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人体の参照マップ

ヒトの組織や器官が適切に機能するには、人体を構成する数兆個の細胞が正確なパターンで配置されなければならない。ヒト生体分子アトラスプログラム(HuBMAP)1の目的は、ヒトの体ではどの組織にどのタイプの細胞が存在しているのかを明らかにし、さらに、いくつかの器官について細胞構成のマップを作製するために、研究者が必要としている技術を開発し、情報資源を作り出すことだ。こうしてHuBMAPは、健康と疾患におけるヒト組織構成の複雑さをさらに詳しく研究するためのツールを提供できる。このほど、HuBMAPにとって重要なステップとなる研究成果が、3つの研究チームによってNature 2023年7月20日号に報告された。ヒトの胎盤2(595ページ)、腸3(572ページ)、腎臓4(585ページ)の細胞の参照アトラスである。

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翻訳:三谷祐貴子

Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 10

DOI: 10.1038/ndigest.2023.231042

原文

Cell-level reference maps for the human body take shape
  • Nature (2023-07-20) | DOI: 10.1038/d41586-023-01817-0
  • Roser Vento-Tormo & Roser Vilarrasa-Blasi
  • 共にウェルカム・サンガー研究所(英国ヒンクストン)に所属。

参考文献

  1. HuBMAP Consortium. Nature 574, 187–192 (2019).
  2. Greenbaum, S. et al. Nature 619, 595–605 (2023).
  3. Hickey, J. W. et al. Nature 619, 572–584 (2023).
  4. Lake, B. B. et al. Nature 619, 585–594 (2023).
  5. Ståhl, P. L. et al. Science 353, 78–82 (2016).
  6. Rodriques, S. G. et al. Science 363, 1463–1467 (2019).
  7. Angelo, M. et al. Nature Med. 20, 436–442 (2014).
  8. Goltsev, Y. et al. Cell 174, 968–981 (2018).
  9. Arutyunyan, A. et al. Nature 616, 143–151 (2023).