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Volume 9 Number 92012年9月号

卓上型のX線ビーム光源が登場

指向性の高いX線光源は、結晶構造解析など材料科学や分子科学にとって必須の道具だ。現在は、放射光施設や自由電子レーザーなど、数百億円以上の大型施設のX線光源が主役を演じている。しかし、今回、小型のX線ビーム光源が開発され、注目を集めている(Science 336, 1287-1291, 2012)。今回の装置は高次高調波発生の原理から得られたもので、小型ゆえに光量は少ないものの、大型光源より短いパルスがすでに実現し、高速の「動画」を撮影することができる。当面は、大型光源と併用することで、新たな知見が期待されている。

特別公開記事Free access

ヒッグス粒子の発見と今後

ヒッグス粒子の発見と今後

ヒッグス粒子がとうとう発見された。しかし、この粒子のスピンの値を確定したり、約125GeVという質量と整合性のある理論を導いたり、解決しなければならない課題は山積みとなっている。

Editorials

科学者の電子メールに、プライバシーはない

科学者の電子メールに、プライバシーはない

電子メールを含め、研究について文書で議論している科学者は、いつ何時、その内容の公開を求められてもおかしくないことを覚悟すべきだ。

科学論文オープンアクセス化に伴うコスト

科学論文オープンアクセス化に伴うコスト

研究成果のオープンアクセス化という世界的な流れがある。しかし、誰がその費用を負担し、何が適正な費用で、誰に対して何を提供するのか、という点を明確にしなければならない。

Research Highlights

News

やっぱりリンが好き

やっぱりリンが好き

激しい論争が続いていた、高濃度ヒ素下で生きる生物について、2組の研究チームが再試験を行い、その生存には通常どおりリンが必要なことがわかった。

暗黒物質のフィラメントを検出

暗黒物質のフィラメントを検出

暗黒物質のフィラメントが直接検出され、超銀河団に暗黒物質が存在することが確かめられた。

クモがバッタをにらむと植物の腐敗が遅くなる

クモがバッタをにらむと植物の腐敗が遅くなる

バッタを補食の危険にさらすと、ストレスで体内の化学組成が変化し、生態系全体の栄養循環にまで影響することが明らかになった。

ようやく実現したホウ素三重結合

ようやく実現したホウ素三重結合

ホウ素–ホウ素三重結合を持つ安定な化合物が合成され、有機エレクトロニクス材料分野で応用の可能性が。

抗体を利用してがんに対する免疫応答を目覚めさせる

抗体を利用してがんに対する免疫応答を目覚めさせる

がんは、生体に本来備わっている防御機構を回避する術を持っている。この回避機構を阻害する抗体を用いた治療により、これまでの免疫療法を上回る治療効果が得られた。

SPICEの野外試験中止で注目される地球工学関連特許の問題

SPICEの野外試験中止で注目される地球工学関連特許の問題

英国のSPICE研究コンソーシアムが、特許問題から太陽光反射野外試験を中止に。

卓上型X線ビーム光源が開発された

卓上型X線ビーム光源が開発された

コンパクトなX線ビーム光源が開発された。遠くない将来、超高速の化学反応なども、小さな研究室で手軽に調べられるようになる。

初回の支払いのみで何度でも論文を出版できるオープンアクセスジャーナル

初回の支払いのみで何度でも論文を出版できるオープンアクセスジャーナル

新しいオープンアクセスジャーナルPeerJは、数多く提案されている出版モデルの1つを実践しようとしている。終身会費を支払えば何度でも論文を投稿し、出版できるというのだ。

News Features

植物状態の「意識」を探る

植物状態の「意識」を探る

意思伝達が不可能とされてきた植物状態の患者と、脳スキャン技術を使ってコミュニケーションをとる方法が見つかった。これを発見した神経科学者Adrian Owenは今、この手法を臨床現場に導入しようと奮闘している。

風力発電から鳥を守るために

風力発電から鳥を守るために

ブレードが高速回転する風力発電所は、周辺を飛ぶ鳥やコウモリにとって重大な脅威となっている。野生生物が安全に世界の空を飛べるようにするには、何をどうすればよいのだろうか。

曲がり角に立つインフォームド・コンセントのあり方

曲がり角に立つインフォームド・コンセントのあり方

市民の協力の下で行われる研究では、事前にインフォームド・コンセントを得る必要がある。しかし、研究データの用途が広がるにつれ、当初想定していなかった目的での利用が増え、協力者との間でトラブルになるケースが増えてきている。インフォームド・コンセントのあり方は転機を迎えているのだ。

Japanese Author

一斉に波打つ繊毛 — その協調運動のカギは根元にあった

一斉に波打つ繊毛 — その協調運動のカギは根元にあった

気管、卵管の表面は、上皮細胞で覆われ、一面に繊毛が生えている。たくさんの繊毛は協調して同一の動き方をし、バケツリレー式にものを運ぶ。異物の除去や、卵子の運搬移動がそうだ。世界的な上皮細胞研究者、月田早智子・大阪大学教授は、そうした繊毛の協調運動の解明に取り組んでいる。

News & Views

生死のスイッチ

生死のスイッチ

免疫反応を引き起こす植物ホルモンであるサリチル酸の受容体が2種類発見された。これらの受容体は、サリチル酸に対する親和性が異なっており、サリチル酸はこの親和性の違いを利用して、感染部位と非感染部位の細胞の生死を制御しているようだ。

サブミリ波銀河HDF850.1の正体

サブミリ波銀河HDF850.1の正体

非常に遠方にあるらしい、サブミリ波長(1mm未満)で明るく輝いている銀河の分光観測が行われ、ビッグバンからわずか10億年ほどの、生まれたばかりの銀河団の中心部にあることが明らかになった。

News Scan

おいしいトマトの秘密

おいしいトマトの秘密

トマトの風味の決め手となる香り成分が特定された

ウイルス発電機

ウイルス発電機

携帯電話を充電できるようになるかも

Nature Highlights

Nature 2012年7/5〜7/26号のハイライトを掲載しています。

2012年7月5日号

2012年7月12日号

2012年7月19日号

2012年7月26日号

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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