特別公開記事Free access
ヒッグス粒子の発見と今後
ヒッグス粒子がとうとう発見された。しかし、この粒子のスピンの値を確定したり、約125GeVという質量と整合性のある理論を導いたり、解決しなければならない課題は山積みとなっている。
指向性の高いX線光源は、結晶構造解析など材料科学や分子科学にとって必須の道具だ。現在は、放射光施設や自由電子レーザーなど、数百億円以上の大型施設のX線光源が主役を演じている。しかし、今回、小型のX線ビーム光源が開発され、注目を集めている(Science 336, 1287-1291, 2012)。今回の装置は高次高調波発生の原理から得られたもので、小型ゆえに光量は少ないものの、大型光源より短いパルスがすでに実現し、高速の「動画」を撮影することができる。当面は、大型光源と併用することで、新たな知見が期待されている。
ヒッグス粒子がとうとう発見された。しかし、この粒子のスピンの値を確定したり、約125GeVという質量と整合性のある理論を導いたり、解決しなければならない課題は山積みとなっている。
電子メールを含め、研究について文書で議論している科学者は、いつ何時、その内容の公開を求められてもおかしくないことを覚悟すべきだ。
研究成果のオープンアクセス化という世界的な流れがある。しかし、誰がその費用を負担し、何が適正な費用で、誰に対して何を提供するのか、という点を明確にしなければならない。
激しい論争が続いていた、高濃度ヒ素下で生きる生物について、2組の研究チームが再試験を行い、その生存には通常どおりリンが必要なことがわかった。
暗黒物質のフィラメントが直接検出され、超銀河団に暗黒物質が存在することが確かめられた。
バッタを補食の危険にさらすと、ストレスで体内の化学組成が変化し、生態系全体の栄養循環にまで影響することが明らかになった。
ホウ素–ホウ素三重結合を持つ安定な化合物が合成され、有機エレクトロニクス材料分野で応用の可能性が。
がんは、生体に本来備わっている防御機構を回避する術を持っている。この回避機構を阻害する抗体を用いた治療により、これまでの免疫療法を上回る治療効果が得られた。
英国のSPICE研究コンソーシアムが、特許問題から太陽光反射野外試験を中止に。
コンパクトなX線ビーム光源が開発された。遠くない将来、超高速の化学反応なども、小さな研究室で手軽に調べられるようになる。
新しいオープンアクセスジャーナルPeerJは、数多く提案されている出版モデルの1つを実践しようとしている。終身会費を支払えば何度でも論文を投稿し、出版できるというのだ。
意思伝達が不可能とされてきた植物状態の患者と、脳スキャン技術を使ってコミュニケーションをとる方法が見つかった。これを発見した神経科学者Adrian Owenは今、この手法を臨床現場に導入しようと奮闘している。
ブレードが高速回転する風力発電所は、周辺を飛ぶ鳥やコウモリにとって重大な脅威となっている。野生生物が安全に世界の空を飛べるようにするには、何をどうすればよいのだろうか。
市民の協力の下で行われる研究では、事前にインフォームド・コンセントを得る必要がある。しかし、研究データの用途が広がるにつれ、当初想定していなかった目的での利用が増え、協力者との間でトラブルになるケースが増えてきている。インフォームド・コンセントのあり方は転機を迎えているのだ。
気管、卵管の表面は、上皮細胞で覆われ、一面に繊毛が生えている。たくさんの繊毛は協調して同一の動き方をし、バケツリレー式にものを運ぶ。異物の除去や、卵子の運搬移動がそうだ。世界的な上皮細胞研究者、月田早智子・大阪大学教授は、そうした繊毛の協調運動の解明に取り組んでいる。
免疫反応を引き起こす植物ホルモンであるサリチル酸の受容体が2種類発見された。これらの受容体は、サリチル酸に対する親和性が異なっており、サリチル酸はこの親和性の違いを利用して、感染部位と非感染部位の細胞の生死を制御しているようだ。
非常に遠方にあるらしい、サブミリ波長(1mm未満)で明るく輝いている銀河の分光観測が行われ、ビッグバンからわずか10億年ほどの、生まれたばかりの銀河団の中心部にあることが明らかになった。
トマトの風味の決め手となる香り成分が特定された
携帯電話を充電できるようになるかも
Nature 2012年7/5〜7/26号のハイライトを掲載しています。
Nature ダイジェスト 2015年4月号を無料公開しています。
ぜひご覧ください。
主に手を取るのは寝る前と休憩時ですね。冊子版やスマートフォンでNature ダイジェスト の記事をみるのが日課になっています。
基本的には化学系の学生といえど、元々科学(サイエンス)が好きな子ばかりであると思うので、若い学生ほどよく読んでいる気がします。
平易な日本語で科学分野の最新情報が記載されていて、大変読みやすい。自分の専門分野以外の情報を短時間で得ることができる。
Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778