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免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ

Nature 564, 7735

サイトカイン放出症候群(CRS)は過剰活性化した免疫応答の1つで、病原体に対してだけでなく、腫瘍溶解性ウイルス・細菌や改変したT細胞などの免疫調節療法に対しても起こり、重大な毒性を生じることがある。著者たちは今回、抗炎症タンパク質の1つである心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、腫瘍溶解性細菌やCAR-T細胞などのさまざまな治療法や敗血症により誘発されるCRSを防ぎ得ることを見いだしている。ANPは、マクロファージによるカテコールアミン合成を阻害することでCRSを防ぎ、治療の効果も損なわれないことから、この経路は免疫調節治療の有害な副作用を防ぐための治療標的候補であることが示唆される。

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