Nature ハイライト

微生物学:ショウジョウバエでは腸内微生物相が運動を調節する

Nature 563, 7731

動物の生存と繁殖にはロコモーションが不可欠であり、これは内因性および外因性の感覚入力によって調節されている。C Schretterたちは今回、腸内微生物相が存在しない状態で飼育された、あるいは抗生物質を投与されたキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)が過活動性の移動運動行動を示すことを報告している。腸内微生物相の欠如による歩行速度や1日当たりの活動量の増大は、ショウジョウバエの共生細菌である乳酸菌Lactobacillus brevisなど、特定の細菌による単一細菌定着によって救済された。L. brevis由来の酵素キシロースイソメラーゼは、ショウジョウバエの糖代謝を調節することで微生物定着がロコモーションに及ぼす影響を再現した。キシロースイソメラーゼがショウジョウバエのロコモーションに及ぼす影響は、オクトパミン作動性ニューロンの活性化あるいはオクトパミンの外因的投与で解消された(オクトパミンは無脊椎動物の神経伝達物質で、脊椎動物のノルアドレナリンに相当する)。これらの知見は、腸内マイクロバイオームが宿主のロコモーション調節において果たしている役割を明らかにするとともに、オクトパミン作動性ニューロンが末梢の微生物からの合図の調節因子であり、動物の運動行動を調節することを示している。

2018年11月15日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度