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ウミヘビが縞模様を捨てた理由

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2017.171002

原文:Nature (2017-08-10) | doi: 10.1038/nature.2017.22441 | Sea snakes lose their stripes to deal with pollution

Rachael Lallensack

都市の近海に生息するカメガシラウミヘビには、全身が黒い個体が多い。これは、体内から有害な汚染物質を除去する手段であることが示唆された。亜鉛などの金属と結合しやすいメラニン色素を外皮に増やすことで、そうした金属を脱皮により排除しているのだという。

カメガシラウミヘビの縞模様の暗色部分に含まれるメラニン色素は、汚染物質と結合する。 | 拡大する

Klaus Stiefel

汚染された環境で、動物の暗色個体が自然選択において有利となる現象を「工業暗化」という。この現象は、煤煙による大気汚染が深刻だった19世紀後半の産業革命期に、英国でオオシモフリエダシャク(Biston betularia)というガの暗化が急速に進んだことで知られるようになったもので、目に見える自然選択の例として教科書で取り上げられることも多い。工業暗化は他にもいくつかの動物で報告されているが、今回新たな研究で、そのリストにカメガシラウミヘビ(Emydocephalus annulatus)が加わった1。都市の近くに多く見られる暗色個体は、外皮のメラニン色素で有害な微量元素を捕らえ、脱皮を頻繁に行うことで、これらの有害元素を効率よく体外に排出していることが明らかになったのである。この結果は、8月10日付でCurrent Biologyに報告された。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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