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海洋化学:代謝物ジメチルスルホキソニウムプロピオン酸が海洋の有機硫黄循環を拡張する
Nature 563, 7731 doi: 10.1038/s41586-018-0675-0
藻類は大量のジメチルスルホニオプロピオン酸(DMSP)を生成し、これが有機硫黄循環の原動力となっている。全球規模では、年間数ペタグラムのDMSPが生成されており、これが基本的過程や海洋の食物網を駆動している。DMSPの変換で生じる重要な生成物はジメチルスルフィドで、この化合物は大気中に放出されるか、酸化されてジメチルスルホキシド(DMSO)などの生成物を生じる。今回我々は、DMSPを生成する複数種の微細藻類や海洋細菌によって合成される、珍しい構造を有する代謝物ジメチルスルホキソニウムプロピオン酸(DMSOP)を発見したことを報告する。DMSPと同様、DMSOPも低分子量の双性イオン性代謝物で、正電荷を帯びた官能基と負電荷を帯びた官能基の両方を持つ。同位体標識研究からは、DMSOPがDMSPから生成し、海洋細菌によって速やかに代謝されてDMSOになることが明らかになった。DMSOPは海洋採取試料や藻類の培養培地にナノモル濃度に近い量が含まれており、よってこれは、我々の知る限りこれまで報告されたことのない、海洋環境におけるDMSOの生物学的供給源の存在を示している。この経路で生成される海洋の酸化硫黄は年間テラグラム規模と推定され、これは算出されているジメチルスルフィドの大気中へのフラックス量と同程度である。従って、このスルホキソニウム代謝物は、海洋の硫黄循環においてこれまで報告されていなかった経路の要となる代謝物である。今回の発見は、海洋の有機硫黄循環におけるDMSOPの重要性を明確に示している。

