Nature ハイライト

がん:小児上衣腫のゲノム解析

Nature 506, 7489

上衣腫は神経系全域に生じる腫瘍だが、発生が最も多いのは小児の後脳である。今回、2つのグループがこの上衣腫の独立したゲノム解析を報告した。S Mackたちは、47例の後脳上衣腫で、ゲノム全体の変異率は低く、有意差のある頻発性変異も存在しないことを見いだした。しかし、主に乳児に見つかり、予後不良に関連する、後頭蓋窩上衣腫A群というサブグループは、CpGアイランドメチル化表現型を示すことが分かった。そして、このサブグループは、マウス異種移植モデルで有効性を示したEZH2阻害剤など、エピジェネティックな修飾を標的とするさまざまな化合物に感受性を示すことが示された。M Parkerたちは、テント上上衣腫のおよそ70%にC11orf95–RELA融合遺伝子が見られるが、他の上衣腫サブグループにはこの融合遺伝子は見られないことを見いだした。この遺伝子融合は染色体粉砕(chromothripsis)によって生じ、これによってNF-κBシグナル伝達を構成的に活性化する融合タンパク質が発現する。マウスモデルでは、神経幹細胞でのC11orf95–RELAの発現が脳腫瘍の形成を引き起こす。これらの知見は、NF-κBシグナル伝達が、テント上上衣腫の患者の治療標的となる可能性を明らかにしている。

2014年2月27日号の Nature ハイライト

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