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次世代の細胞運命を決める記憶

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 12 | doi : 10.1038/ndigest.2017.171231

原文:Nature (2017-09-21) | doi: 10.1038/nature23549 | The persistence of memory

Katarzyna M. Kedziora & Jeremy E. Purvis

娘細胞が増殖するか静止状態になるかは、母細胞から受け継いだ2つの分子で決まることが、生細胞イメージングで明らかになった。今回の知見によって、新しく生じた娘細胞の振る舞いが、その母細胞の状態によって決められる仕組みについての洞察がもたらされた。

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DR LOTHAR SCHERMELLEH/SCIENCE PHOTO LIBRARY/Science Photo Library/Getty

細胞説の基本原理は、「全ての細胞は既存の細胞から生じる」というものである。精子と卵以外の全ての細胞は、細胞分裂により2つの新しい細胞(娘細胞という)になる際、娘細胞に自身のゲノムのコピーを渡す。そのため娘細胞は、分裂以前の母細胞のゲノムと本質的に同一のゲノムを受け継いでいる。その細胞自身が細胞分裂する際には自身のゲノムを次の世代の2つの娘細胞に伝える。しかし、母細胞から受け継ぐのはゲノムだけではない。タンパク質やRNA、その他の生化学的な産物や標識の形で、さまざまな「記憶」も受け継いでいる可能性がある。だが、これらの分子記憶を特定し、さらにそれらが細胞の振る舞いにどのように影響を及ぼすかを理解することは、長い間難しかった。このほど、スタンフォード大学医学系大学院(米国カリフォルニア州)のHee Won Yangら1は、母細胞が獲得した分子記憶が、娘細胞が増殖するか可逆的な休止状態(静止状態として知られる)に入るかを決定する際に影響を及ぼす仕組みを明らかにし、Nature 2017年9月21日号404ページに報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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