Research press release

【考古学】コロンブス以前のアマゾン川流域には人間が広範囲に居住していた

Nature Communications

Archaeology: Large areas of the Amazon basin were inhabited in pre-Columbian times

コロンブス以前の時代、すなわちアメリカ大陸にヨーロッパ人が到来した1490年代よりも前の時代に、人間集団の居住域がアマゾン川流域の南部全体に広がっていたことを示唆する研究論文が、今週掲載される。この論文には、紀元1250~1500年のものとされるタパジョース川上流域の要塞化された村など、新たに発見された土工事の跡について報告されている。この研究結果は、コロンブス以前の時代に1800キロメートルにわたるアマゾン川流域南部が土工事の文化圏であったことを示唆している。

今回、Jonas Gregorio de Souzaたちの研究グループは、人工衛星画像を用いてブラジルのタパジョース川上流域を調査し、81か所の考古遺跡と合計104か所の土工事の遺構を新たに発見した。同研究グループは、そのうちの24か所の遺跡で地盤調査を行い、陶磁器、研磨された石斧、人為起源の黒色土(コロンブス以前のタイプの施肥土壌)、および貝塚(家庭ごみの捨て場)を発見し、こうした遺跡に人間が居住していたことを確認した。これらの考古遺跡には、溝に囲まれた小規模な土地(直径約30メートル)から大規模な要塞化された六角形の居留地(直径約400メートル)までさまざまなものがあり、要塞化された居留地には、広場を囲む複数の土塁や、切通しがあったと考えられている。

研究グループは、既知の土工事の分布と規模に基づいて、コロンブス以前の時代の後期にアマゾン川流域の南縁部の40万平方キロメートル以上の地域に類似の居留地が広がっており、総人口は50~100万人だったと推定している。また彼らは、これらの知見に基づいて、この地域がコロンブス以前の文化の発展において果たした役割を再評価することを提唱している。

Pre-Columbian populations (prior to the arrival of Europeans in the Americas in the 1490s) extended across southern Amazonia, suggests a study published in Nature Communications this week. The study reports newly discovered earthworks, including fortified villages, dating to 1250-1500 AD in the Upper Tapajos Basin. The results suggest that a 1,800 km stretch of southern Amazonia was occupied by pre-Columbian earth-building cultures.

Jonas Gregorio de Souza and colleagues used satellite images to survey the Upper Tapajos Basin in Brazil, discovering 81 new archaeological sites with a total of 104 earthworks. They then conducted ground surveys of 24 of these sites, finding ceramics, polished stone axes, anthropogenic dark earth (a pre-Columbian type of fertilized soil), and middens (a dump for domestic waste), which confirm that the sites had been inhabited. The sites range from small (approximately 30m diameter) ditched enclosures to large (approximately 400m diameter) hexagonal, fortified settlements with multiple mounds around plazas and sunken roads.

Based on the distribution and size of known earthworks, the authors extrapolate that similar habitations may have extended over more than 400,000 km2 of the southern rim of the Amazon with a population of 500,000 to 1 million people in late pre-Columbian times. Based on their findings, the authors call for a re-evaluation of the role of this region in pre-Columbian cultural developments.

doi: 10.1038/s41467-018-03510-7

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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