最新Research

Nature Human Behaviour に掲載された一次研究論文(Articles および Letters)について、その概要を日本語で紹介しています。

2018年4月

2018年3月

  • Review Article: 青年期以降の男性にみられる反社会的行動

    Male antisocial behaviour in adolescence and beyond

    doi: 10.1038/s41562-018-0309-4

    男性の反社会的行動は青年期にピークを迎え、その後は収まっていくとする年齢犯罪曲線は、異なる原因から犯罪に走る2つの別々の集団を一緒にしてしまっているという仮説を裏づける最近の証拠がまとめられた。

  • Letter: 知人の投票行動についての質問で選挙の予想が改善する

    Asking about social circles improves election predictions

    doi: 10.1038/s41562-018-0302-y

    世論調査の回答者に対し、自らの投票意向に加えて知人の投票意向についても質問すると、2016年の米国大統領選挙と2017年のフランス大統領選挙における得票数の予想が改善することが明らかとなった。

  • Letter: ヒトの顔の意識の決定要因

    The determinants of consciousness of human faces

    doi: 10.1038/s41562-017-0266-3

    ヒトの顔の意識的処理の決定要因がコンピュータ・データに基づく手法によって調べられ、ある顔が意識にのぼるまでの速さは、顔から知覚される力/優位性に依存することが判明した。

  • Letter: 流動性知能は言語システムではなくマルチデマンドのシステムによって支えられている

    Fluid intelligence is supported by the multiple-demand system not the language system

    doi: 10.1038/s41562-017-0282-3

    健康な対照者のfMRIデータを使って、脳内のマルチデマンド領域と言語選択的領域の確率地図を構築し、患者の脳損傷を分類した結果、マルチデマンドによって重みづけされた損傷の容積のみから流動性知能の欠損が予測されることが判明した。

  • Article: 民族間の相互作用が有益な場合における少数民族文化の持続可能性

    Sustainability of minority culture when inter-ethnic interaction is profitable

    doi: 10.1038/s41562-018-0306-7

    少数民族集団と多数民族集団の間の相互作用のモデルから、少数民族の成員は自由に行き来できるが、大きな力をもつ多数派の成員にはそれができないような境界を両集団の間に築くことで、少数民族の文化的な慣習を均質化から守れることが明らかとなった。

  • Article: バイアス-バリアンスのトレードオフは予測不能な環境でのオンライン学習にみられる個人差を左右する

    A bias-variance trade-off governs individual differences in on-line learning in an unpredictable environment

    doi: 10.1038/s41562-018-0297-4

    ノイズを含む証拠からの学習にみられる個人差には、最適な推計を近似するサンプリング・アルゴリズムを用いるモデルによって最もうまく説明できるようなバイアス-バリアンスのトレードオフが関与していることが明らかとなった。

  • Article: 想像上の発声は音の大きさの知覚に影響する

    Imagined speech influences perceived loudness of sound

    doi: 10.1038/s41562-018-0305-8

    心象-知覚パラダイムを用いることで、想像上の発声が音の大きさの知覚に影響を及ぼすことが判明した。初期の神経反応は、外部刺激がなくても音の大きさの評価と相関することも明らかとなった。

2018年2月

  • Letter: 英国バイオバンクのデータにおける教育と健康転帰との因果関係

    The causal effects of education on health outcomes in the UK Biobank

    doi: 10.1038/s41562-017-0279-y

    1972年の学業終了の最低年齢の引き上げを自然実験として、学業の継続と健康との因果関係が調べられた。英国バイオバンクの大規模データから、学業の継続が糖尿病のリスクと死亡率を低下させることが判明した。

  • Letter: 少人数の議論から集められた知識は群衆の知恵より優れている

    Aggregated knowledge from a small number of debates outperforms the wisdom of large crowds

    doi: 10.1038/s41562-017-0273-4

    集合知から得られる答えは個人の判断よりも優れていることが多い。群衆を多数の小規模な討議グループに分ける大規模実験の結果、個々の答えの平均よりも正確な答えが得られた。

  • Article: ソーシャルネットワークの中に隠れる個人とコミュニティー

    Hiding individuals and communities in a social network

    doi: 10.1038/s41562-017-0290-3

    ソーシャルネットワークのつながりの簡単な変更により、インターネット上の個人やコミュニティーが標準的なソーシャルネットワーク解析ツールによる検出を逃れられることが示された。

  • Article: 機能と解剖学的ネットワークとの整合は認知の柔軟性と相関する

    Functional alignment with anatomical networks is associated with cognitive flexibility

    doi: 10.1038/s41562-017-0260-9

    fMRIシグナルが、その基盤となる解剖学的ネットワークに対応しているか否かをグラフ信号処理によって調べた結果、機能シグナルと解剖学的構造との整合が、認知柔軟性の大きさと相関していることが明らかとなった。

2018年1月

  • Letter: 3つの大規模自然実験における内なる群衆の知恵

    The wisdom of the inner crowd in three large natural experiments

    doi: 10.1038/s41562-017-0247-6

    現実社会で実施された大規模な推定コンテストのデータを用いて、同一人物が何度も推定を行った結果を集計した場合に精度が向上するか否かが検証された。その結果、推定の精度は向上するものの、別々の人の推定の結果を集計する場合に比べて、その幅はかなり小さいことが判明した。

  • Letter: 経頭蓋磁気刺激による音楽的報酬感受性の亢進・低下の調節

    Modulating musical reward sensitivity up and down with transcranial magnetic stimulation

    doi: 10.1038/s41562-017-0241-z

    音楽を聴いている参加者の脳の前頭線条体路を交互に興奮させたり阻害したりすることで、この系が音楽に対する情緒的反応と動機付け反応の両方に介在するという証拠が得られた。

  • Letter: 世界における幸福感、収入の充足、ターニングポイント

    Happiness, income satiation and turning points around the world

    doi: 10.1038/s41562-017-0277-0

    ギャラップ社による世界世論調査「ギャラップワールドポール」のデータの解析から、幸福感は収入の上昇とともに無制限に高まるわけではないことが判明した。世界的に、生活満足度に関しては約95,000米国ドルで、情緒的幸福に関しては60,000~75,000米国ドルで「収入の充足」がみられる。

  • Letter: 魔法使いというレッテルによって構造化される集団

    Population structured by witchcraft beliefs

    doi: 10.1038/s41562-017-0271-6

    現地実験およびネットワークデータから、中国南西部の村落の大規模ネットワークでは、「魔法使い(zhu)」であるというレッテルが、労働の分担や結婚に影響を及ぼしていることが明らかとなった。このレッテルは向社会性の指標ではなく、ライバルをいじめたり傷つけたりする役割を果たしている可能性がある。

  • Article: 就学前小児とチンパンジーは反社会的な他者が罰を受けるのを見るためにコストを負う

    Preschool children and chimpanzees incur costs to watch punishment of antisocial others

    doi: 10.1038/s41562-017-0264-5

    チンパンジーと6歳児は、罰を受けるに値する反社会的な他者が罰せられる状況を見るために自ら進んでコストを負うことが明らかとなった。この結果は、チンパンジーにも6歳児にも、正当な罰が下されるところを見たいという動機があることを示唆している。

  • Article: 乳児は左脳半球ではなく右脳半球で他者の顔を識別する

    Right but not left hemispheric discrimination of faces in infancy

    doi: 10.1038/s41562-017-0249-4

    顔識別課題遂行中の磁気共鳴画像法および脳波記録から、生後半年以内の乳児では、脳梁が左右の脳半球の間で視覚情報をやり取りするのに十分なだけ成熟しているにもかかわらず、顔処理に片側化がみられることが判明した。

  • Article: ヒトの前頭前野における持続的な神経活動は知覚と行動を結びつける

    Persistent neuronal activity in human prefrontal cortex links perception and action

    doi: 10.1038/s41562-017-0267-2

    多様な行動課題中のてんかん患者の頭蓋内記録から、ヒトの脳が、前頭前野ならびにこれと機能的に連結した脳領域での持続的な神経活動を介して知覚と行動を関連づけていることが、時間・空間的に極めて詳細に明らかとなった。

2017年12月

  • Perspective: 3つの現代的な研究プログラムにおける文化社会学と認知心理学の橋渡し

    Bridging cultural sociology and cognitive psychology in three contemporary research programmes

    doi: 10.1038/s41562-017-0242-y

    認知的な帯域幅、道徳判断の二重過程、潜在的連合という3つの現代的な認知心理学研究において、行為者が様々な社会的状況で用いる文化的なスキーマ、枠組み、ナラティブ、スクリプト、境界によって定義される「文化的レパートリー」を考慮することが提案される。

  • Letter: 道徳的価値観とワクチン接種への躊躇との関連

    Association of moral values with vaccine hesitancy

    doi: 10.1038/s41562-017-0256-5

    米国の親たちの大規模コホートを対象とした2つの調査で、純粋さと自由という道徳的価値観に関わる懸念が、ワクチン接種への躊躇と強く関連することが明らかとなった。この結果は、予防接種を呼びかける運動において、純粋さと自由に訴えかけることで、運動の効果が高まる可能性があることを示唆する。

  • Letter: 言語知識の増大は多次元的情動表現の発達をもたらす

    Increasing verbal knowledge mediates development of multidimensional emotion representations

    doi: 10.1038/s41562-017-0238-7

    情動概念の表現は、小児期には正負の方向性を示す感情価に一次元的に集中し、成人期には多次元的に組織化されていることが明らかになった。情動表現の発達は、言語知識の増大によって促される。

  • Letter: 地域の気温は性格と関連する

    Regional ambient temperature is associated with human personality

    doi: 10.1038/s41562-017-0240-0

    性格特性は地理的地域によって異なり、環境因子の影響が示唆されているが、中国と米国で実施された2つの大規模な研究により、地域の気温と性格が関連することが判明した。

2017年11月

  • Perspective: ストレス関連障害と闘う戦略としてのレジリエンスの枠組み

    The resilience framework as a strategy to combat stress-related disorders

    doi: 10.1038/s41562-017-0200-8

    ストレス関連障害の高い有病率を減らす取り組みは過去数十年にわたって失敗が続いており、別の研究戦略を探る気運が高まっている。多くの人は心理的または肉体的な逆境にさらされても心の健康を保っており、この現象はレジリエンスと呼ばれる。レジリエンス研究では、ストレス関連障害の病態生理の解明は目指さず、障害の発生を防ぐ防御機構に焦点を当て、その知見をいかして治療法と予防法を改良しようとする。レジリエンス研究の可能性を十分に引き出すためには、現在のレジリエンス研究の基本概念および主要な手法を批判的に評価する必要がある。本総説では、レジリエンス研究上の課題について述べ、レジリエンス研究をより良いものにするために概念上および方法論上の具体的な提案をする。最も重要なのは、前向き縦断研究でみられるストレス要因に対する適応成功の動的過程に研究を集中させることである。

  • Letter: 150万件の医学論文の解析から論文著者のジェンダーと研究における社会的・生物学的性差への注目との関連が明らかに

    One and a half million medical papers reveal a link between author gender and attention to gender and sex analysis

    doi: 10.1038/s41562-017-0235-x

    医学研究論文の大規模データベースの解析から、論文著者に女性が含まれていることと、その研究に社会的および生物学的な性差に関する分析が含まれていることとの間に相関関係があることが明らかとなった。

  • Article: 消費者向け直接広告における文意の希釈がもたらす予想外の影響

    The unintended consequences of argument dilution in direct-to-consumer drug advertisements

    doi: 10.1038/s41562-017-0223-1

    医薬品の消費者向け直接広告には、重篤な副作用だけでなく高頻度で現れる副作用も記載することが求められている。この慣行が、副作用の全般的な重症度に関する消費者の判断を鈍らせていることが明らかとなった。

  • Article: リスク選好性研究の難しさ

    The risk elicitation puzzle

    doi: 10.1038/s41562-017-0219-x

    リスクの選好性は、異なる行動誘導法を用いて測定すると異なる結果になることが明らかとなり、単一の行動誘導法を用いて矛盾なく測定できるとする従来の考え方に疑問が投げかけられた。

  • Article: 自信の特異性

    The idiosyncratic nature of confidence

    doi: 10.1038/s41562-017-0215-1

    行動実験とコンピューターモデリングを用いて、自信の個人差が系統的に記述された。

  • Article: ドーパミン報酬系は社会的選好のジェンダー差の基礎になる

    The dopaminergic reward system underpins gender differences in social preferences

    doi: 10.1038/s41562-017-0226-y

    女性は男性より社会的な行動をとることが多い。薬物および神経イメージングを用いた研究の結果、社会的な報酬に対する女性の神経報酬系の感受性は男性より高い傾向があり、この性差の神経生物学的な説明となることが判明した。

2017年10月

  • Perspective: 言語、心、脳

    Language, mind and brain

    doi: 10.1038/s41562-017-0184-4

    「言語とは、階層的に構造化された無数の表現を生み出す、生物学的に決定された計算機構である」という定義と齟齬をきたさない、言語の神経構造に関する見解が概説される。

  • Letter: クレオール言語の出現中でも文法は確実に伝達される

    Grammars are robustly transmitted even during the emergence of creole languages

    doi: 10.1038/s41562-017-0192-4

    クレオール言語どうしは非常によく似ている。この類似性は非クレオール言語の形成と同じ過程によって説明可能であり、違いは、クレオール言語が2つ以上の言語に由来する点にあることがわかった。

  • Letter: 先行対処的な警察活動を控えることで重大犯罪が減る可能性を示す証拠

    Evidence that curtailing proactive policing can reduce major crime

    doi: 10.1038/s41562-017-0211-5

    ニューヨーク市警察が2014年に先行対処的な警察活動を控えたことを自然実験として用いることで、この期間中とその後に市民による重大犯罪の申し立てが減少したことが明らかとなり、先行対処的な警察活動をめぐるこれまでの研究に疑問が投げかけられた。

  • Letter: 基準率の侵入」による統計的に不正確で倫理的に不正な判断

    Statistically inaccurate and morally unfair judgements via base rate intrusion

    doi: 10.1038/s41562-017-0218-y

    人々が個人について判断を下す際には、それが統計的に不適切なものであっても、社会的な基準率に系統的に頼っていることがわかった。「基準率の侵入」によるこのバイアスを除去するためには複数の解決策が求められる。

  • Letter: 意味地図が明らかにする情景中の注意の意味に基づく誘導

    Meaning-based guidance of attention in scenes as revealed by meaning maps

    doi: 10.1038/s41562-017-0208-0

    複雑な情景の解釈には、視覚情報の選択的なフィルタリングが必要である。「意味地図」を用いた研究から、情景中の視覚注意を主に導くのは顕著な特徴ではなく意味であることが明らかになった。

  • Article: 経済的不平等に対する脳の反応パターンから現在および未来のうつ病傾向を予測する

    Brain response patterns to economic inequity predict present and future depression indices

    doi: 10.1038/s41562-017-0207-1

    機能的磁気共鳴画像法、経済ゲーム、抑うつの自己報告を組み合わせた研究により、不平等によって誘発される扁桃体と海馬の脳活動から、現在と未来のうつ病傾向を予測できることが判明した。

  • Article: 7つの集団間の異質性による「隠れた遺伝率」

    Hidden heritability due to heterogeneity across seven populations

    doi: 10.1038/s41562-017-0195-1

    7つの集団から得られた全ゲノムデータのメガ解析から、学業達成度と生殖行動に関してかなり大きな「隠れた遺伝率」の存在が明らかとなり、複雑な形質における試料特異的な遺伝子-環境相互作用の重要性が判明した。

2017年9月

  • Review Article: 人生における個人の価値観

    Personal values in human life

    doi: 10.1038/s41562-017-0185-3

    個人の価値観に関する研究の20年間を振り返る。自己申告された価値観は主観的なものではあるが、そこから様々な態度や好みを予測することができ、ヒトの行動に関する貴重な洞察が得られる。

  • Letter: 世界の地下水管理における社会的転換点

    Social tipping points in global groundwater management

    doi: 10.1038/s41562-017-0181-7

    世界の地下水資源は過剰な汲み上げによって危機的な状況にある。協力・集団行動理論を組み入れたエージェント・ベース・モデルは、地下水枯渇の危機に直面する3地域につき、地下水資源保全に対する社会的態度の転換点を明らかにした。

  • Letter: 互恵性と共有財の維持・提供の悲劇

    Reciprocity and the tragedies of maintaining and providing the commons

    doi: 10.1038/s41562-017-0191-5

    新たな公共財を提供するときよりも既存の公共財を維持するときのほうが高い確率で低レベルの協力(「共有地の悲劇」)がみられる傾向があり、インセンティブが同じであってもこの傾向に変わりはないことが、実験とシミュレーションによって示された。

  • Article: 教師なし深層学習と自然画像の特徴の再利用から文字知覚が現れる

    Letter perception emerges from unsupervised deep learning and recycling of natural image features

    doi: 10.1038/s41562-017-0186-2

    文字知覚の計算モデルが深層学習に基づいて開発され、自然の光景から抽出される領域一般的な視覚知識が、印刷文字などの領域特異的な文化的人工物の学習に再利用されることが示された。

  • Article: 経済発展における伝染性の崩壊と複雑性の罠

    Contagious disruptions and complexity traps in economic development

    doi: 10.1038/s41562-017-0190-6

    サプライチェーンの崩壊が経済全体に伝染的に広がる仕組みが明らかにされた。頻繁に起こる崩壊への適応は「貧困の罠」の出現につながる可能性がある。「ビッグプッシュ」式の経済発展政策との関係についても論じられる。

  • Article: 「献身的な行為者」の戦いへの意欲と紛争の精神的次元

    The devoted actor’s will to fight and the spiritual dimension of human conflict

    doi: 10.1038/s41562-017-0193-3

    前線の兵士と非戦闘員を対象とした研究から、集団間の紛争において戦って死ぬことへの意欲が、物質的な関心事を犠牲にした神聖な価値の優先や、内集団および敵の精神的な強さの認識と相関していることが判明した。

  • Article: ヒトの強化学習における後続表現(successor representation)

    The successor representation in human reinforcement learning

    doi: 10.1038/s41562-017-0180-8

    計算学習メカニズムとしては、速いが柔軟性を欠く「モデルフリー」システムと柔軟性はあるが遅い「モデルベース」システムが有力だが、その中間形である「後続表現(successor representation)」が定式化され、有効性の証拠が示された。

2017年8月

  • Letter: 直観と熟考が協力に果たす役割に関する一般的な進化的枠組み

    A general evolutionary framework for the role of intuition and deliberation in cooperation

    doi: 10.1038/s41562-017-0152

    熟考のコストが変動するモデルでは、戦略的無知やベイズ学習を含む一連の協力戦略から、二重過程的非協力者(直観的には非協力的だが、熟考により協力を選択する可能性がある)が進化しうる。

  • Letter: 皮質線条体の機能的結合の局在からヒトの目的指向行動を予測する

    Functional corticostriatal connection topographies predict goal-directed behaviour in humans

    doi: 10.1038/s41562-017-0146

    安静時fMRIを用いて推定されたヒトの線条体結合の局在は、霊長類での結合追跡研究で推定された結果と合致していることが明らかになった。結合の個人差は、複数の目的指向行動の予測指標となる。

  • Letter: ドーパミン作動薬はパーキンソン病患者における最新の感覚情報への信頼を高める

    Dopaminergic medication increases reliance on current information in Parkinson’s disease

    doi: 10.1038/s41562-017-0129

    神経伝達物質のドーパミンとパーキンソン病は、不確実な状況下での意思決定にどのように影響を及ぼすのだろうか? パーキンソン病患者で不足し、その治療に用いられるドーパミンは、意思決定の際に新規情報と既知情報のどちらを重視するかに影響を及ぼすことが明らかになった。

  • Resource: 環境を変化させて人々の行動を変化させる介入の類型学

    The TIPPME intervention typology for changing environments to change behaviour

    doi: 10.1038/s41562-017-0140

    食品、アルコール、タバコの選択、購入、消費に関する介入をTIPPMEという枠組みにより分類することで、健康関連行動を変容させる介入の系統的な報告と解析が可能になる。

2017年7月

  • Letter: ヨーロッパ人は亡命希望者の比例的な割当を支持する

    Europeans support a proportional allocation of asylum seekers

    doi: 10.1038/s41562-017-0133

    欧州諸国は亡命希望者をどのように分担するべきか? 現行制度では、EU域内に来た難民は最初に入った国で難民申請をすることになっているが、ヨーロッパ人の大半は、各国の受け入れ能力に応じて申請希望者を分担することを支持している。

  • Letter: 注意の限界と質の悪い情報のネット上での拡散

    Limited individual attention and online virality of low-quality information

    doi: 10.1038/s41562-017-0132

    質の悪い情報がネット上で急激に拡散するのはなぜか? ネット上のソーシャル・メデイアのモデルから、情報負荷が高く注意に限界がある現実の状況下では、情報はその質の高低を問わずほぼ等しく拡散する可能性があることが明らかとなった。

  • Letter: 行動学的政策介入を政治と関連づけるのは不適切

    On the misplaced politics of behavioural policy interventions

    doi: 10.1038/s41562-017-0130

    党派的なフレーミングは行動学的政策介入の倫理性の評価に影響を及ぼすが、米国の成人も実際の政策立案者も、党派に関わる情報を除去した「ナッジ」をよく受け入れることが判明した。

  • Letter: 協力関係の腐敗と反腐敗戦略が裏目に出るとき

    Corrupting cooperation and how anti-corruption strategies may backfire

    doi: 10.1038/s41562-017-0138

    腐敗のコスト、原因、解決法をモデル化した実験により、反腐敗戦略がときに逆効果となる場合があることが示された。

  • Letter: 自分の努力で他者を助ける向社会的行動への無関心

    Prosocial apathy for helping others when effort is required

    doi: 10.1038/s41562-017-0131

    ヒトは、報酬が自らのものになる場合と他者に渡る場合に、自分が努力をするか否かをどのように選択するのだろうか?現実的な努力課題と計算モデルを用いた研究から、他者のために働こうとする動機付けは小さいことが判明した。

2017年6月

  • Perspective: 脳の制御と心の制御

    Mind control as a guide for the mind

    doi: 10.1038/s41562-017-0119

    工学の一分野であるネットワーク制御理論は、認知障害の治療や知能の向上のために心の状態を調節する方法の開発に役立つ可能性がある。

  • Letter: テロリストにみられる結果指向の道徳的評価

    Outcome-oriented moral evaluation in terrorists

    doi: 10.1038/s41562-017-0118

    通常、特定の行為が道徳的に許容されるか否かは意図と結果を考え合わせることによって判断されるが、コロンビア人の武装テロリストを対象とした道徳的判断および社会認知プロファイルの評価から、テロリストの道徳律では行為の結果が異常に重視されていることが明らかとなった。

  • Letter: 集団の意思決定における確信度のマッチング

    Confidence matching in group decision-making

    doi: 10.1038/s41562-017-0117

    文化的に異なる状況(英国とイラン)で得られた行動データおよびコンピューターモデルから、2人1組で意思決定を行う際には、互いの意見を結びつけるために確信度のマッチングの経験則が用いられていることがわかった。

  • Letter: 睡眠中の運動記憶固定における2つの強化メカニズム

    Dual enhancement mechanisms for overnight motor memory consolidation

    doi: 10.1038/s41562-017-0111

    運動技能の記憶は睡眠中に固定されて強化される。「オフライン」の記憶改善を支える神経回路は、記憶の獲得様式(暗黙的学習または明示的学習)によって異なることが明らかとなった。

  • Letter: 前期石器時代の道具製作の基盤となる機能的脳内ネットワーク

    The functional brain networks that underlie Early Stone Age tool manufacture

    doi: 10.1038/s41562-017-0102

    アシュール文化の石器製作技術が出現したのは175万年前のことだが、同じ時期に初期人類の認知能力の変化が起きていた可能性がある。機能的近赤外分光法による神経イメージングから、現代人がアシュール石器を製作する際には、ピアノの演奏などにかかわる脳内ネットワークを用いていることがわかった。

  • Article: 覚醒と関連した知覚バイアスの調節は動的環境における知覚を最適化する

    Arousal-related adjustments of perceptual biases optimize perception in dynamic environments

    doi: 10.1038/s41562-017-0107

    事前の予測は知覚にどのような影響を及ぼすのだろうか? このほど、動的環境における知覚バイアスの調節には覚醒が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。覚醒は、予測可能な環境では事前の予測からの知覚バイアスを大きくし、予測不可能な環境では知覚バイアスを小さくしていた。

2017年5月

  • Perspective: ヒトの行動研究と多様性

    Systems of (non-)diversity

    doi: 10.1038/s41562-017-0088

    ヒトの行動研究の目標は、ヒトのあらゆる種類の行動を同定し、理解することにあるが、研究対象、研究手法、研究者の多様性の欠如は、研究の土台を崩壊させる。多様性を欠くシステムは、ヒトの行動研究という科学を危うくする恐れがある。

  • Letter: 気候変動はヒトの身体活動パターンを変える可能性がある

    Climate change may alter human physical activity patterns

    doi: 10.1038/s41562-017-0097

    2002~2012年における米国居住者190万人の身体活動への参加に関するデータを、日々の気温データと組み合わせた結果、このまま温暖化が進んだ場合、将来の身体活動パターンが変化する可能性があることが明らかになった。

  • Letter: 友人の死後におけるソーシャルネットワーク上のつながりの回復

    Connective recovery in social networks after the death of a friend

    doi: 10.1038/s41562-017-0092

    フェイスブック上の15000のネットワークの解析から、インターネット上のソーシャルネットワークは、メンバーの死から立ち直ることが判明し、メンバーの死後に友人間の交流が増加し、何年も安定して続くことがわかった。

  • Letter: 極端な利他主義における社会的割引および社会的距離の認識

    Social discounting and distance perceptions in costly altruism

    doi: 10.1038/s41562-017-0100

    赤の他人を助けるために大きなコストを負担する「極端な利他主義者」は、他人との社会的距離を誤解しているのではなく、遠く隔たった人の幸福を主観的に高く評価していることが明らかになった。

  • Letter: 社会ネットワーク上の位置付けの自発的な神経符号化

    Spontaneous neural encoding of social network position

    doi: 10.1038/s41562-017-0072

    社会ネットワーク解析とfMRIデータのマルチボクセル・パターン解析を組み合わせることにより、ヒトの脳は、ネットワーク内の相手との社会的距離、相手の固有ベクトル中心性、相手がネットワーク構成員間の結びつきをどの程度仲介するかを、自発的に符号化していることが判明した。

  • Article: 幸せな記憶の想起は急性ストレス反応を緩和する

    Reminiscing about positive memories buffers acute stress responses

    doi: 10.1038/s41562-017-0093

    肯定的な内容の記憶の想起は、ストレス反応を和らげるだけでなく、報酬を処理する皮質線条体回路の活性化と相関していることが明らかとなった。幸せな記憶の回想はストレス耐性を高める可能性がある。

  • Article: ヒトにおけるアロスタシスおよび内受容感覚を支える大規模脳システムの存在を示す証拠

    Evidence for a large-scale brain system supporting allostasis and interoception in humans

    doi: 10.1038/s41562-017-0069

    サルおよびヒトで得られたデータの解析から、内受容感覚(体内から湧き起こる感覚)およびアロスタシス(脳が身体内のエネルギー調節を維持するプロセス)を支える脳内システムが見つかった。

2017年4月

2017年3月

  • Review Article: 視覚探索中に注意を誘導する5つの因子

    Five factors that guide attention in visual search

    doi: 10.1038/s41562-017-0058

    ヒトは自分が探しているものをどのようにして見つけているのか? 視覚探索中の注意を誘導する5つの因子について論じる。

  • Letter: インド南部農村地域における社会的支援ネットワークと信仰心

    Social support networks and religiosity in rural South India

    doi: 10.1038/s41562-017-0057

    インドの農村部で収集した詳細な民族誌的データから、向社会的宗教行為をする人は、社会的ネットワークの構成員から向社会的な人と認識される結果、より大きな社会的支援を受けられることが明らかとなった。

  • Letter: ワクチン普及活動において集団免疫について説明するとよい理由

    On the benefits of explaining herd immunity in vaccine advocacy

    doi: 10.1038/s41562-017-0056

    集団的利益を重視する文化圏ではワクチン接種への意欲が高いことが明らかとなった。向社会的傾向の乏しい文化圏では、集団免疫の概念を伝えることがワクチン接種への意欲を高める。

  • Letter: 賢明な熟慮が協力関係を維持する

    Wise deliberation sustains cooperation

    doi: 10.1038/s41562-017-0061

    経済ゲームで熟慮する時間が与えられると、参加者は非協力的になっていく。参加者を第三者的視点に立たせることで、利己的な目的に向かっていた意識を共通の目的に向かわせ、協力関係を維持させることができる。

  • Letter: 身体的相互作用をするパートナーは相手の運動の目的を推定してその運動を促す

    Physically interacting individuals estimate the partner’s goal to enhance their movements

    doi: 10.1038/s41562-017-0054

    2人のヒトが接触を介して運動を学習していくしくみについてのモデルを提案する。このモデルを組み込んだロボットをパートナーにした場合も、参加者は同じように学習することができた。この結果は、身体介助ロボットを開発するうえで重要である。

  • Article: ヒトの意味的知識とその障害の統合モデル

    A unified model of human semantic knowledge and its disorders

    doi: 10.1038/s41562-016-0039

    意味表象については、個別のシステムが多様なものごとを表象するという領域特異的な説明と、あらゆる種類の知識が1つのネットワークにコードされるという領域一般的な説明があるが、この2つを統合する神経基盤モデルが構築された。

  • Article: 脳卒中回復期の行動クラスターと能力の予測因子

    Behavioural clusters and predictors of performance during recovery from stroke

    doi: 10.1038/s41562-016-0038

    脳卒中患者の大規模コホートから12か月にわたって収集したデータから、大半の回復が3か月以内に起こることと、当初の障害の重症度と患者の教育レベルからそれが予測されることが判明した。

2017年2月

  • Review Article: 公正さの発達的基盤

    The developmental foundations of human fairness

    doi: 10.1038/s41562-016-0042

    小児における公正な行動の発達に関する最近の行動学・神経科学的証拠の総合的な検討から、ヒトの公正さを示す特徴は乳児期に現れることがわかった。

  • Letter: 経済的不安定と米国の学校における銃による暴力の増加

    Economic insecurity and the rise in gun violence at US schools

    doi: 10.1038/s41562-016-0040

    1990~2013年の米国の学校における銃による暴力事件を解析した結果、発生率が最も高いのは2007~2013年であったことが判明した。経済危機の諸指標は、銃による暴力の発生件数の増加と有意に相関していた。

  • Letter: 狩猟採取民のネットワークの評価と累積文化への影響

    Characterization of hunter-gatherer networks and implications for cumulative culture

    doi: 10.1038/s41562-016-0043

    狩猟採集民の社会的相互作用を追跡する無線センサーが開発され、コンゴ共和国とフィリピンの狩猟採集民では、血縁関係のない家族間を結びつける少数の強固な友人関係が、より効率的な社会的ネットワークを形作ることが明らかとなった。

  • Letter: 前言語期の乳児は攻撃者から被害者を守る第三者の介入を肯定する

    Preverbal infants affirm third-party interventions that protect victims from aggressors

    doi: 10.1038/s41562-016-0037

    6つの実験から、生後わずか6か月の乳児が、攻撃者から被害者を守る第三者の介入を肯定することが明らかとなった。ヒトはこうした行為を重視するが、今回の実験は、前言語期の乳児の心にまでその起源を辿れることを示唆している。

  • Letter: ヒト連合野における数量性に関する神経地図のネットワーク

    A network of topographic numerosity maps in human association cortex

    doi: 10.1038/s41562-016-0036

    超高磁場機能的磁気共鳴画像法を用いてヒトの脳を調べたところ、連合野内の大きく離れた6か所に数量性(集合中のものの数の知覚)をコードする神経地図が見つかった。

  • Article: 知覚学習はヒトの意思決定における知覚後処理を変える

    Perceptual learning alters post-sensory processing in human decision-making

    doi: 10.1038/s41562-016-0035

    知覚学習課題の訓練後にヒトの知覚感受性が改善するのは、初期の知覚情報処理が速くなるからではなく、知覚後の後期の意思決定処理が速くなるからであることが明らかとなった。

2017年1月

  • Perspective: 社会科学は結果主義になるべきか?

    Should social science be more solution-oriented?

    doi: 10.1038/s41562-016-0015

    Duncan Wattsは、社会科学の諸分野が具体的で扱いやすい実社会の問題を研究目的とすることの利点について考察し、解決策を重視する社会科学の例を挙げ、その有効性を論じる。

  • Perspective: 「再現可能な科学」のためのマニフェスト OPEN

    A manifesto for reproducible science

    doi: 10.1038/s41562-016-0021

    再現性をめぐる議論をリードする研究者たちは、科学的プロセスの鍵となる要素を最適化できるような方策の採用を求めている。

  • Letter: 都市現象の発生頻度、スケーリング、差異を説明する

    Explaining the prevalence, scaling and variance of urban phenomena

    doi: 10.1038/s41562-016-0012

    Gomez-Lievanoらは、経済複雑性と文化進化のモデルを統合することにより、学歴の分布や犯罪の発生率などの都市現象が人口規模に伴ってどのように変化するかという「都市のスケーリング」の新たな理論を提唱する。

  • Letter: ヒトにおける同類婚の遺伝学的証拠

    Genetic evidence of assortative mating in humans

    doi: 10.1038/s41562-016-0016

    一塩基多型の全ゲノムデータおよび全ゲノム関連解析の結果を用いた研究により、ヒトが自分と似た表現型形質をもつ相手との結婚を好むことには遺伝学的な原因と結果があることが明らかとなった。

2016年12月

  • Article: 成人後に経済的負担となる少人数の集団を小児期に予測する

    Childhood forecasting of a small segment of the population with large economic burden

    doi: 10.1038/s41562-016-0005

    40年におよぶ出生コホート研究から得られたデータを複数の行政データベースと結びつけることで、人口の20%が経済的負担の約80%の原因となることが明らかとなった。注目すべきは、この集団が3歳の時点から高い精度で予想できることである。

  • Letter: 視覚空間の知覚を調節する注意

    Attention modulates perception of visual space

    doi: 10.1038/s41562-016-0004

    3次元空間内での視覚による定位のアンカリングに注意が重要な役割を果たすことが明らかになった。注意の効果が、見えている地面に左右されるという発見は、陸上生物であるヒトの視覚系が、その生態学的ニッチによって支えられていることを示唆する。

  • Letter: 音楽の進化の実験から見えてきたリズムの普遍性

    Musical evolution in the lab exhibits rhythmic universals

    doi: 10.1038/s41562-016-0007

    ランダムに生成したドラム音のシークエンスを実験参加者が耳で聞いて真似し、次の人に伝えていく実験から、ランダムなシークエンスが、ワールドミュージックにみられる6つの統計的な普遍的特性を備えた、リズミカルに構造化されたパターンへと変換されていくことが明らかになった。

2016年11月

  • Article: 確信の明示的表現は将来の価値に基づく意思決定のための情報になる

    Explicit representation of confidence informs future value-based decisions

    doi: 10.1038/s41562-016-0002

    人間は選択を行うたびに、その選択に対する確信の明示的表現を保持している。視線追跡および行動測定の結果、意思決定に対する確信のなさを追跡することが将来の行動を導くのに役立つことがわかった。

  • Letter: 恐怖対象への意識的な暴露を伴わない脳活動の強化学習による恐怖反応緩和

    Fear reduction without fear through reinforcement of neural activity that bypasses conscious exposure

    doi: 10.1038/s41562-016-0006

    国際電気通信基礎技術研究所および情報通信研究機構の小泉愛研究員たちのグループは、恐怖条件付けされた刺激を表す視覚野の活動パターンを報酬と結び付けることで、恐怖対象を明示せずに、参加者に恐怖対象を見せたり、訓練の目的を気づかせることなく、恐怖反応を緩和できることを報告している。

  • Letter: 顔の評価は統計的学習により形成される

    Statistical learning shapes face evaluation

    doi: 10.1038/s41562-016-0001

    あらゆる顔は、環境中から抽出される顔の統計分布中に位置づけられる。顔にもとづく社会的推論(例えば、信用できそうな顔)は、この学習された分布中の統計的な位置から生じている。

  • Letter: 病原体の蔓延度は男女平等の文化的変化と関連する

    Pathogen prevalence is associated with cultural changes in gender equality

    doi: 10.1038/s41562-016-0003

    米国および英国における過去数十年間の病原体蔓延度の低下は、男女不平等の緩和と関連している。感染症の有病率の低下は男女不平等の緩和に先立って生じるため、両者の間には因果関係があることが示唆される。

プライバシーマーク制度