Nature ハイライト

海洋化学:海洋の有機硫黄循環の拡大

Nature 563, 7731

ジメチルスルフィド(DMS)は、さまざまな種類の植物プランクトンが生成するジメチルスルホニオプロピオン酸(DMSP)の変換により生じる。DMSは大気中の有機硫黄の主な供給源であり、生物地球化学的な硫黄循環において重要な役割を果たしている。海洋の表層水には、かなりの量のDMSPとDMSが溶解しているが、これら2つの分子種を超える量のジメチルスルホキシド(DMSO)が溶解している場合も多い。DMSOは、このように海洋有光層に豊富に、しかも広範に分布しているにもかかわらず、その生物学的起源や生態学的・生理的役割はよく分かっておらず、DMSの生物学的酸化および光化学的酸化によってのみ生成されるという見方が一般的である。今回、新規の双性イオン性代謝物ジメチルスルホキソニウムプロピオン酸(DMSOP)が発見され、この化合物が複数の植物プランクトンで広く生成されていることが明らかになった。DMSOPは、藻類によるDMSPをDMSとアクリル酸へ分解する経路を迂回してDMSOを生産する、これまで報告されていなかった生物学的経路のカギとなる代謝物であり、海洋藻類および海洋微生物が生成する、これまで知られていなかった新しいDMSO供給源である。

2018年11月15日号の Nature ハイライト

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