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Nature Human Behaviour に掲載された一次研究論文(Articles および Letters)について、その概要を日本語で紹介しています。

2017年2月

  • Review Article: 公正さの発達的基盤

    The developmental foundations of human fairness

    doi: 10.1038/s41562-016-0042

    小児における公正な行動の発達に関する最近の行動学・神経科学的証拠の総合的な検討から、ヒトの公正さを示す特徴は乳児期に現れることがわかった。

  • Letter: 経済的不安定と米国の学校における銃による暴力の増加

    Economic insecurity and the rise in gun violence at US schools

    doi: 10.1038/s41562-016-0040

    1990~2013年の米国の学校における銃による暴力事件を解析した結果、発生率が最も高いのは2007~2013年であったことが判明した。経済危機の諸指標は、銃による暴力の発生件数の増加と有意に相関していた。

  • Letter: 狩猟採取民のネットワークの評価と累積文化への影響

    Characterization of hunter-gatherer networks and implications for cumulative culture

    doi: 10.1038/s41562-016-0043

    狩猟採集民の社会的相互作用を追跡する無線センサーが開発され、コンゴ共和国とフィリピンの狩猟採集民では、血縁関係のない家族間を結びつける少数の強固な友人関係が、より効率的な社会的ネットワークを形作ることが明らかとなった。

  • Letter: 前言語期の乳児は攻撃者から被害者を守る第三者の介入を肯定する

    Preverbal infants affirm third-party interventions that protect victims from aggressors

    doi: 10.1038/s41562-016-0037

    6つの実験から、生後わずか6か月の乳児が、攻撃者から被害者を守る第三者の介入を肯定することが明らかとなった。ヒトはこうした行為を重視するが、今回の実験は、前言語期の乳児の心にまでその起源を辿れることを示唆している。

  • Letter: ヒト連合野における数量性に関する神経地図のネットワーク

    A network of topographic numerosity maps in human association cortex

    doi: 10.1038/s41562-016-0036

    超高磁場機能的磁気共鳴画像法を用いてヒトの脳を調べたところ、連合野内の大きく離れた6か所に数量性(集合中のものの数の知覚)をコードする神経地図が見つかった。

  • Article: 知覚学習はヒトの意思決定における知覚後処理を変える

    Perceptual learning alters post-sensory processing in human decision-making

    doi: 10.1038/s41562-016-0035

    知覚学習課題の訓練後にヒトの知覚感受性が改善するのは、初期の知覚情報処理が速くなるからではなく、知覚後の後期の意思決定処理が速くなるからであることが明らかとなった。

2017年1月

  • Perspective: 社会科学は結果主義になるべきか?

    Should social science be more solution-oriented?

    doi: 10.1038/s41562-016-0015

    Duncan Wattsは、社会科学の諸分野が具体的で扱いやすい実社会の問題を研究目的とすることの利点について考察し、解決策を重視する社会科学の例を挙げ、その有効性を論じる。

  • Perspective: 「再現可能な科学」のためのマニフェスト OPEN

    A manifesto for reproducible science

    doi: 10.1038/s41562-016-0021

    再現性をめぐる議論をリードする研究者たちは、科学的プロセスの鍵となる要素を最適化できるような方策の採用を求めている。

  • Letter: 都市現象の発生頻度、スケーリング、差異を説明する

    Explaining the prevalence, scaling and variance of urban phenomena

    doi: 10.1038/s41562-016-0012

    Gomez-Lievanoらは、経済複雑性と文化進化のモデルを統合することにより、学歴の分布や犯罪の発生率などの都市現象が人口規模に伴ってどのように変化するかという「都市のスケーリング」の新たな理論を提唱する。

  • Letter: ヒトにおける同類婚の遺伝学的証拠

    Genetic evidence of assortative mating in humans

    doi: 10.1038/s41562-016-0016

    一塩基多型の全ゲノムデータおよび全ゲノム関連解析の結果を用いた研究により、ヒトが自分と似た表現型形質をもつ相手との結婚を好むことには遺伝学的な原因と結果があることが明らかとなった。

2016年12月

  • Article: 成人後に経済的負担となる少人数の集団を小児期に予測する

    Childhood forecasting of a small segment of the population with large economic burden

    doi: 10.1038/s41562-016-0005

    40年におよぶ出生コホート研究から得られたデータを複数の行政データベースと結びつけることで、人口の20%が経済的負担の約80%の原因となることが明らかとなった。注目すべきは、この集団が3歳の時点から高い精度で予想できることである。

  • Letter: 視覚空間の知覚を調節する注意

    Attention modulates perception of visual space

    doi: 10.1038/s41562-016-0004

    3次元空間内での視覚による定位のアンカリングに注意が重要な役割を果たすことが明らかになった。注意の効果が、見えている地面に左右されるという発見は、陸上生物であるヒトの視覚系が、その生態学的ニッチによって支えられていることを示唆する。

  • Letter: 音楽の進化の実験から見えてきたリズムの普遍性

    Musical evolution in the lab exhibits rhythmic universals

    doi: 10.1038/s41562-016-0007

    ランダムに生成したドラム音のシークエンスを実験参加者が耳で聞いて真似し、次の人に伝えていく実験から、ランダムなシークエンスが、ワールドミュージックにみられる6つの統計的な普遍的特性を備えた、リズミカルに構造化されたパターンへと変換されていくことが明らかになった。

2016年11月

  • Article: 確信の明示的表現は将来の価値に基づく意思決定のための情報になる

    Explicit representation of confidence informs future value-based decisions

    doi: 10.1038/s41562-016-0002

    人間は選択を行うたびに、その選択に対する確信の明示的表現を保持している。視線追跡および行動測定の結果、意思決定に対する確信のなさを追跡することが将来の行動を導くのに役立つことがわかった。

  • Letter: 恐怖対象への意識的な暴露を伴わない脳活動の強化学習による恐怖反応緩和

    Fear reduction without fear through reinforcement of neural activity that bypasses conscious exposure

    doi: 10.1038/s41562-016-0006

    国際電気通信基礎技術研究所および情報通信研究機構の小泉愛研究員たちのグループは、恐怖条件付けされた刺激を表す視覚野の活動パターンを報酬と結び付けることで、恐怖対象を明示せずに、参加者に恐怖対象を見せたり、訓練の目的を気づかせることなく、恐怖反応を緩和できることを報告している。

  • Letter: 顔の評価は統計的学習により形成される

    Statistical learning shapes face evaluation

    doi: 10.1038/s41562-016-0001

    あらゆる顔は、環境中から抽出される顔の統計分布中に位置づけられる。顔にもとづく社会的推論(例えば、信用できそうな顔)は、この学習された分布中の統計的な位置から生じている。

  • Letter: 病原体の蔓延度は男女平等の文化的変化と関連する

    Pathogen prevalence is associated with cultural changes in gender equality

    doi: 10.1038/s41562-016-0003

    米国および英国における過去数十年間の病原体蔓延度の低下は、男女不平等の緩和と関連している。感染症の有病率の低下は男女不平等の緩和に先立って生じるため、両者の間には因果関係があることが示唆される。

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