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微生物学:ショウジョウバエでは腸内微生物的な要因が移動運動行動を調節する

Nature 563, 7731 doi: 10.1038/s41586-018-0634-9

動物行動の生物学的性質の研究は主として中枢神経系を中心に行われてきた一方、末梢組織や環境からの合図は脳の発達や機能と関連付けられきた。腸と脳の間の双方向性のコミュニケーションが、不安、認知、痛覚、社会的相互作用などの行動に影響を及ぼすことを示す新たな証拠がある。協調的な移動運動行動は動物の生存と繁殖に不可欠で、内因性および外因性の感覚入力によって調節されている。しかし、腸内マイクロバイオームが宿主のロコモーションにどのような影響を及ぼすのか、また、それに関与する分子機構や細胞機構についてはほとんど分かっていない。今回我々は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において、無菌状態あるいは抗生物質投与が、過活動性の移動運動行動につながることを報告する。腸内マイクロバイオームの欠如による歩行速度および1日当たりの活動量の増大は、ショウジョウバエの共生細菌である乳酸菌Lactobacillus brevisなど、特定の細菌による単一細菌定着によって救済された。L. brevis由来の細菌酵素キシロースイソメラーゼは、ショウジョウバエの糖代謝を調節することで微生物定着のロコモーションへの影響を再現した。重要なことに、キシロースイソメラーゼがショウジョウバエのロコモーションに及ぼす影響は、オクトパミン作動性ニューロンの熱遺伝学的活性化あるいはオクトパミンの外因的投与により解消された(オクトパミンは無脊椎動物の神経伝達物質で、脊椎動物のノルアドレナリンに相当する)。これらの知見は、これまで正当に評価されていなかった腸内マイクロバイオームのロコモーション調節における役割を明らかにするとともに、オクトパミン作動性ニューロンが末梢の微生物からの合図の調節因子であり、これが動物の運動行動を調節することを示している。

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