Article

エピジェネティクス:動物における雄性生殖細胞系列のエピジェネティックな待機状態と体細胞組織の発生の平行進化

Nature Genetics 48, 8 doi: 10.1038/ng.3591

遺伝子調節の変化は、進化の過程での形態の変化の原因となることが多く、進化時期のクロマチン状態の変化が、解剖学的構造や遺伝子発現の変化と結びつけられてきた。本論文では、生殖細胞におけるクロマチン状態の進化が、体細胞組織の発生を支配する遺伝子調節プログラムの進化とどのような関係にあるのかを調べる。哺乳類5種および鳥類1種の雄性生殖細胞において、エピジェネティックな待機状態(H3K4me3/H3K27me3のバイバレント)を調べた。その結果、複数の羊膜類種の生殖細胞で待機状態にあるコア遺伝子は、体細胞組織の発生を制御する転写階層構造の最上位に位置する、進化的に古い形態形成調節因子であることが分かった。そして、生殖細胞で待機状態を獲得している遺伝子は、種特異的な発生過程で、待機状態のコア遺伝子の下流で機能していることが分かった。我々は、動物の発生の重要な調節因子が、後生動物の進化の初期に羊膜類において、エピジェネティックに特別な状態、つまり、H3K4me3/H3K27me3の待機状態を生殖細胞で獲得したと提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度