2019年6月号Volume 16 Number 6

細胞内の秘密の会話

タイプの異なる細胞小器官同士が結合していることが30年前に報告された時、誰もが「何かの間違い」だと思った。だが、ライブイメージング技術の進歩で、異なる細胞小器官同士が結合して物資を交換する様子が捉えられるようになると、風向きが変わった。さらに最近では、細胞小器官同士をつなぐ繋留因子がさまざまな疾患と関連することも分かってきた。

Editorial

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統計的有意性に代わる概念とは何だろう。それを探る作業は科学をますます難しくすると思えるかもしれないが、偽陽性や大げさ過ぎる主張、影響の見落としを避けるために役立つ可能性がある。

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News in Japan

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1869年11月4日に創刊されたNature。だが今日の学術研究の世界は、論文の電子化やオープンサイエンスの進展、研究の大型化が進み、創刊当時とは全く違う景色となった。Nature が共に歩んできた研究コミュニティーは、これからのNature に何を求めているのか。分野を切り開いてきた4人の研究者に聞いた。

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News

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News Features

細胞の機能を担う働き手である細胞小器官同士は、科学者たちがこれまで考えていたよりもはるかに盛んに対話している。

これまで何十年間も、痛みを発生させる機序に性差はないと考えられてきたが、近年、性別によりその経路が異なっていることが分かってきた。

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News & Views

2種類の単原子層材料を重ね合わせて得られるモアレ超格子構造では、光学特性をねじれ角のみで変化させられることが4例の研究から明らかになり、こうした二次元ヘテロ構造が秘める大いなる可能性が示された。

殺虫剤を使った蚊の駆除はマラリアとの闘いに貢献してきたが、殺虫剤耐性が深刻化している。このほど、宿主である蚊をマラリア原虫を標的とする薬剤に曝露させる方法が考案され、モデル研究でその有効性が示唆された。

コウモリインフルエンザウイルスが宿主細胞に感染する仕組みはこれまで分かっていなかった。今回、このウイルスが、MHCクラスIIタンパク質という広範な生物種に存在する細胞受容体に結合することが明らかになり、ヒトに対する潜在的リスクの懸念が浮かび上がった。

ヒストンタンパク質の機能は、特定の化学基の付加や除去によって修飾され得る。今回、セロトニン分子の付加という新たなヒストン修飾が見つかった。この修飾も他のヒストン修飾と同様に、遺伝子発現に影響を及ぼすようだ。

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News Scan

シミュレーションを通じて歩き方を事前に学習した四足ロボット。

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