Nature ハイライト

人類学:アフリカを出てアジアへ

Nature 554, 7690

インドのアッティランパッカム遺跡で発見された、中期旧石器時代の石器。
インドのアッティランパッカム遺跡で発見された、中期旧石器時代の石器。 | 拡大する

Credit: Sharma Centre for Heritage Education, India

ホモ・エレクトス(Homo erectus)やその近縁種からなるヒト族は、170万年以上前にアフリカを離れた際、「アシュール文化の握斧」として知られる特徴的な石器を持ち出した。その後のユーラシアにおけるヒトの進化は、骨格標本が極めて少ないために、使用されていた石器の変化、とりわけ、アシュール文化の技術から中期旧石器時代(アフリカでは「中期石器時代」として知られる)の技術への漸進的な移行として表される場合が多い。アフリカおよびヨーロッパの外での中期旧石器時代への移行は、ユーラシアでのヒト族の生活、そして特に、解剖学的現生人類の出アフリカとそれに続く移動を理解する上で極めて重要である。インドではこれまで、限られた証拠しか発見されていなかったが、S Pappuたちは今回、インド南部のアッティランパッカム遺跡から得られた新たなデータを提示している。遺跡の年代から、インドでは中期旧石器時代が約38万5000年前に始まったことが示唆された。この年代は、ヨーロッパやアフリカで見いだされている中期旧石器時代の始まりの年代と同時期であり、インドでの中期旧石器時代への移行が、現生人類の南アジアへの広がりに関する従来の説で示唆されている年代をはるかにさかのぼることを示している。

2018年2月1日号の Nature ハイライト

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