News & Views

「多孔性液体」が誕生!

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160235

原文:Nature (2015-11-12) | doi: 10.1038/527174a | Liquefied molecular holes

Michael Mastalerz

多孔性固体は化学工業では極めて有用な材料で、研究が盛んに行われてきたため、すでにさまざまな種類の多孔性材料が数多く開発されている。そこへ、液体でありながら永続的に空孔を維持することのできる画期的な新材料「多孔性液体」が加わることとなった。

図1:永続的多孔性液体の作り方
a 有機ケージ分子は、密集して多孔性固体結晶を形成する。
b ケージ分子に長いアルキル鎖を取り付けると、分子同士の相互作用が減るため、50℃では固体が形成されず液体となる。しかし、アルキル鎖がケージの空孔内に入り込んで空孔を塞いでしまうため、この液体は多孔性ではない。
c Giriら1は今回、環状オリゴエーテル基を取り付けたケージ分子と溶媒(15-クラウン-5)を混合すると、溶媒もオリゴエーテルもケージの空孔内に侵入できないため、永続的な多孔性液体ができることを報告した。 | 拡大する

Ref.1

多孔性の固体材料は数多く知られているが、多孔性の液体材料は珍しい。ほとんどの液体では、分子間で一時的に空孔が形成されるにすぎず、形成された空孔が永続的に維持されないからである。ところが今回、クイーンズ大学ベルファスト校(英国)のNicola Giriら1は、ケージ(かご)状の有機分子を用いて永続的な多孔性液体を形成する画期的な方法を開発し、Nature 2015年11月12日号216ページで報告した。得られた多孔性液体はこれまでにない新しい種類の材料であり、将来的には工業地帯から放出される二酸化炭素(CO2)の捕獲など、固体よりも液体の方が実用に適しているシステムで利用されるようになるかもしれない。

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度