究が進展

News & Views: RNA反復配列は細胞を固めてしまう

細胞核にできる小滴様のRNA凝集塊は、特定の神経変性疾患に関連している。実験の結果、こうした凝集塊が細胞の中で「固まった」ゲルになることが分かった。RNA凝集塊が毒性を持つ原因をこれで説明できるかもしれない。

2017年8月号

Editorial: 知能に関する研究のすすめ

人種差別主義にまみれた知能の研究を救うのは、現代の遺伝学かもしれない。

2017年7月号

News & Views: 子育て行動の遺伝学的基盤

ハイイロシロアシマウスとシカシロアシマウスの子育て行動は異なっており、その違いは父親で極めて顕著に見られる。両者の種差の遺伝学的解析から、基盤となる神経学的な機構の一端が明らかになった。

News & Views: 1つのタンパク質で2つの神経変性疾患を治療

アタキシン2(ataxin 2)タンパク質の生成を抑制する分子によって2つの神経変性疾患の症状を改善できることがマウスモデルで示された。臨床試験におけるこのアプローチの成功に大きな期待がかけられている。

2017年6月号

News: マウスの脳全体を包む巨大ニューロン

ニューロンを三次元画像で追跡できる新技術により、意識に関連する領域から出た神経細胞が「イバラの冠」のように脳を包み込んでいることが明らかになった。

News & Views: 脳内の地図に表された音の「景観」

動物の脳内では、一部のニューロン集団が特定の地理上の位置で発火して、空間の中の自分の位置を示す神経系上の地図を作り出す。この回路が聴覚地図の基礎にもなり得るという知見は、認知を生み出すニューロン構造の解明に役立つだろう。

2017年3月号

News: 簡便で正確な脳震盪診断法

小規模な研究から、音声合成装置で生成された「ダ」の音声を聞かせるだけで脳震盪(軽度の脳損傷)を判別できる可能性が示された。長期的な影響を評価する生物学的マーカーとしても利用できるかもしれない。

News & Views: 神経の同調を回復させてアルツハイマー病を治療

アルツハイマー病では、神経回路の活動で生じる電気的振動に障害が現れる。マウスモデル でこれらの振動を回復させると、免疫細胞が活性化して、アルツハイマー病に関連するアミロイドβタンパク質が脳から除去されることが示された。

2017年2月号

News & Views: たっぷり眠るマウスと夢を見ないマウス

哺乳動物の睡眠は、急速な眼球運動を伴う睡眠(レム睡眠)と急速な眼球運動を伴わない睡眠(ノンレム睡眠)からなる。遺伝子変異マウスの大規模な睡眠異常スクリーニングにより、ノンレム睡眠の必要量を決める遺伝子と、レム睡眠の終止に関与する遺伝子が突き止められた。

Japanese Author: 自閉スペクトラム症研究から「個性」の探求へ

脳や神経系がどのように発生・発達するか、その仕組みを研究してきた大隅典子・東北大学大学院医学系研究科教授。近年は、自閉スペクトラム症の研究にも取り組んできた。2016年7月、「個性」を創り育む脳の仕組みに挑むため、脳科学に加え、人文・社会系、理工系分野の力を集結した大規模プロジェクトを立ち上げた。科学で「個性」に正面から取り組む初めてのプロジェクトである。

2017年1月号

News in Japan: 量子画像化技術でうつ病診断・治療を目指す

科学技術振興機構主催のサイエンスアゴラ2016で、量子科学技術研究開発機構の山田真希子(やまだ・まきこ)氏がうつ病の診断精度を向上できる可能性を秘めた量子イメージング技術について講演した。シュプリンガー・ネイチャーも対談という形でこのセッションに協力させていただいた。

2016年12月号

News & Views: 体が水分バランスを予測する仕組み

哺乳動物の体は、体内の水分バランスが乱れると衰弱することがある。今回、2つの研究で、渇きに応答し、渇きを予期して、計画的に水分を調節している脳領域がマウスで特定された。

News: U87細胞株をめぐる謎

脳腫瘍研究で一般的なある細胞株のDNAプロファイルは、その起源とされる50年前の腫瘍のDNAプロファイルと一致しないことが明らかになった。

2016年11月号

News: アルツハイマー病新薬候補で認知機能低下が鈍化

アミロイドβ仮説に基づくアルツハイマー病治療薬候補の小規模臨床試験で、認知機能低下の鈍化が観察された。現在、大規模な研究によりこの有望な初期データが裏付けられるか調査中である。

News & Views: シナプスの要、ナノカラム

シナプス前部にある神経伝達物質分子を放出する領域と、それを捕獲するシナプス後部の領域をつなぐ「ナノカラム」構造が発見された。シナプス間隙をまたぐこの構造は、シナプスの組織化と調節の機構についての手掛かりを与えてくれる。

2016年10月号

News: これまでで最も精細なヒト脳地図

ヒト・コネクトーム・プロジェクトのデータから、ヒト大脳皮質が、構造、機能、神経接続性などの違いによって180の区画に分けられた。このうちの97の領域は、これまで記述されたことのなかったものだ。

2016年7月号

News: うつ緩和はケタミン代謝産物の作用か?

麻薬ケタミンの分解産物で、ケタミンのような副作用なしでうつ状態を改善できることが、マウスでの実験で示された。

News: ヒト脳プロジェクトが計算ツールを公開

欧州のヒト脳プロジェクト(HBP)が計算ツールを公開し、計画は本格的に始動した。

News & Views: 受容体の構造からSSRI系抗うつ剤の作用機序が明らかに

セロトニン輸送体タンパク質のSERTが、2種類の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と複合体を形成した状態の構造が解かれ、これらの薬剤が作用する仕組みが明らかになった。

2016年6月号

News: 脊髄損傷患者の脳と手をつなぐ技術

脊髄損傷患者の思考を電気的な指令へと変換することで筋肉を刺激する「神経バイパス技術」が開発された。患者は、この技術によって麻痺した腕を動かせるようになった。

News: 脳への電気刺激で運動選手の能力向上?

予備的研究の結果だが、頭皮を介して脳に電気刺激を加えると、運動選手の持久力が向上するらしい。この装置はすでに実用化されており、「脳ドーピング」が懸念される。

Editorial: まだ検証が必要な、電気刺激による認知機能強化

電気や磁場による脳刺激が医療目的以外にも利用されつつあるが、現時点ではまだ、安全かつ有効とはいえない。

2016年5月号

News: アルツハイマー病マウスで記憶が回復

アルツハイマー病の患者でも記憶を形成できることを示唆する研究結果が発表され、新たな治療への期待が膨らんできた。

News: 指示されると責任を感じない

権威に指示された人が抵抗なく他者に危害を加えることを示して物議を醸した「ミルグラム実験」の現代版でも、人が指示に従って行動するときには、自分の行為にあまり責任を感じないことが確認された。

News & Views: 遺伝学と生理学がついに結び付いた

統合失調症発症のリスクと強い関連性がある遺伝的変異の1つが特定された。シナプスの刈り込みに関与すると考えられている補体因子C4遺伝子だ。神経生物学とを結ぶ手掛かりがようやく得られ、創薬につながることが期待される。

2016年3月号

News: 人工知能が囲碁をマスター

人間の思考をまねた人工知能が、囲碁でプロの棋士に勝利した!

2016年2月号

News: 神経回路操作実験の結果に注意!

光や薬剤でニューロンを制御する研究手法は広く用いられているが、この手法で得られた結果と行動との関連は偽物かもしれない。光や薬剤が脳に予想以上の影響を及ぼしていることが示されたのだ。

News: 研究用チンパンジーはデジタルベースに

生きたチンパンジーを使った実験を全廃することを決めたNIHは、チンパンジーたちの落ち着き場所を探しながら、死後の脳組織の保管とこれまでの研究成果のオンラインデータ化に向けて動いている。

News: 記憶力増強装置のヒトに対する試験が始まる

長期記憶に障害を起こすような脳組織の損傷を、電極による刺激で補償できる可能性が次々と示されている。

2015年12月号

News: 雄の線虫で「ミステリー」ニューロン発見

調べ尽くされたと考えられていた線虫の神経系で、新たなニューロンが発見された。雄にしか見られないこの謎のニューロンに、神経科学者たちは関心を寄せている。

News: 脳スキャンデータで個人を特定できる

脳領域間の神経接続のパターンには明確な個人差があり、「指紋」として利用できることが実証された。実際に個人を特定できるだけでなく、知能検査の成績を予測することもできるという。

News: 成長ホルモン療法の患者にアルツハイマー病の恐れ

死後脳由来のヒト成長ホルモン製剤の投与を受け、クロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなった患者の脳内で、アミロイド斑が見つかった。この製剤を注射したことが原因でできた可能性が示唆されるという。

News: 小児への脳刺激の有望性と懸念

学習障害のある小児の脳を電気刺激する試験が行われ、有望な結果が得られた。その一方で、安易な使用などによるリスクの増大が懸念される。

2015年11月号

News: 脳の小断片の3D画像化に成功

マウスの脳の極めて小さい組織片ではあるが、詳細に観察できる三次元デジタルマップとして再構築された。この成果を人工知能の向上に応用したいと考える米国の関連機関は、今後の研究に数十億円規模の資金提供を決めた。

News: 超音波で線虫の脳細胞をスイッチオン

「音遺伝学(Sonogenetics)」の技術で、線虫以外の動物でも非侵襲的な特定ニューロンの刺激が可能になるかもしれない。

2015年10月号

News: アルツハイマー病の治療薬開発で初の成果

アミロイドβを標的とした抗体医薬で病の進行を30%遅らせたというささやかだが確かな成果に、研究者たちは勇気づけられている。

News: 大うつ病の遺伝子マーカー見つかる!

うつ病と関連する特定のゲノム塩基配列の探索は、これまで望み薄と考えられていたが、今回、大うつ病と強固な関連性を示す遺伝子が見つかった。この発見で、精神病に関係した遺伝子の捜索が熱を帯びそうだ。

Japanese Author: 小胞体も核も選択的オートファジーの対象だった!

次々と出る良好な実験データ─「うまくいきすぎて、怖いくらいでした」と、持田 啓佑・大学院生は研究を振り返る。オートファジーは、細胞内の大規模分解システム。世界中で激しい研究競争が繰り広げられているこの分野で、細胞の小胞体に加え、核のオートファジーの仕組みをも明らかにすることに、わずか2年ほどで成功したのだ。

2015年9月号

News: 「速度計」ニューロンがラットの脳で見つかった

2014年のノーベル賞受賞者のチームが、哺乳類の脳内ナビゲーション機構の重要な要素である「スピード細胞」を探し当てた。

News: 脳に注入可能な、超小型の神経活動記録装置

多数のニューロンの活動を一度に記録できる、超小型で生体適合性を有するメッシュ状の電子デバイスが開発された。この装置により哺乳類の脳機能解明が進む可能性がある。

News Feature: オキシトシンの基礎研究は始まったばかり

オキシトシンが脳に与える影響は複雑なものであることが、この数年で明らかになってきた。その結果、この物質を単なる「抱擁ホルモン」とする見方を一刻も早く改めるべきだという考え方が研究者の間で広がりつつある。

2015年8月号

News: プリオン病を防ぐ遺伝子変異

パプアニューギニアのある民族には、遺伝子変異による未知の機構のおかげで、過去に流行した致死的な脳疾患にかからずに済んだ人々がいる。

News: 楽しい記憶の活性化でマウスのうつ様症状が改善

マウスで楽しい記憶を保存しているニューロンの活動を亢進させると、うつ症状が改善した。この知見から、ヒトのうつ病の神経機構の解明に新たな進展がもたらされるかもしれない。

Japanese Author: 攻めか、守りか、棋士の直観を脳科学で解明

プロの世界では、一瞬の気の迷いが命取りになることが少なくない。求められるのは、どのような状況下でも、瞬時に正しい決断を行う人並み外れた能力だ。理化学研究所 脳科学総合研究センター 認知機能表現研究チームの田中啓治チームリーダーらは、訓練を重ねたプロ棋士が直観的に「次の手」を決めたり、「攻めるか守るかの戦略」を決めるときの神経基盤の解明を進めてきた。10年にわたる脳活動の測定により、これまでに知られていなかった回路を突き止めることに成功した。

2015年7月号

News: ニューロンの百科事典作成計画が始動

アレン脳科学研究所が、ニューロンのカタログを作るという大規模な計画を発表した。

2015年5月号

News & Views: 知覚情報をもとに自ら学習する人工知能

コンピューターゲームのプレイ方法を、深層学習と強化学習によって自ら学習する人工知能が開発された。この人工知能は、古典的な49種類のコンピューターゲームのうち29種類でプロのゲーマーと同等以上の成績を収め、人工知能がさまざまなタスクに適応可能なことを実証した。

2015年4月号

News: 脳を膨らませてナノスケールの細部を観察

紙おむつの吸収体に利用される材料を使って脳組織を膨張させることにより、一般的な光学顕微鏡を使って、わずか60nmの特徴まで解像することができた。

News: うつ病治療薬として臨床試験が進むケタミン

精神疾患に対する新薬がほとんど登場しないことから、麻薬の一種であるケタミンに製薬会社や医師から大きな期待が寄せられている。しかし、それが高じて、十分なデータがまだ揃っていないにもかかわらず、うつ病治療用に処方され始めている現状には懸念も出ている。

News: 「無意識の思考」の方が賢明というのは本当か?

注意をそらされている時に下す決定の方が賢明という説が広く知られているが、新たな大規模実験と既存データのメタ分析ではそのような効果は見られなかった。無意識の力についての論争がさらに白熱化しそうだ。

Japanese Author: リン酸化反応を多角的に解析し、シグナル伝達系の全貌に迫る!

人体には200種以上の細胞が存在するとされ、細胞独自の形態や運動性、極性などは、細胞内外のさまざまな情報の授受と伝達により獲得・決定されている。この過程はシグナル伝達と呼ばれ、生命活動の基盤をなす一方、異常を生じると、がんや循環器疾患、神経・精神疾患の原因となる。名古屋大学大学院医学研究科・神経情報薬理学講座の貝淵弘三教授は、35年にわたり、リン酸化反応を介したシグナル伝達系の解析を進めている。

2015年3月号

Japanese Author: 脳の中に記憶の正体を探す

「脳の研究にとって、こんなにワクワクする時代はないと思います」。脳の高次機能の研究に長年取り組み、特に記憶のメカニズムの解明で世界を牽引してきた東京大学大学院医学系研究科の宮下保司教授は目を輝かせる。脳科学者にとって、テクノロジーのブレークスルーが起きているからだという。30年間の研究を振り返りつつ、宮下教授は興味の尽きない研究の将来を語る。

News: 億万長者が細胞生物学の研究所設立

マイクロソフト社の共同創業者Paul Allenが、脳科学研究所に続いて、細胞挙動の研究とシミュレーションを行う細胞科学研究所を設立した。

2015年2月号

News: コウモリの3Dナビシステム

コウモリのアクロバット飛行を可能にしているのは、ドーナツ形の座標系に基づく意外な脳の位置情報符号化機構だった。

News: 増えつつある脳腸相関の証拠

腸内細菌が心の健康に影響を与えるという説に支持が集まっている。

News Feature: 認知行動療法の効果を検証するには

認知行動療法は最もよく研究されている精神療法だが、この治療法がうつ病患者に効く仕組みはいまだに解明されていない。

Japanese Author: 網膜内部に血管が入り込まない仕組みを、分子レベルで解明!

生体には血管網が張り巡らされており、血管を介してさまざまな物質が供給される。血管新生はがんなどで異常に活性化されるため、新生メカニズムの研究は世界中で盛んに行われている。一方で、血管が入り込まない組織(軟骨や発生期の網膜など)があることも知られているが、その排除メカニズム解明は全く進んでいなかった。このほど、久保田義顕・慶應義塾大学医学部准教授らは、血管網の可視化研究から、思いがけない仕組みによって血管が排除されていることを突き止めた。

News & Views: 治療法改善のための最善の戦略とは

うつ病の研究には、抑うつ様行動を示す従来からのマウスモデルがよく使われているが、ヒトのうつ病の全体像を従来のマウスモデルで完全に把握することは不可能である。このフォーラムでは、治療法の改善を目指した戦略について、専門家たちが提案する2通りの見解を紹介する。

Comment: うつ病の分子機構解明に向けて

世界的に深刻な問題となっているうつ病の分子機構を解明するためには、10万人以上の人の遺伝的データを分析する必要があると、米国立精神衛生研究所のディレクターを務めたSteven Hymanは提案する。

2015年1月号

News: 脳機能解明へ、日本でプロジェクト始動

霊長類の高次脳機能解明を目指すBrain/MINDS計画では、マーモセットを使ってヒトの神経・精神障害の研究が行われる。

2014年12月号

News: 化学賞は細胞内部を観察できる顕微鏡の開発に

光学顕微鏡の限界に挑んだ先駆者たちがノーベル化学賞を受賞した。

News: 空間認知に関わる脳細胞の発見に医学生理学賞

脳の「場所細胞」と「グリッド細胞」の発見は、位置情報把握の仕組みの研究に大きな影響を与えた。

Japanese Author: 脳の大きさを制御する、新たな分子メカニズムを解明!

ヒトの脳は約1.3〜1.5kgとされるが、容量がこれよりも病的に小さく、知的障害を伴う「小頭症」という疾患がある。神経変性疾患を研究対象にしてきた岡澤均・東京医科歯科大学教授らは、ニューロンの核における機能分子の探索と解析を続ける中でPQBP1という新規タンパク質を突き止め、その異常によりあるタイプの小頭症が引き起こされることを分子レベルで解明した。

2014年9月号

News Feature: 忘却の遺伝子

アルツハイマー病の有力な遺伝的リスク因子が20年余り前に報告されたが、研究者の多くはそれをほとんど無視してきた。しかし、その風潮がようやく変わろうとしている。

2014年8月号

News & Views: 血液脳関門を通過できる2つのルート

血液脳関門では、脳への脂質の輸送と、トランスサイトーシスによる分子の輸送が行われているが、この2つの過程がどちらもMfsd2aという1つのタンパク質によって調節されていることが明らかになった。

2014年6月号

News: 精神疾患の臨床試験のあり方を見直す動き

米国立精神衛生研究所(NIMH)は、精神疾患の根底にある原因を探らずに症状の軽減だけを目指す研究には、今後、資金を提供しない意向を明らかにした。

News Scan: てんかん治療に大麻成分

米国で臨床試験が計画されている

News: 米国の大麻研究を妨害する連邦政府の官僚主義

米国では2つの州で嗜好用大麻が合法化された。一方で、大麻の生物医学研究は、連邦法によりいまだに規制されている。

News & Views: 高齢者の脳を保護する因子

RESTと呼ばれるタンパク質が、加齢脳でのニューロンの細胞死の抑制と、高齢者の認知能力の維持に中心的な役割を果たしていることが明らかになった。

2014年4月号

News Scan: 脳の修理にエクソソーム

細胞内にある小胞が神経損傷の修復に関与

2014年3月号

Japanese Author: アポトーシスは 脳の形作りに必須だった!

多細胞生物には、細胞が自ら死に向かう「アポトーシス」が備わっている。特に発生過程では、アポトーシスが厳密に実行されることで、特定の大きさ、機能、形を持つ組織や臓器が作られる。このほど、東京大学大学院薬学系研究科の三浦正幸教授と山口良文助教らは、アポトーシスが、脳の発生を次の段階に進めるスイッチであることを初めて実証した。

News & Views: マウス脳で超高速エンドサイトーシスを発見

脳機能を支える重要なプロセスである神経接合部の小胞エンドサイトーシスに、超高速モードがあることが明らかになり、長年使われてきたエンドサイトーシスのモデルを再評価する必要がでてきた。

2014年2月号

News Feature: 脳型コンピューターへの道

ヒトのニューロンをヒントにしたコンピューター・チップなら、より少ない電力で、より多くの計算をすることができる。

2014年1月号

News Feature: 脳科学で心が丸はだか?

脳活動のパターンをスキャン装置で捉え、その情報を解読することで、その人の考えや見た夢、さらには次に何をしようとしているかまで、読み取れるようになるかもしれない。

2013年12月号

News: ゲームでマルチタスク“脳力”がアップする!

認知能力は加齢に伴って低下するが、ゲームをすることでそれが回復するという研究結果が現れた。

2013年10月号

Japanese Author: 脳損傷時のニューロン保護作用と グリア細胞のカルシウム濃度

受精の際、卵に精子が1つ入ると、カルシウムイオンの波が生じて2つ目が入れないようになる。この例のように、カルシウムは、さまざまな生命現象の制御シグナルとして機能している。このほど、東京大学大学院医学系研究科の飯野正光教授らは、脳が傷害を受けた際にも、カルシウムシグナルが発生して、グリア細胞がニューロンの保護活動を開始するらしいことを見いだした。

2013年11月号

News: 幹細胞でヒトの脳に似た構造を作る

「ミニチュア脳」を使えば、生きたヒト組織での神経学的疾患の研究が可能になるかもしれない。

News & Views: 網膜の神経回路を詳細にマッピング

脳の構造は非常に複雑であり、小さな神経回路でも、何百個のニューロンと数千個の接続を含んでいる。連続組織切片の電子顕微鏡観察とそのデジタル的再構築により、また遺伝学的手法と光学的解析を統合させた方法により、網膜の神経回路がこれまでになく詳細に描き出された。

2013年10月号

News Feature: 脳科学の世紀

米国と欧州が相次いで、数千億円の資金を投入して脳が働く仕組みを解明する構想を打ち出した。しかし、その実現に必要な技術はまだ十分に整っていないのが現状だ。

2013年7月号

Japanese Author: 脳の画像から、夢と心を読む

人の心をfMRI画像から読み解くという画期的な技術を開発し、世界を驚かせてきた計算神経科学者、神谷之康氏。機械学習によるパターン認識というコンピューターの手法を神経科学に持ち込み、脳の解明に挑む。今回、眠っている人の夢の中身をfMRI画像から解読することに成功した。

2013年8月号

News Feature: 革命的な科学の手法を生み出す男

脳透明化技術「CLARITY」の開発を率いたKarl Deisserothは、脳科学の世界に大きな足跡を1つ、また1つと刻んでいる。

2013年7月号

News Feature: 精神障害はひとつながり

これまで病態に応じて区切られ分類されていた精神障害が、実は1つのスペクトラム、つまり、さまざまな病態が連なった1本の軸として表せることが、近年の研究によって示唆されている。しかし、精神障害診断の最新の改訂版DSM-5では、その採用は時期尚早として見送られた。

News: 脳を透明化する革新的技術!

重要なタンパク質などを残して、脳組織を透明化する技術が開発された。この技術は、神経ネットワークの三次元可視化を可能にし、しかも、ホルマリン中に保存されているヒト組織にも適用できるので、脳内ネットワークの解明に大きく貢献するはずだ。

2013年2月号

Japanese Author: 軸索にできる「小さな突起」に、シナプスの形成と成熟のカギ!

脳にある膨大な数のニューロンは、シナプスでつながれることで回路を構築し、記憶、学習、運動などの機能を果たす。しかしこれまで、シナプスができるようす自体をリアルタイムで詳細にとらえた研究はなく、その分子メカニズムにも、多くの謎が残されていた。このたび、東京大学大学院医学系研究科の岡部繁男教授らは、イメージングの手法により、シナプスの形成過程を鮮明にとらえることに成功した。

2013年1月号

News Scan: ハンチントン病の新モデル動物

ヒツジを利用して研究を加速

2012年12月号

News Feature: 「何も考えていない」ときの脳活動

何も考えていないときでも、脳は盛んに活動していることがわかってきた。なぜなのか、その理由を解き明かすべく研究が始まったが、そこには本質的な難しさが横たわっている。

2013年2月号

News: パーキンソン病は、異常タンパク質の伝播を介して進行する

神経細胞の死と、パーキンソン病特有のタンパク質凝集塊との間の関連を示す 研究結果が報告された。治療法の開発につながることが期待される。

2012年11月号

News Feature: 「出逢いの演出家」に徹して脳の発生を再現

試験管内で眼や脳の一部を作り出した笹井芳樹は、「幹細胞が何になりたいか」を汲み取る特別な才覚を持つ。

News: 睡眠中に匂いと音を学習

睡眠中にいい匂いをかがせると、目覚めた後もそのいい匂いを嗅いだときの条件を記憶している。

Japanese Author: 霊長類の脳で、“下等な”動物の神経回路が果たしていた役割とは?

高度に発達したヒトやサルの脳神経系にも、ネコなどの“下等”な動物が持つ神経回路が残存している。神経生理学者の伊佐正・生理学研究所教授は、そうした“古い脳”にも重要な機能があることを新しい手法を用いて実証し、神経科学に新たな局面を切り開いた。

2013年1月号

2012年10月号

News Feature: 脳のロックを解除する

脳の神経回路の大部分は、子ども時代に確立し固定される。近年、それをリセットする方法が見つかってきており、さまざまな神経疾患の治療にもつながるのではと期待されている。

2012年9月号

News Feature: 植物状態の「意識」を探る

意思伝達が不可能とされてきた植物状態の患者と、脳スキャン技術を使ってコミュニケーションをとる方法が見つかった。これを発見した神経科学者Adrian Owenは今、この手法を臨床現場に導入しようと奮闘している。

2012年8月号

News: 進化した脳制御型ロボットアーム

四肢麻痺の患者の思考で制御できるロボット補助器具が作製された。

News Feature: ミクログリアは働き者の庭師

脳内の免疫担当細胞であるミクログリアは、かつては消極的な監視役だと考えられていたが、最近になって発生中のニューロンの「剪定」に積極的に関与し、重要な役割を果たしているらしいことがわかってきた。

2012年7月号

News: 脳を進化させたのはレプリカ遺伝子

ある遺伝子の複数のコピーが、脳の情報処理能力を向上させたのかもしれない。

2012年6月号

News Feature: 「分離脳」が教えてくれたこと

重度のてんかん治療のために、脳梁離断という過激な脳外科手術を受けた一群の患者がいる。彼らの協力による心理実験や調査が1960年代から行われ、左右脳の機能や神経科学に関して、多くの知識がもたらされた。

2012年5月号

Japanese Author: シナプスの活動を一括して調べることで、神経回路の緻密な配線メカニズムに迫る!

言語、記憶、感情などの高次機能を発揮する脳の回路。その回路を構成する膨大な神経細胞は、混線やロスなく確実に情報をやりとりするとみられている。高精度な配線と回路編成は、いったいどのようにして行われるのか。東京大学大学院薬学研究科の池谷裕二准教授は、シナプス活動を一斉に観察できる手法を開発し、その解析により、緻密な回路編成の仕組みの一端を明らかにした。

2012年3月号

News Feature: 身体の錯覚を自由に操る科学者

体外離脱、つまり自分の身体を離れて外から見ているような錯覚を、科学的方法論としてきちんと生み出すことが可能になった。これを実現したのがスウェーデンの神経科学者Henrik Ehrssonだ。彼の研究から今、人間についてこれまで想像もつかなかった謎解きが始まりつつある。

2012年1月号

Editorial: かけがえのない命の証を、神経疾患研究に生かせ

死んでまもない子どもの脳には、自閉症や統合失調症の治療法のカギが隠されている可能性がある。その研究を進めるためには、献体の推進と国際的な脳バンクの整備が必要だ。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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