Research Abstract

ねじれたグラフェンナノリボンを用いたカーボンナノチューブの成長

カーボンナノチューブは小さいグラフェンシートを丸めたものと考えることができる。本稿でリムらは、グラフェンナノリボンの自己もつれを熱的に誘導することによってカーボンナノチューブを作製し、この過程を実証した。

Growth of carbon nanotubes via twisted graphene nanoribbons

2013年10月4日 Nature Communications 4 : 2548 doi: 10.1038/ncomms3548 (2013)

カーボンナノチューブは、丸めたグラフェンシートとして長い間表現されてきた。ごく最近になって、化学的、触媒的、電気的な方法を用いて、カーボンナノチューブを長さ方向に開裂し、さまざまな幅の細長いグラフェン、いわゆるグラフェンナノリボンが作られることが観察されるようになった。対照的に、実際の実験でこうした軽くて薄いリボンを巻いてチューブを作るのは可能ではなかった。最近、Kitたちによる理論研究によって、グラフェンナノリボンをねじってチューブを形成できることが示された。この着想は、丸めたシートという表現とは大きく異なっている。今回我々は、熱的に生じたグラフェンナノリボンの自己もつれによって、親チューブ・テンプレート内部で(7, 2)型と(8, 1)型のチューブが優先的に合成されることを示す初の実験的証拠を報告する。ナノリボンの幅と端の調整を通して、今回の知見は、カーボンナノチューブの形成において根本的に新しい側面を加え、将来のカイラリティー制御だけでなく、現代のナノ材料工学にも多くの光を当てる。

林 宏恩1, 宮田 耕充1*, 北浦 良1, 西村 好史1**, 西本 佳央1, ステファン・イレ1,2, ジャミー・ワーナー3, 片浦 弘道4,5 & 篠原 久典1,6

  1. 名古屋大学大学院 理学研究科 物質理学専攻(化学系)
  2. 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)
  3. オックスフォード大学 材料学科(英国)
  4. 独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門
  5. 独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST)
  6. 名古屋大学 高等研究院
  7. *現所属先: 首都大学東京大学院 理工学研究科 物理学専攻
    **現所属先: 国立交通大学(台湾)応用化学系 分子科学研究所

Carbon nanotubes can be considered as rolled-up small sheets of graphene. Here Lim and colleagues demonstrate this process, by fabricating carbon nanotubes through a thermally induced process of self-intertwining of graphene nanoribbons.

Carbon nanotubes have long been described as rolled-up graphene sheets. It is only fairly recently observed that longitudinal cleavage of carbon nanotubes, using chemical, catalytical and electrical approaches, unzips them into thin graphene strips of various widths, the so-called graphene nanoribbons. In contrast, rolling up these flimsy ribbons into tubes in a real experiment has not been possible. Theoretical studies conducted by Kit et al. recently demonstrated the tube formation through twisting of graphene nanoribbon, an idea very different from the rolling-up postulation. Here we report the first experimental evidence of a thermally induced self-intertwining of graphene nanoribbons for the preferential synthesis of (7, 2) and (8, 1) tubes within parent-tube templates. Through the tailoring of ribbon’s width and edge, the present finding adds a radically new aspect to the understanding of carbon nanotube formation, shedding much light on not only the future chirality tuning, but also contemporary nanomaterials engineering.

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