Nature ハイライト

古気候学:最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細

Nature 559, 7715

最終氷期極大期には、氷床は現在より広がっており、結果として、全球平均海水準は現在より100 m以上低かった。しかし、我々が有する最大氷河作用の記録は、未完全である。今回、横山祐典(東京大学ほか)たちは、グレートバリアリーフの大陸棚から得られたサンゴの記録と氷河性地殻均衡の調整のモデルを組み合わせて、125~130 mの低下という海水準の極小期の前に、海水準の約20 mの急激な低下とそれに続く約15 mの上昇があったことを示している。この知見は、ほぼ寒冷だった氷期における氷床の発達と海水準上昇の複雑な歴史を明らかにしている。

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