特別公開記事Free access
ヒトの生殖系列のゲノムを編集すべきでない
ヒトで世代を超えて伝わるような遺伝的改変は重大なリスクをもたらす一方で、その治療的利益はほんのわずかだとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。
太陽系の探査活動から、驚くべき報告が相次いでいる。中でも、土星の小さな衛星エンセラダスは2005年にカッシーニ探査機が撮影した画像から注目が集まり、最近では、この天体に熱を維持できる機構があることや水が存在することが報告されていた。さらに今回、東京大学の関根康人氏らは、原始的な生物であれば生育可能な環境があることを実験室での再現実験で証明し、Nature 2015年3月12日号に報告した。
ヒトで世代を超えて伝わるような遺伝的改変は重大なリスクをもたらす一方で、その治療的利益はほんのわずかだとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。
今後数年間のNASAのミッションでは、土星および木星の奥深くに分け入って探査が行われる。再決定された土星の自転周期が正しいかどうかも、この探査から明らかになるだろう。
化石からタンパク質を回収してアミノ酸配列を解読することで、DNAの回収が困難な古い年代の化石であっても解析できることが実証された。この手法は、理論的には数千万〜数百万年前の化石にも適用できることから、生物の系統分類学に革命をもたらすかもしれない。
103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギーの測定に初めて成功した。周期表上のローレンシウムの位置と周期表自体の構造をめぐる議論が再燃するかもしれない。
竜脚類ディプロドクス科の系統樹を見直した研究から、アパトサウルスと同種とされたジュラ紀の巨大草食恐竜ブロントサウルスに独立種であることを示す特徴が見いだされたという。
水を舌のように使うトビハゼの捕食方法から、初期の陸上動物が捕食のために舌を進化させてきた可能性が示された。
20世紀中の商業捕鯨頭数が初めて算定され、290万頭に上ることが分かった。総生物体量で見ると、人類史上最大の動物捕獲・駆除と考えられる。
糖尿病の長期的合併症の研究用に、大型動物のバイオバンクが設立された。入念に作製された多種多様な組織試料は、無料で利用できる。
湖の表面に薄い膜をはって水の蒸発を防ぐ技術が、干ばつに苦しむ米国に希望をもたらすかもしれない。
2015年は準惑星の年だ。NASAのドーンとニューホライズンズという2機の探査機が、太陽系で最大級の2つの岩石質小天体に初めて接近し、科学者にその姿を見せてくれるのだ。
米国の研究助成機関は、バイオベンチャーを起業するための助成金を受けた科学者を成功に導くために、シリコンバレーの起業家が主催するプログラムを受講させている。
ガリレオやカッシーニ、火星ローバーなどによる惑星探査が進み、地球と似た環境がかつて存在した火星、液体の現存する木星の衛星エウロパ、土星のタイタンなどで、生命存在の可能性が議論されてきた。一方で、見向きもされなかった土星の小さな衛星エンセラダスが、にわかに注目を集めている。原始的な微生物であれば、生息可能であることが分かってきたからだ。東京大学大学院理学系研究科の関根康人准教授は、国際的な研究チームの一員として実験室での再現実験を担当し、微生物を育める環境の存在を実証することに成功した。
膜に細い穴(細孔)を設けてその中に液体を満たし、この穴を圧力の制御によって可逆的に開閉させ、ある圧力で特定の流体だけを通過させるようにすることができた。こうした液体充填型のゲート機構を使えば、混じり合わない流体の混合物を、調節可能な形で分離できる。
抗腫瘍免疫応答を誘導する樹状細胞ワクチンは、がん患者の治療にはあまり有効ではなかったが、今回、ワクチン接種部位を前処置して炎症を誘発しておくと、このワクチンの効果が増強される可能性があることが分かった。
レンズ豆とは無縁の形に進化
植物は温度の記憶に基づいて最適時期に発芽する種子を作っている
Nature 2015年4/2〜4/30号のハイライトを掲載しています。
Nature ダイジェスト 2015年4月号を無料公開しています。
ぜひご覧ください。
主に手を取るのは寝る前と休憩時ですね。冊子版やスマートフォンでNature ダイジェスト の記事をみるのが日課になっています。
基本的には化学系の学生といえど、元々科学(サイエンス)が好きな子ばかりであると思うので、若い学生ほどよく読んでいる気がします。
平易な日本語で科学分野の最新情報が記載されていて、大変読みやすい。自分の専門分野以外の情報を短時間で得ることができる。
Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778