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大気科学:森林から放出される物質がエアロゾルになるまで

Nature 506, 7489

今回の研究で測定が行われた、フィンランド南部Hyytiäläの針葉樹林。
今回の研究で測定が行われた、フィンランド南部Hyytiäläの針葉樹林。 | 拡大する

Credit: Juho Aalto

森林は、大量の揮発性有機化合物を大気中に放出する。こうした物質の凝縮性酸化生成物は、二次有機エアロゾル(SOA)を形成し、これが太陽放射を散乱し、また雲凝結核となって地球の放射収支に影響を及ぼす可能性がある。しかし、生物起源の揮発性有機化合物がエアロゾル粒子に変換される過程は、まだよく分かっていない。今回、直接的な反応経路によって揮発性有機化合物から揮発性の低い蒸気が生じ、次にこの蒸気がエアロゾル表面に凝縮して二次有機エアロゾルが生成され、森林地帯上空でのエアロゾル粒子の形成と成長が著しく促進され得ることが明らかになった。

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