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インターフェロンは両刃の剣

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2014.141027

原文:Nature (2014-07-31) | doi: 10.1038/nature13517 | The mixed blessing of interferon

Amalio Telenti

サルでの研究から、インターフェロンの作用には二面性があり、感染の防止に働く場合と、慢性感染の状態を悪化させる場合があることが明らかになった。

図1:IFNα2aの分子モデル

Thinkstock

1980年代前半に後天性免疫不全症候群(AIDS)が流行したことで、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者へのインターフェロン(IFN)治療について、多くの研究グループから報告がなされた。IFNは、ウイルス感染時に感染細胞から分泌されるサイトカインで、ウイルス増殖の抑制や免疫系の調節を行う作用を持ち、現在、主にウイルス性肝炎や多発性硬化症の治療に用いられている。これらの報告に基づく当時の総説1によれば、IFNによる治療に「AIDSの原因となる免疫異常に対する有益な効果の証拠」があるのか依然としてはっきりせず、また、HIV誘発性の免疫抑制が進行した多くの患者のIFN値は、全ての症例でIFN投与前にすでに上昇していた、と結論付けられた。しかし今回、国立衛生研究所(米国メリーランド州べセスダ)のNetanya G. Sandlerら2が、HIV感染とIFNについての興味深い知見を、Nature 2014年7月31日号601ページに報告した。彼らは、アカゲザルでの実験で、IFNα2a(図1)をサル免疫不全ウイルス(SIV)曝露前に投与するとウイルスの全身感染が防止されたこと、また、このサルにIFN受容体拮抗薬を投与すると重篤な感染症が引き起こされたこと、そしてIFN投与が長期にわたると有害な影響が見られることを示したのだ。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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