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腸内細菌が腫瘍の治療成績に影響を及ぼす

体内の別の部位にまで広がった(転移した)膵臓がんに対して、化学療法は標準的な治療法である。しかし、腫瘍が化学療法薬に対する耐性を獲得してしまうと、治療はうまくいかなくなる。複数の薬剤を組み合わせて使う新しい治療レジメンも出てきているが、その治療成績は依然として芳しいものではない。もし、耐性の出現を抑制できる栄養学的介入が見つかり、臨床試験でその効果が証明されれば、容易に利用可能な治療アプローチとなるだろう。このほど、ヒトとマウスにおいて、ある種の腸内細菌が化学療法に対する腫瘍の応答を回復させる分子を産生していることを示唆するデータが、ハンブルク・エッペンドルフ大学病院(ドイツ)のJoseph Tintelnotら1により、Nature 2023年3月2日号の168ページで報告された。

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翻訳:藤山与一

Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 6

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230639

原文

A gut reaction can tune tumour fate
  • Nature (2023-03-02) | DOI: 10.1038/d41586-023-00476-5
  • Le Li & Florencia McAllister
  • 共にテキサス大学MDアンダーソンがんセンター(米国ヒューストン)に所属

参考文献

  1. Tintelnot, J. et al. Nature 615, 168–174 (2023).
  2. Davar, D. et al. Science 371, 595–602 (2021).
  3. Derosa, L. et al. Nature Med. 28, 315–324 (2022).
  4. Iida, N. et al. Science 342, 967–970 (2013).
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