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アポトーシスは 脳の形作りに必須だった!

三浦 正幸

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2014.140318

多細胞生物には、細胞が自ら死に向かう「アポトーシス」が備わっている。特に発生過程では、アポトーシスが厳密に実行されることで、特定の大きさ、機能、形を持つ組織や臓器が作られる。このほど、東京大学大学院薬学系研究科の三浦正幸教授と山口良文助教らは、アポトーシスが、脳の発生を次の段階に進めるスイッチであることを初めて実証した。

–– 脳の発生とアポトーシスの研究に取り組むきっかけは?

三浦:もともと生物の発生に興味がありました。助手時代、ロバート・ホロビッツ博士(2002年ノーベル医学生理学賞受賞)が「線虫の発生では合計1090個の細胞ができ、そのうちの131個が必ず死ぬが、それは遺伝学的に制御されている1」ということを、実にスマートな研究で証明され、それに感銘を受けてアポトーシス研究に進みました。ホロビッツ博士らは線虫のアポトーシスを制御するced-3遺伝子を突き止め、その変異体ではアポトーシスが一切起こらなくなることも突き止めました。ホロビッツ研究室に加わりたいと手紙を出したところ、希望者が多いからと断られましたが、同研究室でced-3遺伝子をクローニングし、独立したばかりだったジュニン・ユアン博士を紹介いただき、1992年に弟子入りしました。

–– そこではどのような研究を?

ユアン博士とともに、まず、哺乳類を対象にしたced-3相同遺伝子の探索と同定を始めました。配列情報からカスパーゼ遺伝子(Caspase-1)にたどり着き、調べてみると、アポトーシスを誘導することが分かりました2

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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