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酸化ストレスはがんの遠隔転移を抑制する

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160233

原文:Nature (2015-11-12) | doi: 10.1038/nature15644 | The enemy of my enemy is my friend

Isaac S. Harris & Joan S. Brugge

活性酸素は、細胞にストレスを与え、がんのイニシエーション(発がんの第一段階)を促進すると考えられてきたが、今回、がんの転移を防ぐという有益な作用も持っていることが明らかになった。

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xrender/iStock/Thinkstock

活性酸素(Reactive Oxygen Species; ROS)やその毒性の無毒化を行う抗酸化物質の役割は、がん研究の分野では議論になっている。というのも、これらの分子の作用には両面性があり、条件によって腫瘍の発生を促進する場合も抑制する場合もあるからだ1,2。このほどテキサス大学サウスウェスタン医療センター(米国)のElena Piskounovaらは、黒色腫細胞の遠隔部位への効率的な拡散は、腫瘍細胞が、血流に乗って移動する際や別の組織に到着した際に遭遇するROSによる細胞ストレスに打ち勝てるかどうかで決まることを明らかにし、Nature 2015年11月12日号186ページに報告した3。著者らはさらに、黒色腫を移植したマウスで、抗酸化物質が生じる特定の代謝経路を阻害すると、転移が効率的に抑えられることも実証した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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